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ミスチルがこわい。

2000年代の初頭、姉がCDレンタル屋(当時はTSUTAYAでさえなかった)から借りてきたアルバムをダブルデッキのCDラジカセでカセットテープにダビングし、聴いた。
サーッというホワイトノイズの後に流れ出したその曲のイントロを聴いた瞬間、脳のどこかが目覚めるような体験をした。
脳は電気信号の伝達により構成されてるというけれど、その時の僕の脳内では、ハッキリと目に見えるくらいの電撃が走っていたのではないかと割と真面目に思う。
そんなことがほんとにあったら死ぬだろ、というマジレスに向けて言うけれど、ある意味では僕は死んだ。過去の自分が、という意味で。
彼らの音楽を知る前と知った後では、世界が違ってしまったのである。

それが、僕とMr.Childrenとの出会いだった。

それは当時発売されて大きく話題となった「肉」と「骨」と呼ばれるベストアルバムの「骨」の方だった。詳しい方ならもう分かると思うが、僕が撃ち抜かれた曲のタイトルは「名もなき詩」である。

それ以来、僕の人生のそばにはいつもいつでもミスチルが居た。
「Hallelujah」という曲を聴いて一人暮らしの部屋の中でおいおいと泣いた時もあったし、「水上バス」という曲を陸上バスの中で聴いたり、「ロードムービー」という曲を原付に乗りながらヘルメットの中で歌ったこともあるくらい、生活の中にMr.Childrenの楽曲が溢れていて、それが当たり前だった。

昨夜、Mr.Childrenが10月にリリースするアルバムについての詳細を発表した。「重力と呼吸」というタイトルの作品で、ミスチルにしては少ない全10曲のアルバムなのだそうだ。

このアルバムについて、桜井和寿氏がコメントを寄せている。このコメントが、エグい。

僕はこのコメントを読んで、なんだかとても落ち込んでしまった。新作を聴かずとも、「音楽をやめたく」なった。
ミスチルが、桜井さんが、本気で魂込めて音楽を突きつけてきた。聴いたとき、上手に立ってられるだろうか。今から、すこしこわい。

でも、それ以上にワクワクしてしまうのだ。
いちファンとしては、期待する。
いち音楽家(自分でいうとアレだけど)としては、恐れる。

困ったなぁ。音楽やめたくないなぁ。

ともあれ、とても楽しみです。

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