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ジャマイカ音楽#12(ハウスバンド)
最初期にレコーディングされたSKAはセオフィラス・ベックフォードの「Easy Snappin」、もしくはプリンス・バスターの「They Got To Go」ではないかということで話をまとめてきました。
その両方に関わった可能性がある人物として明確に名前が挙がっているのが前述のギタリストのアーネスト・ラングリンです。
バスターのバンドのメンバーは、ドラムスはドランベイゴ、ギターはジャー・ジェリー、サックスはローランド・アルフォンソ。そしてベースがアーネスト・ラングリンだったようです。
当時ラングリンはコクソン・ドット、レスリー・ゴングとの契約で他のプロダクションでギターを録音出来ませんでした。しかし友人であるバスターの依頼で、ベースならと匿名で参加したとのことです。
その他の顔ぶれもこの先のジャマイカ音楽を創っていく面々です。ジャー・ジェリー、ローランド・アルフォンソ、この2人は数年後にはSKATALITES としても多くの音源を残していくことになります。
この時期のレコーディングに関わっている人物の名前を見ていくと、後にSKATALITESに名前を連ねる面々が参加していています。大半のトラックがその面々で録音されていたことがわかります。
ベテランミュージシャンに加えてトミー・マクック、ドン・ドラモンド、リコ・ロドリゲスらのアルファ・ボーイズ・カトリック・スクール出身者がいよいよ頭角を現してきています。
米国のSTAXやMOTOWNにはレーベルお抱えの敏腕ハウスバンドがいたことはご存知かと思います。STAXの The Big Six、MG's、The Mar-Keys、The Bar-Kays、MOTOWNのFunk Brothers、フィル・スペクターのPhillesの仕事でも有名なThe Wrecking Crewもスタジオミュージシャン集団です。
SKATALITES はジャマイカにおけるSKA成立期のハウスバンド、スタジオミュージシャンとして米国のMG's、The Mar-Keys、Funk Brothersに匹敵する存在と言っても過言はないと思います。
レコードレーベルの立ち上がり、録音スタジオ設立、レーベルの屋台骨を支えるハウスバンドの存在、ジャマイカのR&BからSKAへの変遷と、米国のR&BからSoulへの変遷は時を同じくして起きているように見えます。