[IMPACT SHIFT2024]どこよりも早い現地レポート⑥(ゼブラ企業「スタートアップ」の二項対立を乗り越える」)
Syncableを運営する株式会社STYZ(スタイズ)は2024年3月3日(日)に開催されるIMPACT SHIFT2024にスポンサー協賛しています。
当日参加するメンバーが気になったお話や登壇テーマを現地レポートします。
本記事は、本イベントStageAの3つ目のトークセッション「「スタートアップ」の二項対立を乗り越える-ゼブラ流、パーパスドリブンなファイナンス戦略-」のレポートです。
登壇者のご紹介
セッション概要
登壇者メッセージ
スタートアップの多様性や挑戦を支援できる環境を整える(田淵さん)
ゼブラ企業をはじめたきっかけは、多様性のため。事業の成長のあり方は他種多様である。また、そこに紐づくお金の色も事業の数だけあるもの。どのような事業に、どのような資金があるのかをファイナンスの目線で考えていくことで、個人が挑戦できる機会がもっと増えていってほしい。
インパクトボンドを活用して、日本中でシングマザーの負のスパイラルを解消する(宮崎さん)
インパクトボンドを活用し、総額3.2億円の資金調達を行なった。住まいとつながりのインフラをセットで届けることに本気で日本中でシングルマザーの問題を解決したい。
ソーシャルリターンとしては「シングルマザーが住まいを得られて、自立できたかどうか」を定義している。そういった意味ではファイナンシャルリターンのほうは非常に低いが、ソーシャルリターンの方に価値を感じてくださる方がインパクト投資家として入ってくださっている。どうすれば関わる人たちがみんな納得してくれる形を取れるのかは模索中。
VCとして10年後、どんな景色をみたいのか(渡辺さん)
いま市場経済が非常に大きい力をもっている。お金はとても使い勝手のいいもの。そこにソーシャルの文脈をどのように絡めていくのか。
VCとして色々考えるが、地方だとそもそもお金の色にそこまで差がないし、実績も出ていない。逆にお金の色がつきすぎることによる使い勝手の悪さもある。なぜ地方にはスタートアップはいないのか?そこを社会課題と絡めながらどんどん生み出していきたい。ファンド期限は10年、そこに向けてどんな景色をみたいのかが大事。
ファイナンスでみるリターンの考え方
渡辺さん:VCはリターンが何十倍にもなるような投資を目指すが、私たちははうまくいくかもしれないし、リスクもあるかもしれないという企業に投資をする。ある意味大きなチャレンジをしている。
田淵さん:そもそもリターンの概念そのものが変わっていいと思っている。昔は、現在価値がどのくらいか考えているのが今のリターンの考え方だった。今は全然ちがう。自分以外へのリターン、未来に残せるかどうか。10年はファンドの期間であって、ビジネスはそこに合わせる必要はない
宮崎さん:インパクト投資家に入ってもらって印象的だったこと。何十年後かに「シングルマザーの環境が変わった」と言いたいとお話されていた。人生の目標ができたとまで仰っていた。これこそ大きなリターンである。
投資先にどのような準備をしてほしいか
渡辺さん:まずは心構え。解決したい社会課題、取り組む事業の理想と現実を捉え、お金をいれることによりそれを埋める動きが加速するのかどうか、ここに対する問いを立て続けていってほしい。
田淵さん:10年後の世界を解像度高く考えること。インパクトを誰に、どのくらい与えていきたいのかを具体的に考えていくと、必要な時間や巻き込むべき人が見えてくる。本当に自分が目指すところはどこなのか、自分なりの正解を常に見続ける。
愛する起業家のみなさんに向けて
渡辺さん:企業ってするまではすごく怖いと思うが、いま相当失敗が許される世の中になっていると思う。企業でしか得られないことを得てほしいし、それを応援している。
宮崎さん:事業つくりは仲間づくり。コアを手放さずにいることが大事。そうすると仲間が集まってきて、助けてくれる。世の中に新しい動きをつけていくこともみなさんの仕事。一緒に頑張りましょう。
田淵さん:多様性がもっともっと許容されてくるようになると思っている。既にある枠組みに自分を当てはめすぎる必要はない。資金調達もそのひとつ。自分の事業のカラーにあったお金の色を見極める。私たちもそこを応援している。