シロちゃんのこと
うちの実家は、何故か動物が沢山居たらしく、特に犬については、戦後からスピッツから雑種まで色々いたそうだ。
そうだ、と言うのは、私が犬の引き取りを同居の祖父母両親に止めさせたらしい。
らしい、というのは、どうやら私が1歳の頃の話。
当時うちにいた、血統書付きの柴犬アカ。
赤毛だからアカとつけた、と思い入れの無さが逆に犬を飼い慣れた家だなと思う。
で、そのアカ、私が1歳の頃に死んだらしい。物心つく前で、全く記憶がないが、並んでとった写真はあって、めっちゃ可愛い、アカも私も。
祖父母と両親、さらに兄二人に今後ペットを迎えないと決めさせた出来事。
それは私。1歳だから死の概念なんかないはずなのに、カタコトで「アカ、死んでまった」と数日ぎゃんぎゃん泣き続けて辟易してしまい、今後、私に死を触れさすまいとペットを飼わず、母の急死ですら、遠方の大学に通ってた私に、倒れたから帰ってこいと実家につくまで、母の死に触れさすまいと一族で決めてたらしい。
おおーっい!
と、今の私ならつっこむところだけど、確かに母の死の後、数年病み倒したり、感謝しかない。
で、タイトルにあるシロちゃんの話になるのだけど、ペットが欲しかった私に両親が沢山買ってくれたのがぬいぐるみ。
思い出深いのは、盲腸での入院の帰りに買ってもらったモックン(命名 父。盲腸のモックン)、そして、ジャスコでインフルエンザを発症した時に買ってもらったシロクマのシロちゃん(命名 父)。
うちのお父ちゃんのセンスのなさよ。
で、シロちゃん。
この子はね、今も一緒にいます。
もう34年かな。
誕生日、というかお迎えしたのは12月8日。ジャスコのおもちゃ屋さんで一目惚れして、私に甘々だったお父さんに買ってもらった。
両親も子どもも、ぬいぐるみではなく、シロちゃんだと思ってる。
足の布も擦りきれて、首の後ろがほどけてしまって、白かった毛は茶色くなった。
初めて恋をした時も、独り暮らし始めた時も、結婚した時も、ずーっとずーっと一緒にいてくれて、今でも本当は抱きしめて一緒に寝たいけど、首がもげそう。
どこかに治しにお願いしたいけど、なかなか見つからない。
どこかいいとこ知ってたら、教えてください。
また、シロちゃんと一緒に寝て、色々彼女に話したい。
あ、子どもも夫も、男の子と思ってたらしいけど、シロちゃんは女の子です!コイバナできちゃうんです!