日本株の株主優待が充実している銘柄と権利落ち戦略
本記事は情報提供を目的としており、投資の推奨や助言を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株主優待が充実している銘柄の例
株主優待にはさまざまな種類があり、外食チェーンの食事券や日用品の自社商品セット、旅行・レジャー関連の優待券など魅力的なものが多く存在します。少額の投資で取得できる銘柄から大型株まで幅広く選べ、なかには長期保有することで優待内容がグレードアップする企業もあります。以下、カテゴリー別に優待内容が充実している代表的な銘柄を紹介します（※必要投資金額は100株単位の場合）。
食事券・外食チェーン優待が充実した銘柄
日本マクドナルドホールディングス (2702) – 100株保有で「マクドナルド」で使える優待食事無料券の冊子が年2回もらえます（バーガー・ドリンク・サイド各6枚の計18枚、※1年以上継続保有の場合） (飲食店の食事券などがもらえるおすすめ株主優待銘柄) (〖2024年版〗おすすめの株主優待銘柄一覧！お得な優待券まとめ)。投資額は約60万円程度ですが、家族で利用できる人気優待です。
すかいらーくホールディングス (3197) – 100株でグループレストラン共通優待カード（年間4,000円分：6月末2,000円+12月末2,000円）を受け取れます (株主優待といえばコレ！ 食事券がもらえる人気銘柄 マイベスト ...)。投資額は約18万円前後と比較的手頃で、ガストやバーミヤンなど幅広い外食店舗で使えるため人気です。
吉野家ホールディングス (9861) – 100株で**「吉野家」などで使える優待食事券**（年2回、1回あたり2,000円分）をもらえます (飲食店の食事券などがもらえるおすすめ株主優待銘柄)。投資額は約30万円弱で、牛丼チェーンの食事に利用でき日常的な節約に直結します。
クリエイト・レストランツ・HD (3387) – 100株でグループ飲食店共通の優待食事券（年2回、1回あたり2,000円分）を提供 (飲食店の食事券などがもらえるおすすめ株主優待銘柄)。必要投資額は約13万円と低く、しゃぶ菜など多数の系列店で使えます。長期継続保有で優待額が増加する制度もあり、優待利回りは約3%と高め (飲食店の食事券などがもらえるおすすめ株主優待銘柄) (飲食店の食事券などがもらえるおすすめ株主優待銘柄)です。
コロワイド (7616) – 100株で自社グループ店で使えるポイント年間20,000円相当が付与されます (飲食店の食事券などがもらえるおすすめ株主優待銘柄) (飲食店の食事券などがもらえるおすすめ株主優待銘柄)。必要投資額は約86万円と大きいものの、ステーキ宮やかっぱ寿司など多数の外食ブランドで利用可能なポイントが魅力で、**総合利回りは約4.9%**と非常に充実しています (飲食店の食事券などがもらえるおすすめ株主優待銘柄)。
日用品・食品など自社商品優待が充実した銘柄
カゴメ (2811) – 100株保有で自社製品詰め合わせ（トマトジュースや野菜飲料など）約2,000円相当が年1回もらえます (カゴメ（2811）の株主優待紹介)。長期10年保有でオリジナルグラスが贈呈される記念優待もあり (カゴメから株主優待が届きました2024年6月期)、健康志向の食品優待として人気です。
小林製薬 (4967) – 100株以上で**自社製品詰め合わせセット（5,000円相当）**を年2回贈呈 (小林製薬（4967）の株主優待紹介)。入浴剤や洗剤、サプリメントなど生活に役立つ医薬品・日用品が届きます。優待価値が高く（年間1万円相当）、必要投資額は約80万円程度ですが実利的な優待です。
ライオン (4912) – 100株保有で歯磨き粉や洗剤など自社日用品セット（約1,800円相当）がもらえます。ただし2025年以降は「1年以上継続保有」が優待取得の条件に変更されました (【12月の株主優待の内容&利回りを調査(2024年版)】｢ライオン ...)。長期保有株主向けの優待に移行していますが、生活必需品がもらえる点で根強い人気があります。
ポーラ・オルビスHD (4927) – 100株で**自社コスメに交換できる株主優待ポイント15ポイント（約1,500円相当）**を付与 (株主優待人気ランキング2025年版：女性に嬉しい“美と健康” | 知って得する株主優待)。取得費用は約20万円台で、スキンケア商品など美容系アイテムと交換可能です。美容・健康志向の優待として女性投資家に好評です (株主優待人気ランキング2025年版：女性に嬉しい“美と健康” | 知って得する株主優待)。
旅行・レジャー関連の優待が充実した銘柄
日本航空(JAL, 9201) – 100株保有で国内線50%割引の株主優待割引券が年2枚（3月末と9月末に各1枚）発行されます (日本航空（JAL）（9201）の株主優待紹介)。1枚で株主以外も含め片道1人の航空運賃が半額になるため、旅行好きには実質的な節約効果が大きい優待です。加えてJALパックなど旅行商品の割引券も付与されます (日本航空（JAL）（9201）の株主優待紹介)。必要投資額は約25～30万円程度です。
東日本旅客鉄道(JR東日本, 9020) – 鉄道運賃の株主優待割引券（40%割引券）がもらえます (東日本旅客鉄道(株)【9020】：株主優待 - Yahoo!ファイナンス)。例えば100株保有で自社路線の運賃・料金が1枚につき40%オフになる乗車券割引券が年1枚発行（保有株数に応じて枚数増） (東日本旅客鉄道(株)【9020】：株主優待 - Yahoo!ファイナンス)。このほか鉄道博物館やホテル割引券などもセットになっており、鉄道利用者や旅行者に嬉しい内容です。
オリエンタルランド (4661) – 東京ディズニーリゾートを運営。株主用パスポート（ディズニーランド/シー共通の1デーパスポート）が保有株数に応じて配布されます。2023年の制度変更により必要最低株数は500株となりましたが、500株保有で毎年1枚、3年以上継続保有でさらに+1枚がもらえるなどの体系です (オリエンタルランド、株主優待を変更！ 1株⇒5株の株式分割に伴い、権利獲得に必要な最低株数が100株⇒500株に変更されるもので、優待利回りは変わらず｜株主優待〖新設・変更・廃止〗最新ニュース[2025年]｜ザイ・オンライン)（2000株以上では年2回配布など）。必要投資額は大きいものの、ディズニーチケットが入手できる唯一無二の優待として注目されています。
以上のように、飲食・日用品・旅行それぞれの分野で優待内容が充実した銘柄があります。小額から投資できる銘柄（クリエイトレストランツやカゴメなど）もあれば、ある程度まとまった資金が必要でも優待利回りが高い銘柄（コロワイドや小林製薬など）もあります。また長期保有特典を設ける企業（マクドナルドやライオン、オリエンタルランド等）が増えており、長期で持ち続けることで優待がグレードアップするケースが目立ちます (飲食店の食事券などがもらえるおすすめ株主優待銘柄) (【12月の株主優待の内容&利回りを調査(2024年版)】｢ライオン ...)。自分の予算や優待の好みに合わせて銘柄を選ぶと良いでしょう。
株主優待の「権利落ち」戦略の分析
株主優待や配当の権利確定日に向けた株価の動きと、権利落ち後の戦略について過去のデータを基に考察します。
権利付き最終日までに売却するべきか？
優待や配当の権利を得る最終売買日（権利付き最終日）直前には、優待目当ての買いが集中し株価が上昇しやすい傾向があります (株主優待株の権利確定に向けた上昇を逆手に取って確実に利益ゲットせよ！｜株主優待情報[2025年]｜ザイ・オンライン)。人気の優待銘柄ほどこの傾向は顕著で、権利確定日の翌営業日（権利落ち日）に優待・配当分だけ株価が下落するのが一般的です (〖新NISAでも注目〗まだ間に合う！3月株主優待株 「権利落ち」後も株価安定が期待できるプロ厳選4銘柄 | AERA dot. (アエラドット) ) (株の「権利落ち日」に買うメリット・デメリットを詳しく解説！ - BMR)。そのため「権利落ち前に株を売ってしまい、値下がりを回避した方が得ではないか？」と考える投資家もいます。
しかし実際には、権利落ち日の下落幅が理論値より小さいケースが多く、むしろ権利落ち後に株価が回復しやすい傾向もデータで示されています (まもなく権利落ち日､｢配当金狙いの買い｣は正しいのか – MONEY PLUS) (まもなく権利落ち日､｢配当金狙いの買い｣は正しいのか – MONEY PLUS)。例えば日経平均では、2017年3月期に118円の配当落ちが見込まれたところ、実際には権利落ち日に15円値上がりするという現象が起きています (まもなく権利落ち日､｢配当金狙いの買い｣は正しいのか – MONEY PLUS)。個別銘柄でも2017年3月の配当落ち銘柄1,384社のうち約64%（885銘柄）が配当分を考慮しても値上がりとなったとの分析があります (まもなく権利落ち日､｢配当金狙いの買い｣は正しいのか – MONEY PLUS)。この背景には、権利落ち日の安値を狙った逆張り買いが入りやすいことが挙げられます。松井証券のデータでも、権利落ち日の寄り付きで下がった銘柄に個人投資家の買いが集まり株価を下支えする傾向が確認されています (まもなく権利落ち日､｢配当金狙いの買い｣は正しいのか – MONEY PLUS)。つまり権利日前に手放すと、本来もらえた優待・配当分とその後の株価回復益を逃す可能性があるわけです。
一方で、銘柄によっては権利確定日に向けて株価が大きく上昇し、権利落ちで急落するパターンもあります (株主優待株の権利確定に向けた上昇を逆手に取って確実に利益ゲットせよ！｜株主優待情報[2025年]｜ザイ・オンライン)。特に優待利回りの高い人気銘柄では「優待取り」目的の買いが集中し、需要が一時的に過熱する分だけ落ち幅も大きくなりやすいです。実際、コロワイドなどは3月末と9月末の権利前に綺麗に株価が上昇し、権利落ち直後に急落するクセがあると指摘されています (株主優待株の権利確定に向けた上昇を逆手に取って確実に利益ゲットせよ！｜株主優待情報[2025年]｜ザイ・オンライン)。このような銘柄では、権利確定直前の高値で売却してキャピタルゲインを確保し、あえて優待権利は取らない戦略も有効となりえます。
総じて、**「権利落ち前に売るべきか」**は銘柄の特性によります。安定株・大型株では権利落ちの影響が限定的で保有継続が有利なケースが多く、優待利回りの高い小型株では事前に売って値幅を取る戦略も検討余地があります。複数単元保有している場合は、一部は権利前に利食い売りし、残りは優待取得するように分散する「半分売却戦略」も考えられます (株主優待株の権利確定に向けた上昇を逆手に取って確実に利益ゲットせよ！｜株主優待情報[2025年]｜ザイ・オンライン)。
権利落ち後に買う方が得か？
権利落ち日以降に株を買い向かう戦略も注目されます。権利落ち日は優待・配当狙いの投資家の売りが出やすく、株価が一時的に下がるため、同じ銘柄を割安に買えるチャンスが生じます (株の「権利落ち日」に買うメリット・デメリットを詳しく解説！ - BMR)。特に中長期で保有したい優良株であれば、一時的な下落局面で安く仕込むことで次回以降の優待・配当をより有利な価格で享受できます。多くの場合、権利落ちによる下落は一時的で日を追うごとに回復する傾向があります (株の「権利落ち日」に買うメリット・デメリットを詳しく解説！ - BMR)。実際、先述のとおり過半数の銘柄は配当・優待落ち後に実質株価が上昇に転じており (まもなく権利落ち日､｢配当金狙いの買い｣は正しいのか – MONEY PLUS)、権利落ち日が株価の短期的な底になりやすいことを示唆しています。
このため、権利落ち直後に優待株を買うことはリターン向上につながりやすいと考えられます。権利落ち日の株価下落分はいわば配当や優待分の価値が抜けた「調整」であり、優待内容に魅力があって業績も良好な銘柄であれば、その後は再び次の権利日に向けて緩やかに上昇していくケースが多いからです (株主優待株の権利確定に向けた上昇を逆手に取って確実に利益ゲットせよ！｜株主優待情報[2025年]｜ザイ・オンライン) (株の「権利落ち日」に買うメリット・デメリットを詳しく解説！ - BMR)。例えば3月決算銘柄なら、権利落ち直後の4月に買い、翌年3月に向けてじっくりホールドすることで、株価上昇と優待取得の両方を狙えるという分析もあります (株主優待株の権利確定に向けた上昇を逆手に取って確実に利益ゲットせよ！｜株主優待情報[2025年]｜ザイ・オンライン)。
もっとも、権利落ち後の株価の動きも万能ではなく、個別の状況に左右されます。優待内容に大きな変更（改悪）があった場合や、権利取りだけが目的の投機的な資金が去った後に買い手が付きにくい銘柄では、権利落ち後も低迷が続く恐れがあります (株の「権利落ち日」に買うメリット・デメリットを詳しく解説！ - BMR) (株の「権利落ち日」に買うメリット・デメリットを詳しく解説！ - BMR)。したがって、権利落ち日に飛びつく際もその企業の業績動向や優待の魅力度を見極めることが大切です。
まとめると、過去のデータでは権利落ち前に無理に売却せず優待・配当を得た方が有利なケースが多い一方、銘柄によっては事前に売却して値上がり益を確定する戦略や、権利落ち直後の押し目を狙って買う戦略が有効に働くことも示唆されています。 (まもなく権利落ち日､｢配当金狙いの買い｣は正しいのか – MONEY PLUS) (株主優待株の権利確定に向けた上昇を逆手に取って確実に利益ゲットせよ！｜株主優待情報[2025年]｜ザイ・オンライン)重要なのは、自身の投資スタンス（短期売買か長期保有か）と銘柄の特性に応じて柔軟に戦略を使い分けることです。優待株は**「優待利回り＋値動き」**の総合的なリターンで判断し、賢く立ち回りましょう。