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ぎっくり日記
【2021/9/7(火) 発症1日目】
朝:くしゃみをした際に「うっ」と腰がつったような感じになる
ああ、これがぎっくり腰デビューなのだ。
しばらく経っても痛みは治まらず、妻に車で接骨院に送ってもらう。筋肉の緊張を緩和するツボを押してもらうも、痛みは時間と共に、脅威的なまでにひどくなる。
観念し仕事は全てキャンセル。
昼:家にて小一時間程、椅子に座って過ごす。立ち上がる時に凄まじい激痛が腰を襲う。
これは、我が人生でぶっちぎりのナンバーワンの痛みだ。
この痛みの厄介なところは、ランダムなタイミングで訪れ、起きている限り避ける事が不可能な点だ。
まさに「痛みの発作」である。
発作に襲われると、腰が固まり動けなくなる。
体感ではおよそ3秒ほどで収まり、発作直後の2秒は、次の発作が起きず行動の自由が束の間、約束される。これを「安息の2秒」と呼ぶとか(?)
動く恐怖と痛みに支配され、床に就く以外なす術なし。
寝ていても足を延ばすと発作に襲われる。比較的安全な体勢は、横向きで膝を曲げ、くの字の姿勢。これで横たわる。
夕方:妻の薦めで、整形外科に行くことにする
立ち上がるのに30分以上かかる。自分の体を知恵の輪を解くようにあれこれ探りながらであった。
自力での起床は不可能であり、物に掴まり介抱ながらようやく立ち上がる。
「ああ、立てた」感動であった。心身ともに、クララが立った状態である。
痛みの発作が、あまりにも耐えがたいため、手ぬぐいを口の中に入れ発作時は噛みしめ、傘を杖にし、ようようにして車に乗り込む。妻にひたすら感謝。
整形外科に着くと、診察まで、動けず人生初の車いすに乗るが、座った後、足をステップに上げられず引きずられるような形になる。
レントゲンも艱難辛苦を極めたが、結果骨には異常なし。
医師に「ぎっくりだね」と軽く診断される。こちらの痛みの度合いを伝えられず、悔しさを滲ませていると、医師曰く「明日も来られたら来てね」と。
断言しよう。この痛みでは再診など無理。
痛み止めの薬と湿布を大量に処方され帰宅。
腰の処置としては、妻の助けを借りつつ、冷やす→温めるの順で行った。
コルセット・痛み止めの錠剤(ロキソニン)・湿布も使用したが、ここまで痛いと効果は全くない。
風呂という選択肢はなかった。せめて妻に、足だけシャワーで流してもらう。
「ああ、お湯はこんなにも、あったかく気持ちの良いものなのか」と感涙。
家の中でわずか数センチの段差が、断崖絶壁に見える。
トイレに行くのも大冒険である。尿意を予知して行動せよ。
とにかく辛いのは、発作的な痛み。腹巻をして寝る。
【9/8(水) 2日目】
徐々に快方に向かう。運良く休日。
意外にも良く眠れ、ようやく痛みの全容が見えてきた。
腰の左側が痛いという自覚を持つ。
発作の頻度が減る。痛みの度合いは相変わらず耐え難い。
夜、鍼に行く。体が暖かくなり、血行改善の効果はあった。
「とにかく腰を温めるように」との宿題を仰せつかる。
腰に鍼を埋め込まれ処置終了。
自足歩行は困難。歩幅を狭め杖ないし物に掴まりながらならなら歩ける。
この日は自力でシャワーができた。
寝ているときに足を延ばすことも出来るようになった。
【9/9(木) 3日目】
発作の頻度は更に減る。痛みの強さ・硬直時間ももわずかに減る。
動くようになったら体を動かした方が治りが早いという意見を信じ、接骨院まで傘を杖に歩く。
20分の道のりが60分かかる。
発作の硬直があるため、車通りの多い道は避けるべし。
日中、仕事場へ行くも座ったままでは、きついので立ったままあまり動けず。
帰り道の夜、歩行が少し楽になり、家では入浴も出来た。
【9/10(金) 4日目】
朝:往復20分ほど接骨院まで自分で運転するが、以下の点で、腰への負担は大きい。
・乗降車の際
・ハンドルを切る際
・サイドブレーキを上げる際
また機敏に動けないため安全面も含め運転は非推奨。
この日は、慢性的に痛いものの、発作の頻度は数えるほどに。
日中、新幹線での移動があった。その際、恩人よりハイキング用の杖をお借りする。
下を向くと痛いが、歩行は楽になる。
夕方ぐらいから自足歩行もスイスイ可能に。
【9/11(土) 5日目】
かなり調子が良い。痛みの発作回数はゼロ。
後は慢性的な痛みが治まれば良いのだが。
腰をかがめるのはまだ困難。重いものも持てないが、気持ちは平穏さを取り戻す。
【9/12(日) 6日目】
周囲からは軽快に歩いているように見えるレベルまで回復。
杖からの卒業。
痛みはまだあるため、痛み止めは、毎食後服用。
【9/13(月) 7日目】
6日目と変わらず小康状態のまま朝を迎える。
・備忘録まとめ
最初の2日間が地獄。後は楽になる一方であるが、5日目以降は、回復スピードもゆっくりな気がする。
思えば発症前から、「腰が、何か強張っているなぁ」という違和感はあった。筋肉疲労の蓄積から、くしゃみをきっかけにぎっくりになった。
つまり遅かれ早かれなっていた。違和感の時点でストレッチで対策をすべきだった。再発防止のストレッチを決意。
また、くしゃみをする時は、物に掴まってする。そして息を吐いてからする。
処置としては、まず神経ブロック注射を打つのが正解かもしれない。
ぎっくりを通して、妻をはじめ、周りの助けにはひたすら頭が下がる。何か報いたいと思わずにはいられないと共に、自然と助けられる人情が自分にはあるのだろうかとふと自問。