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Father and son #2


 僕の息子は大学2年生です。娘は高校1年生です。

いつしか彼らの成績や進路について何も言わなくなりました。良い成績であることがわかれば褒めます。それだけです。

両親ともにあまりに言わないので、周囲の家庭との違いに娘は唖然としているようです。

それでも夫婦揃って親からの進言は必ずしも正しくないと強く感じているからと思います。無意識の恩着せがましい自己主張の可能性があるからです。

年齢が上であろうと絶対的に正しい人間は1人もいません。その人の価値観の中で正しいことでしかないのです。

子供達には好んでいるものに関してもいろいろ言いません。これを「聴け」とか「見ろ」とか「読め」と言った覚えがあまりありません。

それでも生まれ育った環境に音楽や映画や文学があふれていたからでしょうか、息子は自然にそういうものを好むようになりました。

本当にいつの間にかです。彼がエレキギターで最初に弾いた曲はOasisの「Whatever」でした。そしてLou Reedを聴く少年になっていました。どちらもキャリアの長いアーチストです。

そうかと言ってそれに染まりすぎずに最新の音楽もどんどん聴く、本も漫画も読む、FPSゲームもやる。それを僕に教えてくれるのです。

結局は口を出したり、口を挟んだりしなくても継がれるべきものは継がれていくということなのかもしれません。むしろ口に出してはいけないのかもしれません。

「Father and son」は映画「The Boat That Rocked パイレーツロック」「Guardians of the Galaxy Vol. 2」で父親と息子の感動的な場面で使われています。

どちらも大好きな映画なのですが、曲のタイトルと楽曲の良さだけで使ってしまっている感が否めません。実は歌詞とは内容が合致しません。

それでも聴くだけでなく歌詞をちゃんと読んだのは、映画の中でそのシーンで象徴的に使っていてくれたおかげだと思います。良いシーンなので詞まで知りたくなったのです。

子育て中に見た映画の劇中で使われていて、親子の関係性にちょっと作用したのは間違いありません。あまり普段は着目していない歌詞についての話でした。


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