#22『”青春ど真ん中の片想いソング”SHISHAMO「ねぇ、」を語る』
今回は2018年6月にリリースされた5thアルバムSHISHAMO5の一曲目に収録されている「ねぇ、」という曲について語っていきます。SHISHAMO BESTの4曲目にも収録されています。
この曲は2018年に女優の永野芽郁さんが出演したカルピスウォーターのCMソングとして起用されました。簡単に説明すると、”好きな男の子に自分の想いを中々伝えられないでいる女の子”がテーマに描かれています。ストレートな歌詞と爽やかな曲が魅力ですよね。YouTubeにてMVがありますので載せておきます。
それでは歌詞や曲について語っていきます。
一番Aメロの歌詞
「たった2文字が言えなくて」から始まるこの曲。やっぱり"好き"と伝えることって凄く勇気がいるし躊躇してしまいますよね。個人的に、”好き=たった二文字”と表現している辺りが上手いなと思います。
「今日も私は見てるだけ そんな私に君は 気付いているかな」というフレーズ。好きだから目で追ってしまう心理を描きつつ、好きだと言うのが怖くてただ遠くから彼を見ることしかできない……あわよくば私の気持ちを察してくれないかなという女心が伝わってきますね。
でも「もたもたしてたら取り返しつかなくなる 明日にはもう、私以外の誰かと手を繋いでるかもしれないってのに」というフレーズがあるように、いつどのタイミングで人が恋に落ちて誰と付き合うかなんてわからないですもんね。
一番Bメロの歌詞
このBメロ、自分を奮い立たせるような歌詞と歌い方でめちゃくちゃカッコいいんです。本当に歌詞の通り恋愛に限らず何かを手に入れるには勇気を出さなきゃ変わらないままですよね。
一番サビの歌詞
サビの冒頭でこの曲のタイトルになっているの「ねぇ、」という言葉がここで登場します。「ねぇ、聞こえていますか?この声が 届いていますか?この気持ち」とはおそらく”あなたのことを私はこんなにも想ってるんだよ”という心の叫びのように思われます。
その次のフレーズ「心の中で思ってるだけじゃきっと、君に伝わらないね」というように結局のところ自分の口から言葉にして言わない限り、どれだけ相手を想っていても、好きという気持ちは届かないですよね。
「自己満足じゃ終われない だから今大きな声で叫ぶ どこにいたってきっと 君に伝わる声で」からは好きなだけでは終わらせない…彼に絶対想いを伝えるんだと決心した彼女の強い気迫を感じられますね。
Cメロの歌詞
「恋は焦らず」と歌っているようにやはり誰かに恋に落ちると理性を失って色々と客観的に見れなくなってしまうことってありますよね。相手のタイミングや気持ちを見誤ってしまい、攻め過ぎた行動をしてしまったという人もいると思います。
でも、反対にこの曲の主人公の女の子はすごく臆病なタイプのなので慎重になり過ぎて、好きな人との距離を縮めることができないんですよね。私もシャイなのでこの主人公に共感してしまいます。
「そんなこと、もう言ってらんない このフェンスの向こう側へ 飛び越えた先の君に ちゃんと言うから」というフレーズ。恋愛には駆け引きが必要だというのを聞いたことがあると思います。でもそんなのわからないから思い切って彼に告白するんだという、気持ちを押し切っていこうとしている主人公の女の子が良いんですよね。本当は恐れているのが頑張れって応援したくなりますね。
「このフェンスの向こう側へ飛び越えた先の君に」というフレーズがあるだけでいかにも学生の青春時代を描いていることがわかりますよね。好きな男の子はきっと運動が出来る子でいつもフェンスの向こう側で練習を頑張っていて、その姿に主人公の女の子は恋に落ちたんだろうなという設定まで見えてきますよね(笑)。
Dメロの歌詞
このDメロの歌詞は彼の好きなところを歌っていますね。本当に心の中が透けて見えたりでもしたら、相手が私をどう思ってるかとか私はこんなにも君を好きなんだよと伝わったりして恋もスムーズに進むのかも知れませんね(笑)。でも、言葉にしないと相手に伝わらないのが人間じゃないですか。そこはもう勇気を振り絞ってアタックするしかないですよね。
最後のサビの歌詞
最後のサビは一番のサビと同様なんですが、サビ頭の「ねぇ、」が「だから」に変わっているんですよね。これまでの歌詞は彼を好きなだけでいつまでも想いを伝えずもたもたしていたじゃないですか。そういう自分をようやく通り越して、もう思い切って告白しようという段階に切り替わったことを表しているように思えますね。その辺の歌詞の書き換えもさすがですよね。
まとめ
大人の恋愛というよりは学生時代の青春ど真ん中の恋という感じで自分の気持ちを中々伝えられないでいる女の子が見事に描かれていましたね。これは片想いしている女の子にとってはピッタリすぎる曲ですよね。
この曲がリリースされて初めて聴いた時にこれは絶対に人気曲になるだろうなと思った記憶があります。歌詞はストレートでわかりやすいし、曲も爽やかで聴いていて胃もたれしないし、ちょっと完璧すぎる出来なんですよね。「変わらなきゃ変えられない~ねぇ、聞こえていますか?この声が」の流れが個人的に好きでして、ボーカル宮崎朝子の歌の上手さには毎回圧倒させられます。
MVがシンプルに演奏しているだけなのがカッコいいんですよね。また、ボーカルの宮崎朝子の髪がかなり短くて攻めてるなと思いました。
そして、SHISHAMOにとってカルピスウォーターのCMソングを担当することは念願だったんですよね。SHISHAMOの定番ソング「恋する」という曲は元々仮タイトルを「カルピス」と付けていたそうで勝手にカルピスウォーターのCMソングをイメージして曲を作ったりしていたそうです。そして、2018年「水色の日々」と今回取り上げた「ねぇ、」という曲で夢が叶ったんですよね。夢まで叶えてしまうSHISHAMOは本当に凄い事ですよね。
最後にSHISHAMO「ねぇ、」SHISHAMO NO YAON!!! 2021 EAST Ver.と題したライブ映像がYouTubeにてアップされているので載せておきます。
片想いしていて好きな人に想いを伝えたいという女の子にとって背中を押しをしてくれるようなそんな一曲なのではないでしょうか。
是非皆さんも聴いてみて下さい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?