入念に準備をしたことで、たくさんの人が応援してくれた【青少年の自立を支える奈良の会様│バースデードネーション事例】
Syncableには弊社ファンドレイザーによる、マンスリーファンディングやクラウドファンディングといった寄付キャンペーンの伴走支援サービスがございます。寄付キャンペーンの立ち上げ準備から公開、キャンペーン期間中により多くの支援者を集めるために、各団体様をサポートさせていただいております。
今回インタビューをさせていただいたのは、青少年の自立を支える奈良の会の皆さんです。団体の10周年を記念して、かつ退居した子ども達がいつでも帰ってこれる居場所スペースを作るための資金を集めるためのバースデードネーションを開催した際に、無料相談会を利用していただき、目標金額を達成されました。
◆期間:2023年2月10日~2023年3月15日
◆支援者数:139人
◆達成金額:1,777,989円(ファーストゴール1,500,000円、セカンドゴール1,700,000円)
インタビューを受けていただいたのは、理事長の浜田さま、高栖さま、木本さまです。
今回のクラウドファンディングの目的を教えてください
団体の誕生日&居場所づくりのために
浜田:今回のクラウドファンディングの開催理由は、主に2つあります。
まず、私たちの自立援助業務を始めてからちょうど満10年が経ちました。そのことを市民の方々に広く広めたいということがありました。団体のバースデードネーションというかたちです。多くの人が「10周年おめでとう!」と言ってくださったので、寄付する理由付けとしてわかりやすかったかなと思います。
そして、虐待から逃れてきた子どもたちの居場所と出番を作りたかったからです。特に退居した子どもたちが戻ってこられる居場所を作るためです。
退居した子どもたちのために、「居場所カフェ(仮名)」と言う居場所を現在準備しており、今回集まった寄付金は、退居した子どもたちに向けた事業へ使用する予定です。
木本:今まで続けていたことに加えて、新しいことをするための資金を募ったという、挑戦のために資金集めをしたことに意味があるのかなと思っています。
※今回のキャンペーンで集まった寄付金で施行した居場所カフェの工事は、ほとんど完成したようです!
今回が初めてのクラウドファンディングと聞きました。初めての挑戦をしてみようと思ったきっかけを教えてください。
若い世代への認知を拡大したかった
浜田:いままで支援してくださった方たちは私の知り合いが多く、主に5,60代の方が多くいました。今回クラウドファンディングとは別に、団体のホームページを刷新するプロジェクトも進めていて、木本さんたちと話しているうちに、もう少し若い世代、特に3,40代の方たちに協力していただきたいということになりました。
あとは、認定NPO法人を目指しているので、閉じた世界ではなく、より多くの人に支えてもらえる団体になりたいと思い、クラウドファンディングの開催を決めました。
奈良だけでなく、全国からの支援が届いた
木本:もともとの活動の中でも、資金のやりくりというのはかなりうまくやってきました。ただ、長く続く団体になるためには、活動自体をもっといろいろな人に見てもらって、応援してもらえるようになる必要があると感じていました。
そもそもSyncableを利用し始めたのは、ホームページを刷新する際にクレジットカード決済を導入したかったからです。クラウドファンディングをやるつもりは当初なかったのですが、クラウドファンディングを始めとした寄付キャンペーンを開催するための仕組み作りがすごくきれいに整っていたので、ここならやれそうだと思いました。また、仲本さんも相談に乗ってくださったことで安心して進められるなと思ったのでクラウドファンディングを始めることができました。
高栖:今回のクラウドファンディングでは、139人の方から寄付を頂きました。そのうち80人くらいは新しく寄付をしてくださった方でした。
寄付してくださった方も奈良県在住の方のみならず、北は北海道南は九州までと、全国から支援を頂きました。
伴走支援を利用しなかった理由を教えてください
武藤:今回のクラウドファンディングは、Syncableのサービスにある伴走支援を使用せずに開催し、成功されました。伴走支援を利用しなかった理由について教えていただいてもよろしいですか
木本:Syncableのクラウドファンディングは、all-or-nothing 方式ではなく、失敗しても損失がでるわけではないので、失敗しても良いから、一回自分たちでやってみようという話をしていました。挑戦しやすい環境が整っていたことが一つの理由です。
もう一つは、僕自身にある程度知見があったことが挙げられます。僕は高栖さんの知り合いで、コンサルタントという形で青少年の自立を支える奈良の会に携わっています。ホームページの刷新だったりを行っていく中で、ネット上でのファンドレイジングの手法をある程度知っていた、つまり組織内に知見があったということが大きな理由だと思います。
無料相談会を活用して、団体だけでキャンペーンを開催できた
浜田:今回は伴走支援を使用しなかったのですが、仲本さん(Syncableメンバー)の無料相談会を利用して、アドバイスを少し頂いていました。それも大きかったと思います。
私の誕生日が6月30日なので、最初はバースデードネーションを準備しましょうという話だったんですけど、「せっかくなら団体の10周年をまずはお祝いしましょう!」と仲本さんから言っていただきました。そこから、無理して急いで開催するのではなくて、着実に準備が出来てからやることにしました。結果的に2月に開催しましたが、その頃に居場所カフェの運営も始まったので、ちょうど良いタイミングになりました。
仲本:無料相談会でのサポートのうち、役立ったことなどありますか?
浜田:2つあります。1つはSyncableのページの使い方などを非常に丁寧に教えていただいたことと、もう1つは僕たちによく似た団体や似た目標金額のモデルケースを教えていただいたことです。それらが他のメンバーにも伝えやすかったです。
高栖:個人的には、ネクストゴールをどう設定するか団体内で意見が割れたときに、最初の目的はなんだったっけ、新しい寄付者の獲得を目指すことだったよね、と立ち戻らせていただいたことがありがたかったです。ファンドレイジングの経験値が私たちに全くなく、「もう少し行けると思います」と言ってくださったり、その感覚は私たちにはないので、そういった声がけが助かりました。
木本:「これくらいなら行けると思いますよ」といった意見はすごく背中を押してくれたなという印象です。セカンドゴールで、もう30万円を達成できるとは思っていませんでした。
類似の事例からファンドレイジングの全体図が見えた
浜田:類似事例の提示に関しては、そもそもファンドレイジングの全体図が見えていなかったので、事例を通してこれからの自分たちをイメージできたことが助かりました。
仲本さんから紹介された事例を高栖さんが団体内の打ち合わせで共有したことで、他のスタッフを巻き込むことが容易になったと思います。そこで事例を提示できたことで、何人かのスタッフは親族や友人などにもキャンペーン概要をシェアしてくれて、そういった巻き込みも出来たと思います。その点では仲本さんと高栖さんの連携も良かったなと思います。
一方で、最後まで巻き込むことのできなかったスタッフもいました。私たちの活動は、虐待されている子どもたちの対応では、年齢的にもケースにしても、児童養護施設よりも重いケースを扱っています。そうすると現場では、実際のところ十分な成果が上がってないのに、こんなことを全国に発信してる余裕はないのでは?という意見がありました。また、そもそもネットや、クレジットカード決済といったシステムに慣れていないスタッフが多かったというのもありますね。とくにうちは50代のスタッフが多いので、そういう難しさもありました。
成功要因について教えてください
応援する人が可視化されていた
木本:今回寄付してくださった方の40%くらいが、もともと支援をしてくださっていた方です。やはりそういった既存の寄付者の方の方が平均寄付金額が高いので、やはりそこは浜田さんのコネクションのおかげだと感じています。結果としては、それ以外の60%くらいの人に私たちの活動や想いを知ってもらえたので良かったです。
また、既に40%の方がいらっしゃるので、”応援してる人がいる団体なんだ”ということを目に見える形で表現できたことが、新しい人からの寄付につながったと思います。
準備期間が長かったことで、多くの依頼が出来た
浜田:当初はサポートファンディングも考えていたのですが、支援者の忙しさも鑑みて応援メッセージを頂くということで協力していただくことになりました。先ほど行った開催時期を遅らせたことがここで功を奏しました。準備期間を長く設けたことで、私たちの活動する界隈で有名な方たちに応援メッセージを依頼できました。メッセージを書いたことを個々人のSNSなどで発信していただいたりもしたので、みんなでお祭り騒ぎができたなと思っています。3回くらい送ってくださった方もいました。
また、仲本さんや木本さんが早め早めに手を打って下さったのもあり、ウェブ会議を頻繁にしましょうって木本さんが提案してくれました。そのおかげで、開始1か月前に大体のスケジュールのイメージが出来ました。
全体のスケジュールを可視化した
木本:事前に教えていただいた忙しい時期や力を入れる時期などを、エクセルを使用してスケジュールを可視化しました。仲本さんに助けていただいた部分でもあるし、僕らが困ったところはおそらく他の団体も困るところだと思うので、ぜひ活かしていただければと思っています。
浜田:このスケジュールをもとに木本さんにマネジメントしていただいたので、すごく助かりました。個人的に締め切りに遅れて提出する方なので。笑
事例を頂いて、こんなスケジュールで動くんだというイメージが早めに分かったことはすごく動きやすかったです。
キャンペーン開始後最初と最後の1週間が重要と聞いていたので、この期間だけは他の予定を入れないようにと心がけました。
あとは、高栖さんの寄付が来てからのお礼の連絡がすごく早かったことも成功要因の一つかと思います。
浜田:寄付された方の情報をすぐに私の方に転送してくれました。それによってFacebookやTwitterなどでお礼を言うことができました。
キャンペーンの開催を経て、目標金額達成以外に嬉しかったことや副次的な効果があれば教えてください。
木本:キャンペーン中の活動内容の発信によって、自分たちの活動を見返したり、想いを確認しあったりすることができたと思います。団体内で話し合うことで共通認識を持つことができました。
身近な問題として考えてくれる人がいた
高栖:個人的にキャンペーンを発信したところ、福祉とかに全く関係ない友人がメッセージをくれたことがありました。そこから仕事の話になったり、「こういう子どもたちもいるんだね。ドラマの中だけの話だと思ったよ」と言われたり、それぞれの中でこういった問題が身近になったのかなと思うと、嬉しかったですね。
浜田:退所した卒業生たちも見てくれている子が多かったです。居場所カフェは最近オープンしましたが、こんなのあるんだ、という感じで周知することが出来たかなと思います。
キャンペーンの開始前と終了後の感想を教えてください
活動を分かりやすく伝えることの難しさに気づいた
浜田:始める前は簡単に考えていました。もともと自分は国際協力系の団体に勤めていたので、そういった仲間たちが結構クラウドファンディングをやっていたので、簡単にやれるんだなって思っていたんですけど…。
私たちがはじめたことで、各地の同じような活動をしている団体が「僕たちもやろうと思うんだけど…」って相談しに来てくれましたが、こうやってやるんだよと色々説明したところ、「それならもう少し考えてからやろうかな…」と言われました。彼らも当初の私と同じ、もっと簡単にすぐやれると思ったみたいです。
とても楽しかったけれど、職員に多くの負担をかけてしまいました。簡単ではないな、というのが感想です。それと、自分たちの活動が、独りよがりになってしまうことがあるなということに気づくことができました。
今までの寄付者は僕の知り合いが多いので、「良い事やってるから支援して当然だよ」という感じで言ってくれていました。でも、新しい人に協力してもらうには、自分たちの活動を分かりやすい言葉で説明する必要があります。私は言葉が多くなってしまいがちですが、それを木本さんに図にしてもらったりとか、仲本さんにアドバイスを頂いたり、他の団体さんの事例を紹介していただいたりして、私たちの活動を何も知らない人でも分かりやすいような説明を作り上げました。
木本:私たちの活動は社会的に意義のある活動だと思うんですよ。でもそのまま発信してしまうと、独りよがりに陥ってしまうことがあります。つい日ごろの活動の大変さや、こんなに頑張っているということを発信しがちですが、そうではなくて、子どもたちにこうなってほしい、子どもたちがこうなると社会はもっと良くなる、といった感じで順序だてて説明するのを気を付けました。
浜田:自分たちの活動の特性で言いますと、いくら分かりやすく書こうと思っていても、我々の発信する内容は、場合によっては子どものプライバシーをしっかりと守らないといけません。
私たちの元へ逃げてきた形で暮らしている子どもたちもいるので、子どもたちの顔写真などを使うことができません。そういった難しさもある中で、いかに分かりやすく伝えるかが大変でしたね。
今後の展望を教えてください
浜本:クラウドファンディングをしていなかったら、居場所づくりの事業も中途半端な進め方をしていただろうなと思います。クラウドファンディングをしたことで、自分たちの活動により責任を感じられるようになりました。たくさんの人が応援してくれているから、途中で投げ出してはいけないなと思っています。居場所カフェの事業を続けていきたいと思っています。
クラウドファンディングに関しても、またやっていきたいです。自分の誕生日ももうすぐなので、バースデードネーションを立ち上げられたらいいですね。
青少年の自立を支える奈良の会さまのnoteはこちら
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「この機会にバースデードネーションを行いたい」
「話だけでも聞いてみたい!」
今回の記事を読んで、少しでも興味を持った方はぜひ無料相談会をご活用ください!
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