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”すごいブス”の謎(容姿コンプレックスOrigin27)

父親の話をします

 シリーズの初めに書いたように、あたしは、母親が娘の容姿に不満を持っていた(容姿コンプレックスOrijin2:不当な扱い)がためにコンプレックスを持つに至ったわけですが、家庭内には父親もいるわけです。しかもこれは異性でもあり、時にこの存在も女の子のコンプレックス周辺には大きく作用するんじゃないかと思います。

 で。自分のケースに限って言うなら、あたしは父から不当なコンプレックスを植え付けられることはなかったように思います。ただ単に、母の呪いの言葉のパワーがものすごかったもんで(容姿コンプレックスOrijin5:番茶も出花は呪いの言葉)、たとえ父があたしに自信を与えようとしてくれていたとしても、焼け石に水だったんじゃないかなと思うのです。

 あたしを傷つけはしなかったかもしれないけれども、しかし父もまた、母とは違った意味で、女性の容姿についていろいろと言及する人ではありました。これはそのエピソードのひとつです。

どうして彼女の友達はブスばかりなのか

 あるとき父は出し抜けに、自分の女友達(といってもあやしい関係ではない。家族ぐるみで古くからお付き合いがある女性)が、「すごいブスばっかり友達に選ぶ」という話をはじめました。

 あたしは、うら若い女性でしたから、その「すごいブス」という語彙に耐えられるような感性ではありませんで、「気のせいなんじゃないの?」と反論してみました。もうね、そういう単語を聞くだけでいやーんな気分でした。

 「いや、違うんだよ。もうみごとに全員、珍しいぐらい顔がわるいの。それだけじゃなくて、キレイになる気がなくて、男のように振舞うタイプだけを選んで付き合っているんだよ」

 はてな。
 その奥さん自身はかなりのお洒落です。よく着飾って飲みにいくし、女っぽい。ケバイといってもさしつかえないぐらいの人でした。
 よく父に向かって鼻声を出して、甘ったれておりました。

 彼女のお友達を、あたしは見たことはありませんでしたが、自分とは全然違うタイプの人と付き合う、ということなのかな?と思いました。そういうことってあるでしょう?

 だいたい父はお洒落をしない女は嫌いなのです。(バカな女はさらに大嫌いなんですが、この件についてはこのときには言及されてません)
 その奥さんに「この人、仲良くしているお友達なの」と紹介されて、あまりにも「好みでない」人ばっかりだったから、話をする気が失せるようなことが複数回あったのかもしれません。
 
 「ひとりならたまたまかもしれないし、そんなに不思議とは思わない。だけど、いっしょに行動してて、俺に紹介してくれるような親しい友達すべてがあんなだと、何かあるな、と思うんだよ」と父はいいます。

 そして、真面目な顔で「なぜだと思う?どういう理由があるんだろう?」と極めて素朴かつまっすぐに、あたしに問いかけました。

 「う・・・・」
 少しだけ心当たりがないわけではなかったけど、やっぱりあたしはここで”ブスを友達に選ぶ女の謎”を”解説”する気にはなりませんでした。
 「わかんないよー」といって逃げました。数々のケースが頭に浮かんで消えました。

 親しい友人の容姿というのは、思春期を彩りもするし、また傷だらけにもするものだろうと思いました。
 それは中年になっても同じなのかもしれない。

 それから自分が当時、けっこうカワイイ子ばっかり選んで付き合っているという現実もあたまにちらつきました。

 これって、逆なだけで、同じことなんじゃ・・・・その怯えが、ますます口を重くさせました。

 つづく。

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「モノ書くコドモ」から「モノ書くおばちゃん」に至るまでに否応なしに書いたボーダイな駄文を、モノ書くばーちゃんが読みやすいプラットフォームに…

おひねりをもらって暮らす夢は遠く、自己投資という名のハイリスクローリターンの”投資”に突入。なんなんだこの浮遊感。読んでいただくことが元気の素です。よろしくお願いいたします。