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『コンキチ』/JPAL75周年記念展出品作について


展示作品をもっと楽しんでいただくために

出品作8点のうち、6点は、『コンキチ』という狐の物語のための挿絵と習作です。『コンキチ』は田島伸二氏の作品で何十年も前に書かれたものです。ここにお話のあらすじを紹介します。

今回の出品作のうちこの6点がコンキチのためのものです.


『コンキチ』あらすじ

キツネの若者コンキチは、人間のサラリーマンにあこがれていました。
ある時お母さんギツネの反対を押し切って人間に化ける秘密の術を使ってしまいます。ケンポンタンの術は、その呪文を最後まで唱えると、まるで人間そっくりになれるけれども、もうキツネには戻れないのです。

コンキチは人間の姿になり、人間の町に行き、ある会社の就職試験に合格します。
夢にまでみたサラリーマンになったコンキチは、猛烈に働き、お金を稼いで、日曜日には鶏肉を買ってお母さんのいる山に差し入れに行きます。
でもお母さんは悲しそうでした。コンキチがだんだんキツネの心を失ってしまうことを知っていたからです。

とてもよく働くコンキチは社長のお気に入りになります。あるとき会社が売っている商品の在庫を確認するように言われ、倉庫に入り、自分の勤めている会社が毛皮を扱っていることを知ります。ショックを受けますが、もう後戻りはできません。
社長にもっと毛皮を調達するように命令され、銃を持って山に狩りに行かされるコンキチ。そこでコンキチは見事な毛皮のギンギツネを撃ち殺します。しかしそれはコンキチのおかあさんだったのです。

コンキチはすべてを思い出して、一人暮らしのアパートに逃げ帰り、自分はなんてことをしてしまったのだろうと嘆きます。寂しく苦しい気持ちで一人泣いていると「コーン」というキツネの鳴き声が出ます。
その時初めて、町のあちこちから、同じように「コーン」と悲しい声で鳴いているのが聞こえることに気が付くのでした。

⚪️展覧会のご案内はこちら

https://note.com/syndi/n/nd24b54e8805c


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SYNDI
おひねりをもらって暮らす夢は遠く、自己投資という名のハイリスクローリターンの”投資”に突入。なんなんだこの浮遊感。読んでいただくことが元気の素です。よろしくお願いいたします。