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インドネシアへの想い②夫編
インドネシアで暮らし始めると、だいたいの日本人は、インドネシア人の時間感覚に戸惑いを覚えます。
とにかく時間にルーズなのです。
まあ、よく言えば、時間におおらかとも言えるかもしれません。
レストランでのウェイターと私の会話を紹介しましょう。
私が注文したスープ・ブントゥット(インドネシア料理:牛のテールスープ)がなかなか出てこなかったときのことです。
(Jakarta Shangri-la Hotel より画像お借りしました。ちなみにこちらのレストランの出来事ではございません)
「あのー、さっき注文したスープ・ブントゥット、まだでてこないんですけど・・・」
「あっ、少々お待ち下さい。確認いたします」
それから3分後、厨房に確認に行ったウェイターが戻ってきた。
(この時点でさらに3分も待たされた私のイライラは頂点に達している)
「申し訳ございません。スープ・ブントゥットは品切れです!」
「え!? シ・ナ・ギ・レ・・・」
「はい。お客様、品切れでございます」
「品切れって・・・さんざん待たせておいて、どういうことだよー!」
クレームに対してウェイターが発した言葉は・・・まさかの・・・
「ティダ・アパ・アパ!」
※インドネシア語で「問題ございません」という意味
いかがでしょうか、この会話。
良識のある日本人であれば、「ティダ・アパ・アパ」は、ウェイターが言うべき言葉ではなく、むしろお客(しかも心がとても寛大なお客)が発する言葉であると感じるはずです。
これが日本のレストランで、しかも、注文した客が的場浩司だったら・・・
このような状況下で、ウェイターから「品切れです」と言われても、笑いながら「ティダ・アパ・アパ」と返せるようになるまで、3年かかりました。
ハートは柔軟性のある筋肉です。