ダウン症のある子どものリハビリについて 質問&回答 その18

小児地域リハビリテーション研究会に寄せられたQ&A

Q:2020/7/17 11:18 当事者の家族 6歳
6歳の男の子のことについて教えて下さい。歩き初めの時期が健常児とあまり差が無く、遠足などでも同じように歩くので、市販の靴+インソール無しで今まできました。ただ、偏平足で、歩く時も走る時も左右への振れ幅が大きい気がします。これからインソールを入れて、歩き方の改善をする事は出来るのでしょうか。

A(真野Dr):「歩行を洗練させる」を参考にしていただくとよいです。
股関節伸展(過伸展)ができますか?股関節内外旋中間位で足を動かせますか?
体幹筋力、中殿筋、大殿筋筋力などを個別に評価するとよいですね。
インソールの適応は、姿勢と動作を評価してきめます。
歩き方だけでなく、Part2の練習をしてみるとよいですね。結果的に、歩行が洗練されると思います。


Q:2020/7/18 15:36 当事者の家族 6歳の女の子
腹筋背筋の低緊張により座る時に立て膝をついてしまうとリハビリの時に言われました。ご飯中はダイニングテーブルで食べています。大人用の椅子で足がつかない状態で食べたり子供用の足がつくものでも足が上がってしまう状態です。食事中は足が上がるたびに呼びかけて足を下ろしての繰り返しなのですがそもそも低緊張も治ってくる年齢のようなので腹筋を鍛えるべきなのでしょうか?
お腹を押さえてあげるのも良いみないなことも言っていましたが、食事中や座っているときに押さえておくのも違うと思い、腰が悪い人が使う様なコルセットなどを購入してみようか考えているのですがそれはまた違うのでしょうか?

A(真野Dr):腹筋を鍛えることも大切ですが、この年齢の姿勢には、股関節の拘縮が影響しています。足幅を狭くできますか?股関節伸展(過伸展)ができますか?股関節内外旋中間位で足を動かせますか?中殿筋の短縮、股関節伸展筋の拘縮はないですか? リハビリで評価していただくとよいでしょう。
座っているための筋力も必要です。大殿筋と中殿筋の筋力が必要です。
一般的にコルセットを使うことはありませんが、(今回の書籍の中にも載っていませんでした)腹圧を挙げる効果があるので、試みてもよいかもしれません。

Q:2020/7/18 18:07 当事者の家族 10歳
小さい頃には見られなかった姿勢の悪さが気になります。歩く姿が少し猫背で前かがみになり、お腹が中年のように出ています。お腹は腹筋だと思いますが、姿勢の悪さにはどこを重点的に鍛えていけばいいですか?またその方法を教えて頂けると助かります。

A(真野Dr):ご質問いただきありがとうございます。10歳であれば筋緊張も改善していると思います。個別の評価が必要ですね。
硬さが残るのは、股関節とアキレス腱です。大殿筋(お尻の筋肉)は固くなっていないでしょうか?個別の評価とリハビリを検討するとよいです。
体重はどうでしょうか?
気が付かないうちに足を痛めていることもあります。訴えないで、我慢していることもあります。腓腹筋の不全断裂や膝の靭帯損傷などは気が付かれないこともあります。
10歳になると、頭の回転が速くなり、相手に合わせた行動ができるようになってきます。大切な時期です。この時期に社会性を身につけるように、皆さんで指導をしていただくとよいと思います。

【参考図書】
ウィンダーズ先生のダウン症のある子どものための身体づくりガイド おうちでできる練習BOOK 原著第2版

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