【夢日記】宝石、オークション、忘れ物
あたしは小金を持っている人としてここにいる
見覚えのない体育館のような大きな空間で、宝石のオークションがあるというので人々が集っている。年頃はバラバラだけど、なぜか自分の知り合いがたくさんいる。あまりにも知り合いばかりなのでこれが夢だとわかる。
お金に強い友人も、全く縁がなさそうに見える友人もいる。自分はオークションにさほど強い関心があるわけではないが、それに参加できるぐらいのお金はある人としてそこに呼ばれているのだった。ならば他の知人たちもそうなのだろう。
謎のシステム
運営をしている人たちは表情の読めない営業スマイルと整ったトークで、宝石の数が限られていることと、これの値上がりは保証されており、手に入れれば大変有利な投資になるであろうなどと解説している。
大変たくさんの人が来ているため、グループ分けをして時間を区切って宝石を見てもらい、ローテーションを組んでグループごとに入場してもらい、オークションに入ることになると説明される。
それが平等な方法なのだと解説されるがよくわからない。自分のグループにやたらと知り合いが多いのは知り合いが相手だと張り合う人もいるからその心理を利用するためなのか?と疑問が湧く。自分はどうでもいいや、宝石なんかよくわからないし、と思う。
関心が薄いため、システムがよく飲み込めないのだが、値段がどんどん釣り上がっていくのではなく、ある程度まで行くとオファーが同じ値段でぶつかるようだった。そのばあい、なんか5、6人でごちゃごちゃ話し合ったり、抽選をしたりしている。オークションではないではないか。でもどうでもいい。
ローテーションのせいでなかなかそばに行って宝石を見る番が回ってこない。ひとつ目の宝石が誰かに渡り、二つ目の宝石も誰かのものになった。
別の場所に移送される
3つめのオークションに入る前に休憩時間が来て、私たちのグループはいかついバスに詰め込まれて、5分ぐらいドライブしたところにあるホテルに連れて行かれた。
いくつかのバスがグループごとに人を乗せてそのホテルに連れてゆき、そこで食事になるようだった。
宝石を手に入れようかと考える
あまりにもまどろっこしいので、バスの中であたしは、3つ目の宝石の時は入札しようと考え始めた。どうせ抽選みたいなことになるのだし、確率から言って当選するとは思えない。参加した方が退屈が紛れる気がした。何もしないで見ているにはあまりにも長い時間だ。
その際宝石の価値はとりあえず信頼することにした。これは何か宝くじみたいなもので、不確かだけど当たればラッキーというだけのイベントなのだろう。入札した方が面白い。
ホテルについて食事の間、あたしはこのことを誰かに話したかどうか覚えていない。広い食堂のやたらと奥の席を指定されるが、帰る時にも面倒ではないかと思った。それにしても、知り合いばかりなのに誰も一緒のテーブルで食べようという人がいない。
もう誰もいない
意識がふっと飛び、気がつくとあたしはテーブルに1人で取り残されていた。食事は目の前にあったがほとんど手がついていない。フィッシュアンドチップスのバスケットだった。
みんな私を置いてもう会場に戻ってしまったらしい。あれだけ知り合いだらけなのに、誰もあたしに声をかけないのが異様だなと考えた。
それもこれも、それはあたしが宝石を手に入れることをみんながうっすら嫉妬しているからだ、などと言う理屈に合わない考えが浮かぶ。何かを得る人はあらかじめ得るように生まれているのだ、と言う神話のような考え方を思い出す。
食事は残したまま、ホテルの人に質問すると、次のバスがすぐ出るから乗れば良いと言われる。
あたしはそんなに遠くもないだろうから歩いて会場に戻ろうかなどと考える。だけど自分の靴がない。
靴がないから適当なものを貸してもらって歩き始めるが、オークション会場と違って街には色々と面白いものがある。お祭りをしていて、大道芸人も出ている。どうせ急いで戻っても間に合いはしないだろうし、間に合わなくても自分のものなら自分のものになるのだからと思い、あたしはぶらぶらし始めた。
ところが人混みの中のスキンヘッドの人が、なぜかあたしに話しかけて来て、あんたはオークションに来た人だろう?バスに乗るならすぐそこにも停留所があるよ、戻った方がいい、と言う。
そう言われたら、自分が3つ目の宝石を手にしているイメージがさらに強く湧いて来た。みんなに取り残されて遅れて行こうが、自分が本当にそれを手に入れたいと思ったら手に入るのだと。でも欲しいのかどうかがわからないのだ。必死になることだけはどうしてもできない。必死ではないのだが、自分が手に入れるに違いないというイメージだけが浮かんでくる.
本当は来たことがある場所
バスはスキンヘッドの言う通りにそこ来た。見たことがないごついドアが付いていて、途中下車の人がゾロゾロ降りるのに続いて乗り込む。降りてゆく人は、オークションのためのシャトルバスを乗合みたいに利用しているらしい。この街はオークションのおかげで利益を拾える街なのかも知れない。
忘れ物と再会する
バスはすぐ元の会場に着いた。降りて入り口まで来たら、玄関にあたしの厚底の靴がポツリと取り残されているのに気がついた。あたしは靴を履かずにバスに乗ったのだろうか?
それを履こうとして、中に何か入っているのに気がついた。なんとそれは古びた財布だった。今持っている財布はもっと新しくて、入っている金額もだいぶ多いが、この古い財布を持っていた頃はそんなことなかった。丁寧に使い方を計算しなかったら生活費が足りなくなる時だったと思う。でも紛れもなく自分の財布だ。一緒にメガネも入っていた。
どう言うことだろう?履き忘れた靴に昔の財布とメガネが入っている。どちらも自分のものだから、誰かあたしをよく知る人がここにわかるように置いてくれたのだとは思う。
しかしあたしは古い財布を失くした記憶もなく、なぜこれがここにあるのかもわからない。自分はオークションに来たのは初めてだと思っているが、この財布の頃に一度来ているのか?覚えていないだけなのか?と考える。来たとしても入札など絶対にできない懐だったから覚えていないのか?
どうも自分の記憶が信用できない。フラフラと会場に入るとオークションは始まっていて、自分のグループが宝石の前に呼ばれている番だった。3つ目の宝石はまだケースに入ってそこにあった。
終わり