【夢日記】あの大通りはどこだ
集団行動
外国にいる夢を見た。修学旅行みたいで、私たちは若く、知った顔がたくさんいるが、みんなを知ってるわけではない。
集団行動が苦手なのに、班を組まされた。全体が数十人で、それが各々8人ぐらいの班に分かれて、これから外出をするのだそうだ。
街中を見ることができる。班ごとにトラックの荷台に分乗してゆく。見ると荷台に小さな硬い木のベンチがビルドインされていた。そこによじ登る。
この班には何故か知り合いがいない。できたら頼りになる人と組みたいが、ニコニコとして寄ってくる女性はあんまりそのタイプではなさそうだ。英語もできないみたいだ。
特別な相手
彼女を遠ざけるためにさっさとトラックに乗る。これでついてきてしまうなら仕方がない。でもついて来なかった.同じ荷台に乗っているが、別のベンチで誰かと喋っている。私の隣に腰掛けたのは男性で、よく見たら昔一悶着あった人物だった。
昔と言っても子供の頃だ。だけどあたしにはトラウマが残っている。そのぐらい彼は強いし、頭もいい。もしもこの旅で彼と向き合うことになるならそれはそれで前進だろうと思えるぐらいに、私にとっては特別な相手だ。もっと言うなら敵のようなものだ。
彼のことをじっと見て、私と話をするつもりがあるのかどうか探るが、なんだか横を向いて脚を組んで気がついていないかのようなポーズを取っている。非常に美しい青年に育っていて、その思わせぶりな態度ごと、まさに彼だな、全然変わってないじゃないかと思う。
彼から声をかけるのでなければ、私は話すつもりはなかった。用心しなかったらコントロールされる。でも私の隣に向こうから来たことは良い兆候だ。説明する必要とかはない。彼には私が考えることぐらいわかるはずだから、そのまま放っておいた。向こうから声をかけるなら話をしてやってもいい、と言うことだ。
一人の方がマシ
目的地に着いた。大通り沿いに駐車する。みんなトラックから降りて街中に散ってゆく。下調べをしていたのかもしれない。私にはこの場所について何も知識がない。
例の男が降りてさっさとどこかに消える。私は彼に気を取られてアナウンスを聞き漏らしていることに気がつく。
今朝の女性が私のところに来て、一緒に行動しようとする。
私は「何時にここに戻ってくることになってたっけ?」と彼女にきくが、彼女は「あ、聞いてなかった」と笑った。
自分も聞き漏らしたくせに、私は彼女と一緒に歩くのはまっぴらごめんだ、と考える。わからない同士ならひとりでいた方がマシだ。迷子になっても人の分まで責任を取るよりはいい。集合時間や場所は、知り合いを見つけて質問すればよかろうと思った。
大通りから人通りに乗って少し歩いたところに賑やかな広場があって、屋台が出ていたりする。みんなはそこで休んだりしゃべってたりしていた。いくらでも知り合いがいたが、その中から背が高くて目立つ男の友達に話しかけることにした。
もしも幽霊なら
「こんにちは。集合時間は何分後だったかしら?」
ところが彼には私が見えていないようだった。人を無視するような性格ではないとわかっているので、私は困惑した。もしかして私はここでは幽霊か何かなのか?と怪しんだ。
だとすると前提が崩れる。私のことが見えているのはあの女だけか?それともあの男も幽霊なのか?
これだけではわかりゃしないが、もし幽霊なら集合時間にそこにいなくても問題なかろうし、そうでないなら人数を数えて足りない事に気がつく人がいるだろう。トラックを運転していた、まつ毛の長い若い女の子とかが。誰かが私の携帯にメッセージを送ったり、電話をかけてよこすだろう。確か旅行前に事務局に登録したはずだ。
自由行動なんか通常20分ぐらいのものだ。あんまり遠くに行かなければいい。
ところが1人で歩くと覚悟したら、次々と面白いものが見えるのだった。呪術に使うような針金細工や、鉄を叩いて作る容器。大きな鍋、それらを庭に晒している作業所にも迷い込んだ。魅力的な食べ物の匂いや、路地が私を誘っている。
でもここは外国だ。迷い込んではいけないところの境目はある。嫌な予感がすると引き返したりしていたら、すっかり道がわからなくなった.いや、大通りに出ればいい。その並びにトラックがいくつか止まっているはず。
路地を抜け出して広い通りを目指すが、元いたような大きな広い通りには出なかった。周りに人もいなくなった。これはまずいな、と思った。もし自分が幽霊でないとしたら、完全に顰蹙だ。手工場のようなところの裏庭を、呪物を避けながら通り抜けるようなことをして来たが、全部それを逆に辿らなければならないだろうか?
しばらく彷徨い歩いて、東西南北はわからないが、進行方向を逆にするべきだとわかって、明るい方へと行ったら、車の音がして、広い通りが見えて来た。元いた場所かどうかはわからないが、とりあえず人のいるところに行かなければダメだろう。
道沿いのカフェの庭あたりにトラックが見えた。トラックは何台来たのかわからないが、そのそばに立っているまつ毛の長い女性に見覚えがあったから、自分たちのトラックだと分かった。トラックの番号を控えてもいなくて、適当にその辺を歩いていた事に呆れた。そのぐらい自分は不注意で危なっかしい。
安心するところに戻っては来た
知った顔がそこここにいる。ちょうど集合時間あたりに間に合ったという事だろう。まつ毛の長い女性が、にっこりとしてカフェの飲み物を差し出す。かき氷のようなものだった。トラックの荷台のベンチは、今はカフェの客に占領されている。
してみると、トラックは元々カフェに出勤するもので、私たちはここまで来るのにそれに便乗させてもらっていただけなのも、と思い当たる。質問してみようかと思うが、お姉さんが忙しそうだからやめた。それにとっくにアナウンスされていたかも知れない.自分が聴いていなかっただけで。あたしはあの敵の男に気を取られすぎていたのだ。たぶん。
人が次々に大通りに戻って来る中に、何故か夫がいるのに気がつく。偶然かも知れない。でも非常に安心して、そばに行って話しかけた。夫は私を見ても驚かない。単に別の班に振り分けられただけなのか。それともまだ結婚していないのか。
例の男はまだ戻って来ない。彼が幽霊だったとしても驚かない、と思った。
おわり