あなた面食いですから!(容姿コンプレックスOrigin24)
あたしゃ面食いだったのか?
ある時、幼なじみの女子が、あたしに向かってきっぱりとこう言いました。
「あなた、面食いですから!」
あたしはわりと口が達者ですんで、他の人が相手なら、反射的に1万語ぐらいしゃべって反論をかましてしまいます。
当時、はたちそこそこで、自分は全くそんなことなんかない、などと思っていたわけで。
だけど相手が彼女だと、ひるみます。
だって、あたしのことをよく知っている。ガキの頃から。
歴代片思いの相手やら、BFやら、遊び相手やらのことも見ている。雑誌やテレビを一緒に見て、あたしがどんな事を言うかも観察している人です。
あたしは1万語を飲み込んで、おとなしめに、
「そ、そう?そうなのかな?違うと思うけど?」
のように反応しました。
彼女はその証拠を縷々述べ始めました。
それからン十年経った今なら、それに対してまあ3000語ぐらいの反論は出てきますけれども、その時は「そうですか・・・」とうなだれました。
そうか。あたし、面食いだったのか。
相手が面食いだったら、絶対つきあってもらえないくせに、自分ばっか人の顔にうるさかったんか。
ああ、なんてイヤな女だろうな。
このように、相変わらずひがみっぽい発想をしながら、うなだれました。当時、「面食い」について、ネガティブな定義をしていたからです。
自分が自分の好みを知ることが人生においてどのくらい大切か、ってな事に気がつくのは、まだちょっと先だったわけです。
当時、あたしはある意味でちょっと容姿にめぐまれた男子とつきあいはじめていました。
高校からのなにかと”日本語が通じない”BFが”真人間”になっちゃった結果、あたしと別れる決心をした頃のことです。
この新しい男子は、お絵かきばかりしていて、愛想というものがなく、非常にガードが堅い人でした。
件の幼なじみは彼に会って、「感じの悪い男」だと思っていたのです。
「あの日紹介されたあなたのお友達の中で、一番態度が悪かった。だけど、一番ハンサムだった」というわけです。
あんなに感じが悪いのに好きなんだったら、顔が好きなんだろう、と彼女は主張しました。
それから、別れてしまった注目男子に関しても、(あたしはそう思ってなかったけど)彼女の目にはハンサムな男子である、ということでした。
あんなにコミュニケーションに苦労しながら(これについては苦笑するしかない!)交際していたんだから、あれも顔が重要だったのではないか?というのが彼女の立てた”仮説”だったわけです。
まてよ。
あたしは考えました。
顔のことはともかく、あたしがつきあいにくい男子をわざわざ選ぶ傾向は・・・・確かにあるぞ、と。
そのつきあいにくさと、彼らの容姿は関係があるのかしら?
「あるかも知れない」
そう思いました。
つづく。
おひねりをもらって暮らす夢は遠く、自己投資という名のハイリスクローリターンの”投資”に突入。なんなんだこの浮遊感。読んでいただくことが元気の素です。よろしくお願いいたします。