遺言書の種類と作成のメリットについて解説!
遺言書とは亡くなる前に、自分の所有している財産の処分や相続方法についてまとめられた書面のことです。
遺言書を作成することにより、自分の死後、残された人に対して、自らの最後の意思を伝えることができます。
注意が必要なのは、遺言書には種類がいくつかあり、民法で決められた条件を満たさないと、せっかく作成した遺言書が無効となります。
当記事では、遺言書を書くメリットと代表的な遺言書である自筆証書遺言書と公正証書遺言書について解説します。
当記事を読めば遺言書について理解でき、自分に最適な遺言書を作成して相続対策ができるでしょう。
遺言書の効力
遺言書は15歳に達した人であればだれでも作成できます。
遺言書作成時に15歳に達していない場合、作成当時認知症やその他病状によって意思がはっきりしていなかった場合、その作成された遺言書は無効となります。
遺言書を作成による代表的な効力は以下のとおりです。
・相続分の指定
⇒①相続財産の直接の割合の指定
②特定財産の指定
・遺産分割方法の指定
⇒現物分割、代償分割、換価分割などの分割方法の指定
遺言で第三者に分割方法をしているすることも可能
・遺産分割の禁止
⇒遺言で遺産分割を禁止することが可能
ただし、5年間に限る
・遺贈
⇒相続人や相続人以外の人への財産処分についての取り決め
相続人でなくとも当該遺言により遺言内容に限って、相続人と同一の権
利義務を有することになる
・遺言の執行に関する事項の指定
⇒遺言内容を実現させる人を指定できる
第三者に決めさせることも可能
遺言書を書く3つのメリット
遺言書を作成していなければ法定相続や遺産分割協議による相続となります。
上記の場合いずれも相続人同士での話し合いが必要であったり、必要な書類が多岐にわたったりしますが、遺言書を作成しておけば以下のようなメリットがあります。
・相続に関する紛争を防ぐことができる
遺言書ではっきりと誰に何を相続させるか生前に決めておけば、
財産をめぐって紛争に発展することを防ぐことができます。
遺言書が無効でない限り、その遺言書の内容に従わないといけないと法的
に定められているからです。
・その後の相続手続きが簡単になる
通常、相続手続きには、戸籍が必要です。
亡くなった方の出生から死亡までの遡ったすべての戸籍、相続人全員の戸
籍が必要となります。
もし、遺言書があれば、亡くなった方の死亡の記載ある戸籍と遺言書で財
産を取得する相続人のみの戸籍を取得するだけとなります。
さらに、遺言書があれば相続人同士で遺産分割協議をすることなく、相続
手続きが可能です。交流のない相続人と財産について話し合う必要がない
ので、相続手続きをスムーズに進めることができます。
・生前に財産の処分について決めることができる
所有している財産が多いと誰にどのように相続させるべきか悩ましいでし
ょう。
遺言書を作成すれば予め誰に、どのように財産を相続させるか、決めるこ
とができます。
たとえば、Aには不動産を、Bには預貯金を、Cには何も相続させない、と
いう財産に関する処分の取り決めが可能です。
このように相続させたくない人に対して遺言書で排除できますが、遺留分
に注意しましょう。
遺留分とは、最低限保証された遺産取得に対する取り分のことです。兄弟
姉妹を除く相続人に対してのみ保証されています。
最低限保証された取り分を侵害した遺言書に対しては、遺留分減殺請
求をすることにより、遺留分を確保することが法的に認められていますの
で、遺言書で特定の人にのみ財産を相続させたいと考えている場合は、遺
留分に注意しましょう
遺言書の種類
遺言書には以下の種類があります。
・公正証書遺言書
・自筆証書遺言書
・秘密証書遺言書
・特別方式による遺言書
以下では、実際に利用されることが多い、公正証書遺言書、実証書遺言書を中心に解説します。
・公正証書遺言書
証人2名の立会いの下、公証人が遺言書を書きたい人と面談し、
希望する遺言内容を読み上げ、公正証書に残す方法です。
公正証書遺言作成には以下のメリットがあります。
①保管場所に困らない
公正証書原本は公証役場に保管されるので、遺言書を保管する場所を決
める必要はありません。ただし、遺言書の存在を相続人伝えておきまし
ょう。
②偽造の恐れがない
公証人が遺言書作成者の希望を聞き取り、目の前で作成するため、第三
者による遺言書の偽造の可能性はありません。そのため遺言書の内容を
めぐって紛争が起こる可能性は低いです。
③家庭裁判所での検認手続きが不要
検認手続きとは、家庭裁判所に相続人全員を呼び出し、遺言書の内容を
確認して遺言書の偽造や変造を防止する手続きです。遺言書が有効か無
効かを調べる手続きではありません。
検認手続きは家庭裁判所に出席する必要があり時間も手間もかかりま
す。公正証書遺言書の場合は公証人によって遺言書を作成しているた
め、検認手続きが不要となります。
・自筆証書遺言書とは
相続財産の目録を除き、自分で遺言内容を書面に書く方法です。
遺言作成者がその全文、遺言書作成した日付、及び遺言作成者の氏名を
自書し、印鑑を押す必要があります。
公正証書遺言書には作成費用が発生し、財産内容によっては金額が異なり
ます。一方で自筆証書遺言書はペンや紙、封筒があれば気軽に作成するこ
とが可能です。
ただし、以下のデメリットがあるので、多少費用が掛かることを気にしな
いのであれば公正証書遺言書の作成をおすすめします。
・第三者により偽造される場合がある
・民法で定められた要件をひとつでも満たさなければ無効となる
・検認手続きの手間が発生する
まとめ:相続対策は遺言書作成から始める
遺言書は生前に相続人へ最後の意思を伝えるために有効な手段です。
特にいかに該当する人は遺言書を作成し、相続対策を進めましょう。
・相続人同士の紛争を未然に防ぎたい
・相続人の数が多い
・相続させたくない人がいる
・生前に相続対策をしたい
遺言書には、代表的なものとして自筆証書遺言書と公正証書遺言書があります。
費用をかけてでも安全に相続対策をしたい、という場合は、公正証書遺言書の作成をおすすめします。
遺言書作成のご相談をされたい方、相続のことでお悩みの方は司法書士法人トウキまでご連絡ください。
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