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ちょっと思い出しただけ【映画】
本当に、ちょっと思い出しただけだった。ただその「ちょっと」がもう二度と戻らないかけがえのない時間だったと言うことは、「今」にならないとわからないし、そんな「かけがえのない」とか言う程美しくする必要もない。本当にちょっとなのだ。だから良い。
私自身も本当にちょっと思い出すことがよくある。こと恋愛においてのみではなく、今までの自分がやってきた全てのことにおいてだ。「あの頃の自分嫌だな」「あの時のあいつはムカついたな」とか「あれはまじで恥ずかしい」とか思い出すと結構ネガティブなことが多いような気もする。そしてその後に一瞬だけ嬉しかったこととか楽しかったことがふっと蘇ったりもするのだ。
この物語の主人公二人もそんな感じかもしれない。ちょっと思い出したあの頃は、誰かに語れる程良いものではなくて、でもその日々があったから確実に今があるわけで、もしかしたら実はそんな日々が少しだけ支えになっていたのかもしれない。「そんな日々しかなかったけど、悪くなかったな。ふふっ」と少しにやけるくらいがちょうどいいのだ。そう。ちょうどよくて、でもやっぱ一瞬だけはぎゅっと胸締め付けられる程大切な瞬間がある。そしてもう絶対に戻れない。だから良い。
基本的に、過去は振り返りません!常に前進あるのみ!思考の私だけれど(いろいろとすぐ処分する。そのおかげで過去の写真が必要になったりする時は、手元に無くて探すのにひと苦労する女です。)偶には思い出してみるのもいいかもしれない。そう思わせてくれる珠玉の恋愛映画です。
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今までの松居大悟監督作品にも無いし、今までの恋愛映画にも無い。新しいラブストーリー。
(花束みたいとか言われても良いでしょ。こんな気持ちにさせてくれる恋愛映画、他に無いです松居監督。この思いよ届け。)
ここまで読んでいただきありがとうございました。
2/11(金・祝)より公開です。
お気になりましたら、ぜひ。
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