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【条件戦】オカあり2回戦トーナメントの打ち方

お久しぶりです。
今回はオカあり(ウマ10-30)2回戦トーナメントの戦い方について書いていきます。


Mトーナメントやfuzzカップ、PRINCESS of the YEAR2025など、最近目にすることが多くなってきたこの形式。私が所属する最高位戦の「新輝戦」というタイトル戦でも、今年から本戦ではこのルールが採用されています。

トーナメントという形式はプロ団体に所属している方は打つ機会がありますが、そうでない方はなかなか打つ機会はないかもしれません。しかし、發王戦やBIG1カップ、RMUクラウンといったような、トーナメント形式でアマチュアの方が出られるタイトル戦もあります。また、実際に打つ機会はなくとも、今回の記事を読むことでそれらを観戦するときに今までとは違った視点で観られるようになるかもしれません。

1戦目は普段通り1つでも上の順位を目指して打てば良いのですが、2戦目を考えがまとまっていない状態打ってしまうとそちらに意識がいってしまって、肝心な麻雀の方がおろそかになってしまうことはよくあります。

これはトーナメント形式の対局を実際にやったことがある方なら皆さん経験があるのではないでしょうか?なので、1戦目の順位に応じた大まかな方針を事前に考えておくことで、その場で考えることを極力減らして麻雀の方に集中できるようにするのがトーナメントでは結構大事な気がしています。(なお、勝った経験はあまりない)

1,1戦目の順位に応じた2戦目の条件


オカありなので、当然トップを取ることがめちゃくちゃ偉いルールです。2回打って上位2名が通過するので、
「2回のうちどっちかトップ取れば良いんでしょ?」
くらいに思っていたのですが、調べてみると意外とそんな単純なものでもないことが分かりました。

2戦目の順位に応じた通過者。
オレンジが通過でグレーは敗退、それ以外は順位点がイコールなので素点勝負。
順位点のみなので素点は考慮していません。

1戦目の順位が
1位:Aさん
2位:Bさん
3位:Cさん
4位:Dさん
として、2戦目の順位に応じて通過/敗退を色分けしたものです。この表をもとに各者の2戦目の方針を考えていきます。

1回戦目トップの場合


■Aさん
オカありでの2回戦トーナメントにおいて初戦トップは圧倒的有利な立場。
ラス以外は通過なのはもちろんのこと、素点を大幅に削られていなければラスでも通過のケースが多い。

逆にどんなケースで敗退になるかというと、自分がラスでBさんが2着だった場合は素点勝負になってしまう。そのため、自分がラスになりそうな場合は、Bさんに2着を取られることだけは避けるような立ち回りになる。

<方針>
とにかく大きいラスだけは避ける。
もしラスになってしまいそうなときは、Bさんにだけは2着を取らせないことを目指す。

1回戦目2着の場合

■Bさん
一番立ち回りが難しいポジション。
というのも、オカあり2回戦トナメなので通過にはトップが必須なように見えて、初戦2着ならトップなしでも通過出来るパターンがあるからです。

自身がトップを取ることが出来れば通過確定なのはもちろんのこと、トップを取れない場合でもAさんがトップの場合は展開としてはかなり良く、2着で通過確定で、なんと3着でも素点次第で通過となる。

逆に、一番トップを取られたくないのはCさん。
CさんがトップでDさんが連ラスは最悪の並びで、自身が2着でも敗退となってしまう。Dさんがトップのときは素点勝負。

<方針>
トップで確定だけど、2着でもほぼ素点勝負にはなる。
→6パターン中、通過2、敗退1、素点勝負3
基本的には連対を目指して打つが、Aさんには甘く、Cさんには辛く打つイメージ。

1回戦目3着の場合

■Cさん
トップを取れば並びを気にせず通過。ただ、2着でもAさん連勝の場合は通過パターンがあるため、Bさん同様、唯一Aさんには甘く打って良いといえる。とはいえ、Aさんの立場からしたら是が非でもトップを取る必要はなく、点棒を持ったら極力リスクを抑えた選択をとるので、Aさん頼みになる展開よりは自分のトップだけを考えて打つのが良さそう。Aさんが突き抜けてしまった場合だけ、2着狙いに切り替えての通過を目指すイメージ。
<方針>
とにかくトップ!
Aさんが捲れないほど突き抜けたら2着狙いに切り替える。

1回戦目4着の場合

初戦ラスなので基本的にはトップが必須なのはもちろん、Bさんが2着の場合は素点勝負になってしまう。2着でも素点勝負に持ち込めるケースがあるとはいえ、6パターン中1パターンだけなので、Aさんが突き抜けてしまって自身の親番もなくなってしまった場合に初めて考えるくらいで良さそう。
<方針>
トップ!トップ!トップ!
ついでにBさんを沈めたい!

2,1戦目に意識すること

2戦目の各着順の立ち回りを考えたことで、1戦目に意識することがいくつか分かってきた。

2着と3着の間にもそこそこ差がある

トップが偉いのはもちろんだが、2着でも比較的有利な立場で2戦目を打てる。かなり厳しい条件を目指して無理やりトップを目指した結果、3着や4着に落ちるリスクを取るより、確実に2着をキープする選択もある。

3着と4着の差はそこまで大きくない

3着も4着も基本的にはトップが必須なのは同じなので、3着目のときに着アップが見えるならラス落ちのリスクは取りやすい。

素点も重要

2着は2回戦目トップ以外でも素点勝負に持ち込めるパターンも多いので、素点のある2着もかなり偉い(トップの方が偉いのはもちろんだけど)。
また、ラスの場合はトップを取っても2着がBさんだと素点勝負になるため、初戦に大きいラスを引くとただトップを取るだけではなく着順操作も必要なケースが出てきてしまう。対Cさんに関しては、トップを取ればCさんが2着でも順位点で20000点離しているので素点は気にしなくて良い。(Dさんはトップが必須なので自分がトップ以外のケースは考慮しなくて良い)

3,相手との差の把握方法

オカありでウマが10-30なので、順位点は
1位:+50
2位:+10
3位:-10
4位:-30
となる。
2~4位までは20ポイントずつ均等に離れていて、1位はオカの分で+20、つまりもう1着順分浮いていると考えられる。
なので、1位は0着として考えると
1位:0 2位:2 3位:3 4位:4
が順位点によってついた差になる。

そして、その数字の1回戦と2回戦の数字を足して

・3以下なら通過確定(順位点40以上)
・4なら並び次第か素点勝負(順位点20)
・5なら結構敗退(順位点0) ※Aさんが連勝の場合のみ素点勝負

というのがざっくりした順位点の考え方です。対局中はこれと1戦目の素点差をもとに相手との点差を把握しつつ打つ感じです。

1戦目と2戦目の順位点を足したものが相手とイコールなら素点勝負。順位点が1着順分下回っていたら、順位を上げる(もしくは相手を下げる)ことで順位点をイコールにするか、素点で順位点の2万点分を補って順位を1つ上げたような格好にすれば素点勝負になる、という感じです。

例えば、初戦2着のBさんが2戦目も2着になりそうな場合、
自分は2+2で4
Aさんは3着だと0+3で3
Cさんは4着だから3+4で7
Dさんがトップだと4+0で4
→この並びだとAさんは通過確定で、BさんとDさんは順位点がイコールになるから、BさんはDさんをまくってトップになるか、1戦目のDさんとの素点差を詰められなければ通過だな!
という感じです。
そして、素点勝負をしているDさんが大きなトップ目に立ってしまい、Dさんとの素点差を埋めるのが難しくなってきた場合は、もう1人のターゲットであるAさんを3着目から4着に落とすことが出来れば
自分 :2+2=4
Aさん:0+4=4
Dさん:4+0=4
Cさん:3+3=6
で、Aさんとも素点勝負になるので、Aさんとの素点差の方が近ければそこをまくることを目指す

みたいな使い方です。ウマが10-30のような順位点の大きいルールの場合はほぼ順位点で決着して、順位点が同じになった場合のみ素点勝負になるという展開が多いので、1回戦終わったら相手との素点差をメモしておくだけでも十分なことが多いです。

以上がオカあり2回戦トーナメントの打ち方です。打つ機会のあるプロの方には参考になると嬉しいですし、視聴者の方にとってもトーナメントの打ち方を知ることでより楽しく視聴できるようになればな、と思います。


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