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仮想通貨マイニングを始めてみた#1 ーとりあえず始めてみた

0.はじめに

仮想通貨のマイニングに興味が出てきたので、ちょっと環境を作って始めてみた。マイニングの環境は「リグ」と言う。仮想通貨を、ネット(鉱床)の中から膨大な計算によって掘削するイメージになるため「リグ」と呼称しているらしい。
今は、仮想通貨のゴールドラッシュ状態である。
自分を含め多くの人が利益を求めて群がっており、GPUの価格は高騰している。
ネットで先人のマイニングのやり方とか収益の計算方法とか色々参考にしたけれども、最終的には個々の環境によって異なるし、ネットに掲載されている収益計算は多くの場合当てにならなかった。
始めてみた結果、分かったことを羅列する。
他に気付いたことがあれば、その都度追記する。

1.仮想通貨マイニングは誰にでも可能

コンピュータが手元にあれば、本当に誰にでも始めることが出来る。
Windows10のパソコンならば極端な話、マイニングを行うソフトウェアをインストールして、実行するだけで開始することが出来る。
実際には仮想通貨を入れておくウォレットを用意する必要があるけれども、マイニングとウォレットを統合したサービスがあるので、それも難しいことではない。

2.利益は出せるのか

純利益を出そうとすると少しハードルが高くなるが、出すことは可能
仮想通貨のマイニングには、大きな計算能力が必要になる。
大きな計算能力には、大きな電力が必要になる。
大きな電力を消費しながら能力の低い機器でマイニングを行っても、マイニングした仮想通貨よりも電気料金の方が高くなるので、収益が出ないどころか完全に赤字になってしまう。急に電気代が跳ね上がって、怒られる可能性すらある。
消費電力が低くて計算能力も低い機器では、仮想通貨を換金出来るようになる(0.001BTC)までに時間が掛り過ぎてしまう。
可能な限り、消費電力あたりの計算能力が高い機器を用意すべきなのだ。
具体的にはGPUを使用するのだが、GTX1660とかRX570/8G以上のパフォーマンスが欲しいところだし、投資する価格帯としてもこの辺りが適当であると思う。(2021/04現在)
個人的には、マイニングに投入した資金と電気料金を一年以内に全て回収して、純利益を出すことを目標としている。
マイニングバブルの前に安価で能力の高いGPU、少なくとも前記以上のものを入手できている人は、初期投資を考慮しなくて良いので超ラッキー。
マジでラッキー。

3.どの程度電気代が掛かるのか

これは、家庭によって電気のプランが異なると思うのでひとまとめに計算することは出来ないが、一般的には27円/kWhで計算する。
電気料金計算のサイトがあるので、こちらで概算を出すことが出来る。
電気料金のプランとか細かいところが把握できるのであれば、それらを反映させて計算できるので便利である。
例えば、自身の手元にあるリグの消費電力の合計が370W程度なので、このサイトで単純計算すると年間あたり約87,451.6円と、なかなかの結果が出てくる。
月換算では、約7,287.6円ということになる。

4.リスクはあるのか

仮想通貨が暴落したら投資した分が全て無駄になる可能性があるが、油断すると大きなマイナスになる可能性がある他の投資と比較したら、リスクは低めだと思う。ただし、最低限電気代はマイニングできているという前提。
安全策を取るなら、失うものが少なくて済むローリスク・ローリターンを求めるのが妥当。
それでも、中途半端な投資信託とかFXよりも、大きな利益を得ることが可能だと思ってる。投資としては、コスパ最強なのでは。
金額を突っ込んで超高額なGPUを導入してハイリターンを得ることも可能だけれども、仮想通貨が暴落した時のリスクと、現在(2021/04)販売されているGPUが健全な価格ではないということと電気代のことを考えると、積極的にお薦めはできない。
懐に余裕があるのであれば、マイニング専用のマザボと電源を導入して、ミドルレンジのGPUを5枚とか8枚とか突っ込んでマイニングしても良いと思うけれども。

5.マイニング機の準備

手元にデスクトップPCがあるのであれば、GPUを入れ替えるのが一番安価。
前記のGPU以上のものが既に入っているのであれば、そのまま使用する。
また、高性能のGPUを搭載したノートPCであれば、そのまま使用可能。
GPUを使わない時間にマイニングを走らせればOK。

デスクトップPCが無くてエントリークラスのノートPCは所持しているということであれば、ノートPCに外付けでGPUを導入する方法もあるのだが、外付けBOX(eGPU)の接続方法がThunderbolt3端子に限定される。

デスクトップPCを使用する方が、スタート地点としては楽である。
欲張って複数枚のGPUを使おうとすると電源の容量不足に陥る可能性が高いし、実際に2枚のGPUで電源容量不足に陥ったため、慌てて750Wの電源を手配した。意外と電源容量を食らうので、注意されたい。
あと、GPUには6ピンとか8ピンの電源コネクタが付いており、電源ユニットから直接接続しなければならないので、接続すべき電源コネクタが不足している時には、SATAなどの電源から6ピンまたは8ピンに変換するための変換ケーブルなどの用意も必要になる。

6.マイニングの準備

先人のサイトを参考にして色々試したのだけれども、ウォレットとマイニング用のソフトを別々に用意するのは、明らかにハードルが高い。
日本語に対応していない(2021/04現在)し、先人が紹介しているやり方から根本的に変わっていて、参考にならない場合が多かった。
個人的には、nicehash.comがお勧めだし一番わかり易い。日本語に対応していないけれども、マイニングを開始するハードルは一番低いと思う。
ソフトをダウンロードしてインストールしてユーザ登録を行えば、ウォレットは自動的に準備されるので、個人的には一番簡単だと感じた。
他にnicehashの優れているところは、複数のアルゴリズムと複数の仮想通貨の中から効率よくマイニングできるものを自動的に選択して、自動的に切り替えてマイニングし、更にBitcoin(BTC)に変換してウォレットに保存してくれるところ。

注意しなければいけないのは、ソフトウェアがウィルス対策ソフトに弾かれてしまうこと。ダウンロードページにWindowsDefenderでの対処法が書かれているので、まずはそれを実行することが必要。
他のウィルス対策ソフトをインストールしている場合には、一時的に保護を切るとか、検出されたファイルを除外リストに追加する等の処置が必要になる。

7.マイニング開始

まず必要になるのは、プラグインを可能な限り多くインストールすること。

NiceHash Miner v3.0.6.4 20210418(日) 190314

マイニングの選択肢が多ければ、その分得られる利益も期待できる。
その他にも設定項目が多くあるが、それほど難しいことは書かれていないので割愛。
注意したいのは、NiceHashMinerの本体を自動アップデートにしないこと。
前述のようにウィルス対策ソフトに蹴られて、マイニングが止まってしまう。
あと、nVidiaのGPUでは最大能力で演算されない場合があるので「NVIDIA P0 State」をONにしておくと安心。
ここまで出来れば、あとはDevicesでGPUを選択してDashboardでマイニングを開始するだけ。
CPUでもマイニングは可能だがあまりにも効率が悪い(=赤字になる)ので、やめておいた方が良い。
最初はBenchmarkが走って全てのプラグインを比較するので、マイニング開始まで少し時間がかかる。

CUserssyouthAppDataLocalProgramsNiceHash Minerminer_pluginse7a58030-94eb-11ea-a64d-17be303ea466bins16.0miner.exe 20210418(日) 192141 (2)

マイニングが開始されると、このようなウィンドウが表示される。
使用されるアルゴリズムやマイニングする仮想通貨によって、表示される内容は変化する。
ハッシュレートもアルゴリズムによって大きく変化するので、一見してハッシュレートが低く見えても、きちんとマイニングされているので安心されたい。
様々なサイトでGPU毎のハッシュレートが比較されているが、GPU性能の序列程度に考えた方が良い。

8.チューニング

マイニングを効率化するため、GPUをチューニングする。
初期設定では最大電力で動作するので、その分利益が削られてしまう。
先人が色々とデータを取って公開しているので「マイニング GPU 設定」で検索して、参考にすると良いと思う。
nVidiaではMSIの「Afterburner」AMDなら「Radeon Software Adrenalin」を使用してチューニングする。
Afterburnerは、設定可能な項目が少ない印象。
Radeon Software Adrenalinは、設定項目がやたらと多い印象。
先人によるとメモリクロックが重要とのことなので、メモリクロックを上げて、電流を低く設定することが重要。個人的な感覚では、最大クロックから3割低い程度が適切なように思う。
コアクロックは最大クロックではなく、少しだけオーバークロックした状態にする。電流の設定が可能であれば、低く設定する。
コアの温度が60度前後になるように、ファン速度の設定を行う。ファンの音が煩くなるが、そこは我慢が必要。
コアの温度が高くなると、マイニングの効率が落ちてしまう。
Radeonシリーズでは演算優先の設定があるので、GPUの出力にモニターを接続した場合は、その設定を行わないと100%で演算を行ってくれない場合がある。

適切と思われる設定を詰めている間にOSを何度もクラッシュさせたが、あまりクラッシュさせない方が良いと思う。自身のPCでは、UEFIのブートローダーもクラッシュしたらしく、一度UEFIに入ってからでないと起動SSDを認識しなくなってしまった。
とにかく、低電流で安定動作するポイントを探すと、マイニング効率が飛躍的に向上する。

CPUは、オーバークロックせずに標準設定で使用する。
オーバークロックすると一番高いクロックに固定されてしまう場合が多いため、その分CPUのI/Oや周辺回路で余計な電力を食らってしまう。
メインメモリの速度も特に重視しないのでDIMMは1枚だけにして、ここでも電力をケチる。メモリにもヒートシンクが付けられるくらいなので、相当の電力消費があると考えた方が妥当。

9.他に用意したいもの

1)消費電力チェッカー
GPUのチューニングで露骨に消費電力が変化するので、それをモニターすることと、リグの消費電力とマイニングの効率を確認するために必要。
使うのはチューニングが終わるまでの間だけになると思うが、消費電力を抑えるためには絶対に必要。
消費電力が上回って赤字になっては、マイニングの意味がない。

2)リグ専用機の場合は、RaspberryPi用のモニタ
7インチ程度で解像度がそこそこあって、ケースレスなら非常に安価でUSBから電源が取れるため、コンセントをPC本体の1本に集約することが出来る。
タッチパネル対応のものもあり、操作性を考慮しなければマウスを省略することが出来る。
消費電力が非常に低いし、場所も取らない。

3)サージプロテクタ
可能性は非常に低いが、落雷などのサージでリグを壊してしまうのは非常に悲しい。

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10.自身のリグについて

1号機(専用機)として用意したのは、使い道がなかった昔のゲーミングPC。
SSD搭載でメモリは8GB(元々は16GBだったが、片チャンネルのDIMMが壊れて片肺になった)、CPUはCore i7-4770。
これに新規に購入したRX570/4Gを二枚刺している。GPUのメモリは最低8GBでないとマイニングできないと言われているが、少しの利益が出るくらいで動作している。
このリグの総消費電力は、約260W。(今見て来たら、315Wて数字が……。マイニングの画面にも、91Wと92W(計183W)と表示されてた。アルゴリズムによっても、消費電力が変化しているようだ(2021/04/19))
電源の容量不足で慌てたのは、このマシン。
RX570はTDP150Wなので、二枚挿しで260Wというのは解せぬ勢いだと思う。消費電力チェッカーとリグの表示のワット数を信じて計算するとGPU一枚辺りの消費電力は75W程度で、約半分に抑えることが出来ている。(315Wでも、GPU2個分の消費電力を少し上回っている程度なので、かなり低い)
チューニングをしていなければ、利益を出すことは出来ないと思う。
RX570/4G二枚で、おそらくはRX570/8G一枚に近いパフォーマンスを出せていると思う。

2号機は、メインで使っているデスクトップ機。(Core i7-4770K/32GB/SSD+HDD、CPUはi7-5775Cに換装予定)
GTX1660Tiを搭載しているので、そのまま使用している。
24時間電源入れっぱなしにしているので、追加分の電力は110W程度。
この2号機がなければ、回収率が非常に低く、利益もあまり見込めないと思う。

性能的には、RX570/4G二枚よりもGTX1660Tiの方がピーク性能が高い。前者の方がマイニング結果の振れ幅が小さく、後者はピーク性能で前者の2倍程度高い数値を示すが振れ幅が非常に大きい。
タイミングによっては、RX570/4Gの方が効率よくマイニングしている場合もある。

11.マイニング結果について

マイニングの結果を眺めて一喜一憂するのも良いが、振れ幅が大きいので短期的には意味がない。
少なくとも一週間程度の平均値で長期的展望を簡単に予測し、どの程度マイニング可能か、レートが振れた時にどの程度の利益に収まるのかを考える必要がある。

スクリーンショット (28)

これは今朝(2021/04/19)までの一週間のマイニングレートの推移であるが、かなりの振れ幅があることが分かる。
全体的に右肩上がりになっているのは、チューニングとかプラグインのアップデートなどの要素が関係していると思う。
あとは、他の仮想通貨とBitcoinの相場にもよるところも大きい。
Bitcoinが安くなれば、マイニング効率はかなり高くなる。
安いうちにガンガンマイニングして、後日利確するやり方が良いと思う。

マイニングの状況やリグの動作状況は、NiceHashのサイトかスマホのアプリで確認できる。

12.換金・税金について

現金として使用するには、取引所に口座を開いてウォレットから送金しなければならない。
送金の際には、その時のレートで換金される。
とりあえずDMMで口座を開いたが、まだ換金していないので実際にどのようにするのかは、まだ深く理解できていない。

また、送金した時点で利益確定(利確)となるので、その時点で納税の対象になり、税務上は雑収入として処理されるとのこと。
詳しいサイトがあるので、こちらを参考にされたい。

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