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さよなら血豆くん 【アドベントエッセイ(361/365)】

早いものでクリスマスまであと4日を切った。

どこよりも早いアドベントカレンダー、361日目は「さよなら血豆くん」の話。

12月の初めに、アオジタトカゲの華彩さんから足の親指を思いっきり噛まれ、指先に大きな血豆ができた。

以来、血豆部分には消毒の他一切触れることなく、その様子を見守ってきた。

普通怪我をした時は絆創膏を貼ったりして患部が見えなくなるので、いつの間にかなぁなぁで傷が消えていることが多い。

血豆の場合は絆創膏を貼る必要もなく、毎日しっかり観察できる貴重な機会である。

血豆は日を追うごとに僅かずつ小さくなっているような?気がしてはいた。

しかし、血豆は皮膚と皮の間が出血しているわけだから、かさぶたになっても蓋がしてある状態になるわけだ。

外に出ているカサブタは摩擦などによって徐々に取れていくが、逃げ場のない血豆はどんな形で消滅に向かうのか。想像がつかなかった。

そんな感じで、いつまでも黒黒とその存在感を醸している血豆氏を昨日まで見ていたもんだから、

先程指先を見た時、血豆氏が突如姿を消していた時には大変びっくりした。

指先を見ると、薄く皮が剥がれたあとがある。何かの拍子でポロリと剥がれたみたいだ。

血豆氏がいなくなったあとの指先は、ツヤツヤの皮膚が広がっていた。完全に元の姿を取り戻している。見事、に治したのだ。私はいたく感動した。

体には代謝、という機能がある。怪我をしたり、古くなったものを新しく作り替える力だ。

もちろん、代謝は毎日体のどこかしらで行われていることを、知識としては知っているが、普段その一つ一つをしっかり認識する機会はほとんどない。

今回血豆を眺め続け、それが完全に無くなった瞬間を目の当たりにすることができ、自分の体の中で、自然に怪我を修復するシステムがちゃんと機能していることが証明された。これがなんか、嬉しかったのだ。

嗚呼私の体よ、体に対してとりわけいたわったり労ったりすることも無い主のために、不満ひとつ言わずちゃんと働いてくれてありがとう。 

今夜はBUMP OF CHIKENの「かさぶたぶたぶ」でも歌いながらシャワーを浴びようと思う。

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