ダウン症のある子どものリハビリについて 質問&回答 その22
Q:2020/7/27 20:53 当事者の家族 3歳0ヶ月
立つと両足の親指が内側(人差し指側に)曲がってます。これだと立ったときに親指に力が入らないのではと思ってしまうのですが。これはダウン症特有ですか?幅広甲高で今まではムーンスターの幅広タイプを履いてました。インソール作成の為、アシックスのローカットにしたのですがそれが影響していたりしますか?よろしくお願いします。
A(真野Dr):立った姿勢で足を評価する場合は3方向からみます。1:後から踵骨の位置をみます。踵骨が外反してないか。2:横から内側アーチが低下していないか。3:前から前足部の方向、内転していないか、母指外反はないかなども確認します。
この後で足の柔軟性を見ます。矯正できるか確認します。それから歩かせて評価します。
ここまでを行って評価するとよいです。見方に慣れるまでが大変かもしれません。立った姿勢と矯正した姿勢、動作を評価します。
気にされていらっしゃるのはどの点でしょうか?
3歳であればローカットが良いですね。
インソールを作ったら、靴の中で踵骨がまっすぐで、母趾の付け根で踏み返しができているか?確認してください。
Q:2020/7/31 17:24 当事者の家族 6歳
6歳(小学校1年生)の男の子です。 2歳から足底板(県立の療育センターの装具外来にて)を作成し、1年ごとに作り替えています。足底板の目的は「かかとを支える」「土踏まずをつくる」「足の横のアーチをつくる」です。 靴は 現在はキャロットCR C2140 を利用(サイズアウトするまではアシックス GDランナーミドルカットを使用) 療育センターの他に、年に1度足の発達を見てくれているPT(A先生)がいます。この先生には足型を採取して、年ごとの変化を見てくれています。A先生からは年々少しずつ、土踏まずが作成されつつて、(ほかのPTからの意見を参考にしつつ)そろそろミドルカットをやめるように言われています。「曰く、(小学校に入って動きの量も増えるとミドルカットでは)走りづらく、動きを妨げるから」とのことです。 しかし、日常的に通っているPT(B先生)からは、まだ土踏まずがつぶれているし、不安定なので当面はミドルカットやハイカットを使用するように言われています。 歩き方は、足裏全体が一度に地面につくような、足を投げたしたような歩き方が主です。走り方は、ピョンピョン飛び跳ねたような走り方です。腕は動きに伴って振れている感じで、手のひらグーではなくパーのままで、掌を握ってはいません。 先生により判断が違うので、靴や足底板は今後どのように選んだらいいのか、このままでいいのか何かアドバイスをいただけると幸いです。
A(真野Dr):専門家ごとにいろいろな意見があって判断が迷うところです。どれも、お子さんのためを思っての意見です。
混乱するのはご家族ですね。
実は、今回のように、ダウン症児の装具治療としてまとまった講演は始めてだと思います。
ダウン症児のfoot management で誤解を生じやすいのは、
1、偏平足は低緊張によるものであること(矯正できるものです)
2、低緊張は回復すること 装具
3、装具の適応は姿勢と動きで決めること
4、インソールは踵骨の傾きに合わせて作製すること、などです。
どれも新しい見解です。3回の講演を通して、誤解がないように説明したつもりです。
なによりもご家族に理解していただく様に、このような形でお話をしました。
装具に関しては個別評価が必要です。その時に診察していただいた先生の意見が大切です。
外反が強い場合にはハイカットが必要なことがあります。診察しないと決められません。
ペタペタ歩きは踵荷重で歩いていて、踏み返しをしていないことが原因ではないかと思います。がに股で歩いていませんか?踏み返しができていますか?股関節がしっかりと伸びていますか?
腕を振るためには、体幹の回旋が必要です。早歩きができますか?肩甲骨を動かせますか?
私のアドバイスです
歩きやすい靴とインソールを作っていただいてください。
格好よく歩けるようなリハの指導をお願いします。
【参考図書】
ウィンダーズ先生のダウン症のある子どものための身体づくりガイド おうちでできる練習BOOK 原著第2版
オープンチャット「小児地域リハ研究会」
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