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その旗を掲げて彼らは、

ツアー最後の公演が終わって8か月、らじらーといただきハイジャンプが終わって5か月。
悲しいニュースと、理不尽への憤りと、あまりの無風さに自分はどこかで強がっていたのかもしれない。
彼らはアイドルもエンタメも辞めることはないと思っている。
それは二人の結婚報告での言葉と、今の言動からもわかる。
けれど彼らの活動は失礼ながら今までのベテラングループと同じような個人活動をメインとしたとても緩やかなものになっていくのではと、少しだけ思っていた。

8/19、憂鬱な月曜、その日も変わらず仕事をして、翌日手に入るライブ円盤を生きる希望にいつも通り始まるはずだった。

新横浜にJUMPのニューシングルの広告がある

そんなポストが飛び込んでくるまでは。

ニューシングル、タイトルは「UMP」、新横浜と渋谷に広告、発売日はデビュー発表日の9/24

知らない方向けに説明をすると、
・JUMPは1年以上ニューシングルを出していない
・発売日はデビュー発表日で、発表場所は新横浜にある横浜アリーナ
・JUMPのデビュー曲は昨今の件で封印をした(歌詞に「ジャニーズ」が含まれる、ただそれだけで)
・デビュー曲は「Ultra Music Power」、通称「UMP」

そう、彼らは宝箱にしまったデビュー曲を18年目になる日に生まれ変わらせようとした。
理不尽に奪われたデビュー曲を、彼らは何もあきらめてはいなかったし、それを怒りとかではなく、エンタメとして昇華したのだ。

UMPは突如発売が公表され、その日の夜にはPVを公開した。
もちろん音源としても初めて聞く。

聞いてもらうとわかると思うが、この曲、一言も題名の「UMP」とは何かを言っていない。
ただ長かれ短かれ、JUMPを好きな人ならわかる、間奏のメロディーライン、歌詞の単語、振付。
そうそこには確かに「Ultra Music Power」が存在するのだ。
それを察することができるのは、JUMPと、応援してきたファンと、これからJUMPを好きになる未知のファン。
そう、革命前夜に音を紡ぐ「君と僕と僕ら」にはUMPの意味がわかるようになっている。

昨今の流行りの曲みたいにイントロが短い訳でもないし、振付がキャッチーなわけでもない。発売も火曜日で一般的なランキングでも不利なのかもしれない。
けれど彼らにはこの曲をこの日に出す理由も、この曲である理由も、この振りつけである理由も全てある。
昨今の楽曲で重視されてしまう売れる売れない、バズるバズらない、そんな次元ではなく、エンタメをもってファンや関係者に「伝える」ということをものすごく重視した異例の1曲だと私は思う。

JUMPのグループロゴは変化する。
基本は「!」だが、各楽曲のテーマに沿った雰囲気に合ったロゴに変化する。
今回変化したロゴは「旗」。
彼らはこの「旗」にどんな思いを込めたのか。
それは18年目からの彼らがエンタメで示してくれると私は信じている。

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