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一般社団法人未来の準備室様│マンスリーファンディング事例

Syncableには弊社ファンドレイザーによる、マンスリーファンディングやクラウドファンディングといった寄付キャンペーンの伴走支援サービスがございます。寄付キャンペーンの立ち上げ準備から公開、キャンペーン期間中により多くの支援者を集めるために、各団体様をサポートさせていただいております。

今回インタビューをさせていただいたのは、一般社団法人未来の準備室様です。
若者が地域と繋がることのできる仕組みを作るための、コミュニティ・カフェEMANON応援団(マンスリーサポーター)を集める際に伴走支援を活用していただきました。

達成金額:毎月172,267円(年2,067,204円)
支援者数:114人

【一般社団法人未来の準備室 概要】
福島県白河市を拠点とし、古民家を活用したコミュニティ・カフェ
EMANONを中心に、若者と地域が繋がるための活動を
2015年より行っている。
キャリア教育やまちづくり、地方創生の分野で活躍中。

コミュニティ・カフェEMANONホームページ:

理事長青砥様note

今回お話しいただいたのは、理事を務める湯澤様です。

地域で育ったOBOGと再び繋がり、地域全体で関係を築いていく

――マンスリーファンディングお疲れさまでした。今回のキャンペーンの目的を教えてください。
湯澤:私たちは非営利の団体で、ソーシャルインパクトをどれだけ出すことが出来るか、ということを常に考えています。この資本主義社会で、現状マネタイズできないことに切り込んでいくことが我々NPO法人の役割だと認識しています。その一つが、現在取り組んでいる”若者と地域の関係性をどう作るか”という部分や、”高校生が地域での学びをどう深めていくか”という部分です。
この活動に誰が資金を出すかと考えた時に、現状は行政から業務委託を受けてカフェを運営しています。しかし、行政としても財源に限りがあり、それなら受益者(高校生)から資金を集めるかと言ったらそういうことではないですよね。だとすれば、白河市にゆかりのある、ここを巣立っていった高校生たちが大学生や社会人となったときに、ある種の恩返しとして支援をしていただき、地域全体で関係性を築いていくムーブメントを作りたいと思っていました。今回のマンスリーファンディングにはその目的が背景にあります。もちろんお金を集めるという目的でもあり、かつ寄付という行為を通して人と人とがつながる、あるいは関わりをより深めていく手段として考えて、今回のキャンペーンを開催しました。

――ただお金を集めるだけではなく、OBOGからの寄付によって、彼らが再度白河市のコミュニティと繋がることを目的にしているんですね。

――寄付者の推移をみると、2月20日にキャンペーンを始め、22日に開始を告知するYoutubeライブを配信して、そこで20%を達成していますよね。開始2日で20%集まったのにはなにか要因があるんでしょうか。
湯澤:そもそもこのようなファンディングは、最初と最後に多く集まるということを吉田さん(Syncableファンドレイザー、未来の準備室様の伴走支援を担当)を始めとし、色々な人から聞いていました。なので、最初の1週間で20%は最低限達成しようと話していました。達成できた理由としては、キャンペーン開催の情報が出た段階で寄付する人が一定数いてくれたことが大きいと思います。加えて理由を付けると、やはりライブ配信でキャンペーンを行う僕自身が自分の言葉で伝えたことが大きかったと思います。
実を言うと、ライブ配信をやると決めたのはその当日でしたし、サムネイルが出来たのは告知する3分前だったんです。(笑)たまたまカフェ(EMANON)に居た大学生が、アイデアをくれたんです。ライブ配信をすることは決まっていたのですが、配信時間が迫り焦っている中で「サムネが必要じゃない?とりあえず土下座しとこ」と言われ…、その写真を加工するのも、手が空いているからと言ってやってくれました。

↓ライブ配信のアーカイブ動画

マンスリーファンディングで重要なことは、これまでに培った人とのつながり

――マンスリーファンディング開始前に他の団体に相談に行かれたと聞きました。その相談自体も事前の広報に繋がったのでしょうか。
湯澤:そうですね。マンスリーファンディングを開催するにあたり、何を軸にするかなど自分たちのキャンペーンページを作ることにすごく苦労したんです。方向性やキーワードは見えているけれど、中身としてどう表現したらいいのかということがわかりませんでした。それに対して、自分たちより先に同様の活動をしている人や、ファンドレイジングをしたことのある人に話を聞き、教えを乞う必要がありました。団体の話を聞いてもらうことで僕が言語化できるし、開催する際に事前に相談したことで「前言ってたやつだよね」と応援してくれたり、純粋にシェアと言った拡散のお手伝いをしてくれたりということがありました。マンスリーファンディングを行って思ったのは、”人”なんだなということです。
 苦しかったのは、モデルやシステムを作ることです。僕たちは僕たちの活動を持続可能なものとしたいので、属人性を排することをしたいと考えています。しかし、手段として取っているマンスリーファンディング自体は、かなり属人的なものであるという矛盾を抱えていました。その矛盾を抱えつつも、どう共感を集めるかというところで、一つの手掛かりは弱さを開示することだと思っています。カッコつけずにありのままでいられる、そういう意味で事前に大学生やターゲットになりそうな同業者、昔から応援してくださっている大人、地域の人に話を聞きに行きました。これはとても必要なプロセスだったと思います。事前のお知らせや、共感を得るということも同様に大事なことだったと思います。

吉田:自団体のみでキャンペーンを行うのも良いけれど、他の人、団体との繋がりがある中で一緒に悩み、歩んでいくことで力が倍になって、結果的に応援してくれる人も増えていく、ということが素敵だと思いましたし、今回のマンスリーファンディングで私が学んだところでもあります。

マンスリーファンディングによって、他者に頼ることができるようになった

湯澤:それで思ったのは、いままで他団体と話すきっかけが無かったんですよね。もちろんきっかけが無くても相談できる仲だったはずでしたし、受益者も含めて普段かかわりのあるステークホルダーに対してヒアリングを行うのは普段からやるべきことでした。でも、マンスリーファンディングを開催して良かったことは、組織としてこれからどういう方向性を目指していくのかということを踏まえて議論をし、それを固めるきっかけになったこと。そして、それを社外に発信するために社外の人にも相談するきっかけができたことです。このマンスリーファンディングという機会が無ければ、多分僕は「助けて」をいうことが出来なかったし、一緒に悩んでくれる社外の人と話す機会も持てなかったと思います。そういう意味で今回のキャンペーンをやって良かったと思います。

――寄付が始まった際、地域の方へ対面でお願いをしに行かれたと聞きました。どのような反応がありましたか
湯澤:いくつか反応の種類がありました。普段から一緒に仕事をしていて、信頼関係が出来ている方からすれば、「EMANONがやっていることなら何でも応援するよ!」という感じでした。普段の私たちを信頼してもらっているからこそ、寄付を頂くことができました。もう一つは、若者が何かやるのなら応援しなきゃと思ってくれている方々です。地域なので、ある程度年齢の高い層がそれなりにいらっしゃるので、そのような方もいらっしゃいました。あとは、我々の活動が個人の店舗であることにどんな意味があるのかという質問を突きつけられる場面もありました。それで言うと、やはり地元は人間関係に依存しているところが多く、あの人が出すなら自分も出す、ということもありました。

地域の方を巻き込むために情報発信を行った

――直接お願いに行くことで新しく繋がりが生まれたことはありましたか
湯澤:ありました。今まで私たちはきれいな部分しか表に出してこなかったんです。若者に投資してほしいということと、信頼に足る団体であることをアピールしていました。そのために格好つけていたこともあったし、どこにも属さずに活動していくことが大事でした。個々人の人間関係に依存した応援の形というよりは、ビジョンややっていることに対する応援の形を作ってきたのかなと思います。でも、そこから一歩踏み込んで、人間関係を作り、地元に根差しに行ったという姿勢は評価されていると思います。オンラインだけで開催していたら、「またよくわからない見えないところでやっているな」という感じで終わってしまっていたと思います。
6年間白河市で事業をやってきて、初めはよくわからないよそ者という扱いでした。城下町なので、それぞれの家に歴史があり、すこし閉鎖的な地域なんです。今回、やっと商店街の方や地元の方と人間関係が築けたタイミングでマンスリーファンディングを開催しました。何をやっているのかわからないために外から様子を窺っている方と、自分たちの活動を応援したい方、両方いると思います。そういった人間関係を可視化する意味も含まれています。情報発信は昔から課題でした。そのため、今回は情報発信をするということを1か月頑張りました。

周囲の方から居場所をもらっているという気持ちがより強くなった

――利用者やOBOGの方の声は、普段届くことが難しいと思いますが、応援メッセージなどを見て、改めて実感したことはありますか
湯澤:感謝しか出てこないですね。現場にいると、目の前には課題しかなくて、問題が山積みなんです。メッセージを目の当たりにして、これだけの方が団体を慕ってくれていて、応援もしてくれて、一緒になにかをやろうとしてくれています。そういうところがすごく誇らしく、頼もしいし心強いなという感覚を持ちました。キャンペーンページにも書きましたが、私たち自身がここに居場所を貰っているんだという感覚がより強くなったと思います。だからこそ、ここでやっていかなければという責任感というか、前向きな気持ちでキャンペーンを終えることが出来ました。

――マンスリーファンディングを始める前と、終わった時の感想を教えてください
湯澤:始める前は、こうしたら上手くいくのではないかという仮説や観点などをたくさんSyncableの皆さんから貰っていたし、自団体でもクラウドファンディングの経験から知識を持っていました。しかし、ファンディング以外の仕事も同時並行で行っていて、リソースが足りず、「全然準備が出来ていない、やばいぞ」という中で始まりました。これは達成できない可能性が高いな、と思いつつも、それでもやるしかない、という感じでした。気持ち的には80%くらい準備が出来ていたけれど、実際には5%くらいしかできていなかった気持ちです。
 終わった時点では、率直に言えばもっと支援者数を増やすことが出来たんじゃないかという感想を持ちました。もっとできたけれど、リソースが足りなかったから仕方ないか、という心残りや悔しさがずっと残っています。今まで積み上げてきた信頼を、感謝の気持ちを持ちつつ継続寄付者数として数字にすることが今回の目標で、ある意味今回のマンスリーファンディングは、今までの投資を回収する機会でした。そして、その回収すらも投資でありたいと考えていました。しかし、投資に変えることが出来たとは思えず、もっと色々な人間関係を広げたり、私たちの活動を見える化できたなと思います。なので、またチャレンジすると思います。

伴走者からの具体的な提示のおかげでスムーズに進めることができた

――今回の伴走支援の感想を教えてください
湯澤:色々ご迷惑をおかけする中で、最後までお付き合いいただき背中を教えてくださったことはとてもありがたかったです。関わり方として、具体的に出来ることを提示してくださったことが助かりました。僕が一人でやらないと、と思っていたために余計にタスクが遅れてしまったり、やきもきさせてしまった部分があったと思います。しかし、「これ私できますよ、やりますよ」と声掛けしていただいたことで、こちらもスムーズにお願いすることが出来、ありがたかったです。
吉田:ありがとうございます。準備段階では、「困ったことがあったら言ってください」というお声がけを多くさせていただきましたが、、逆にそれが団体様の負担になってしまったことに気付きました。もちろん団体様やケースによりけりですが、具体的に出来ることの提示をするといったコミュニケーションの仕方をこれからしていきたいと思います。
湯澤:そうですね。僕も団体内で高校生に対してプロジェクトの伴走などをしていて、色々な役割があるなと思っていました。今回自分が伴走支援してもらったことで、伴走方法の選択肢を可視化して、提示することが重要だと気付きました。
 あとは、今回のキャンペーンを団体内では自分だけでやっていたということもありますが、モチベーター的な役割を担ってくれたと思います。僕が弱音を吐いても、大丈夫だと言ってくださったことが力になりました。

――今後の団体様の展望についてお聞かせください。
湯澤:2022年4月は、少しずつ事例を積み重ねていく形で仮説検証をし、システムにしていくという作業を1か月間していました。それをきちんとプロセスとして外部に開示していくことや、相談の有無に限らず広報をして、情報発信によって外部との双方向のコミュニケーションをしていきたいと思っています。…が、手が回っていないのが現状です。
 自分たちがやるべきことはコーディネートだと思っています。私たちがハブとなって若者と町が繋がり続けることをコーディネートし、モデル化していく。それによって他の場所でも通用するモデルが出来て、様々な場所で関係者が増え、繋がりも増していくと思います。
 新しい事業として、「白河ゆかりコミュニティ」に関して議論をしている最中です。具体的には掲示板のようなホームページを作成し、そこで”関わりしろ”のようなものをひたすら投稿して、そこから自発的な活動が生まれてくるのではないかと期待しています。

 ユースボラセンに関しては高校生に広報をたくさんしていて、おかげさまで高校生の彼らがボランティアとして積極的に町に出るようになっています。それを続けつつ、学びのためのボランティアであるという文脈をどう確保していくかが私たちの専門性に依るところだと思います。高校生の学びでもあり、地域の学びでもあるということをどう確立していけばいいのかを話し合っています。なんとなくプロジェクトを進めていますが、どう進めていくか、どう協力していただくかを考えていきたいと思っています。

伴走支援者の声

吉田:マンスリーサポーター114名達成、おめでとうございます。キャンペーン準備にあたって他団体の方へ話を聞きに行ったり、キャンペーン期間中も地域の方々へ直接出向き顔を合わせての寄付のご依頼に力を注ぐなど、お一人お一人ずつ丁寧にコミュニケーションを取っていたことがとても印象的でした。団体の事業に責任と覚悟を持ち、真摯に寄付者や地域の方々と向き合う姿に強く感銘を受け、伴走者としても多くのことを学ばせていただきました。「コミュニティカフェEMANON」を拠点に白河の高校生が地域内外へ羽ばたき、「若者がいつでも・何度でも地域と関わることができる社会」を“白河モデル”から発信していくことを心より応援しております。

弊社ファンドレイザーに相談してみませんか?

弊社ファンドレイザーによる伴走支援に興味のある方は、まずはお話だけも聞いてみませんか。

ファンドレイザーによる無料の相談会も随時行っており、寄付キャンペーンを立ち上げてみたいがイマイチやり方がわからない、よりたくさんの支援を集めるにはどうすればいいのか?など、様々な疑問にお答えします。

興味のある方はぜひお問い合わせください。

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