フランスの作家ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』
Yahoo ニュースに 元伊藤忠商事会長、そして民間人初の中国大使を務めた丹羽宇一郎さんの[ジャン・クリストフ]評が 載っていました。
以下、一部 転載させてもらいます。
*この小説は、ジャン・クリストフという架空の音楽家が、人生の苦悩と喜びを経験しながら、魂の成長を遂げていく過程を、八年かけて描いた作品です。作者ロランは、ベートーヴェン、ミケランジェロ、トルストイの各評伝を遺したことでも知られており、主人公クリストフの人物像は、まさにこの三人の偉人の生き方や思想がモチーフになっているのです。 正義感が強くて自分の気持ちに忠実なクリストフは、音楽界における党派の横行や、音楽家と批評家の癒着などを見ると許すことができず、相手が巨匠音楽家であろうが公然と批判します。政治に対しても同じで、間違ったことや嘘は絶対に許さない。それは私の心のなかに何十年と刻まれています。 そうした生き方ゆえに、クリストフはさまざまな圧力を受けますが、それに屈することなく立ち向かい、音楽家として成功をおさめます。*
*小説の最後にクリストフは亡くなりますが、ロランはその第一〇巻の序文に力強い言葉を残しています。 「今日の人々よ、若き人々よ、こんどは汝らの番である! われわれの身体を踏み台となして、前方へ進めよ。われわれよりも、さらに偉大でさらに幸福であれ」(『ジャン・クリストフ4』豊島与志雄訳、岩波文庫)*
私は、学生時代、いつ餓死してもおかしくない生活の中で、
生き方をつかめずに 日々体力が削られていく日々を過ごしていました。
図書室に行き、岩波文庫の並んでいる前に行ったとき、ジャン・クリストフの文字が目に入りました。
手に取った時です。
同時に、全身に 衝撃と歓喜、感動が 襲ってきたのです。まだ、本は開いてもいません。本当です。中、見てないのです。涙があふれてきました。
ここに、自分がいる。自分の生きる道があると思ったのです。
嘘みたいですが、本当です。
本は生きているのです。
邂逅という言葉は、本当にあるのです。
*自分を信じ、自分の心に忠実に 圧力(環境に)に屈することなく 生きる!*
これが、私の信条になりました。
ジャン・クリストフ。久しぶりに思い出しました。