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【夢】エレベーター

 エレベーターで目的の階についた。出入り口が二ヶ所にあるタイプのエレベーターだ。

 ドア開いた方から降りて、ふと振り返ると、開かない方のドアをこじ開けて何者かがエレベーターの中に入ろうとしているのが見えた。白いメリヤスの下着姿の大きな男と、それを手伝う黒い服装の痩せた男2人。

 何か異次元の人間たちのように見え、関わりたくないと思ってそのまま降りた。ドアは閉まり、エレベーターは別の階に登って行った。

 目的の階のオフィスに行き、出張の報告をした。報告する相手は上司で、仲良くしている女性だ。
 「〇〇市のワークショップの内容がわかりました。ピンク色の紙で桜の花びらなど作り、枝に飾ってお祭りを祝う趣向です。少し子供向きかもしれませんね」私が言い終わると、上司は不機嫌な顔になって「どうせ何もわかってないくせによくもそんなワークショップをやるわよね」と吐き捨てた。

 私には別段そう言う意見はなかったので〇〇市を擁護しようかと思ったが面倒なのでやめた。普段上司は人の悪口など言わない人なのだ。何かあるのかもしれない。

 報告を終えてオフィスを出て、エレベーターを呼ぶボタンを押した。ドアが開いたが、開かない方のドアにさっきの下着の男が挟まったままだった。挟まったまま、いろんな違う階を巡って来たのだろうか?いつかそちら側が開く階に止まったら、この男はこの世界に這い出して来るのだろうか?

 私はドアに封印されたその男を無視してエレベーターを諦め、階段で自分の階に戻ろうと思った。
 階段室のスチールのドアを開けて踏み出そうとしたのだが、足元には階段がなかった。何だ、私もあの男と同類なのか、と思った.

終わり

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SYNDI
おひねりをもらって暮らす夢は遠く、自己投資という名のハイリスクローリターンの”投資”に突入。なんなんだこの浮遊感。読んでいただくことが元気の素です。よろしくお願いいたします。