[IMPACT SHIFT2024]どこよりも早い現地レポート②(インパクトスタートアップ「経済性と社会性は両立するのか」)
Syncableを運営する株式会社STYZ(スタイズ)は2024年3月3日(日)に開催されるIMPACT SHIFT2024にスポンサー協賛しています。
当日参加するメンバーが気になったお話や登壇テーマを現地レポートします。
本記事は、本イベントStageAの1つ目のトークセッション「経済性と社会性は両立するのか-政府、金融、スタートアップの交錯点-」のレポートです。
登壇者のご紹介
高塚(モデレーター):インパクト投資は各側面から断片的に語られることが多い。この場では整理していきたい。
問い:最近のインパクト投資の変化をどう捉えているか
石井:ここ10年で本当に盛り上がっている。投資額も10倍増えている。短期で成長していくモデルをイメージする人が多いが、それだけではない。様々な資金調達を視野に入れつつ、目指す社会と資金調達の手段とビジネスモデルがうまくリンクする必要があると感じている。
小野:どういう社会変革を作るかをイメージすることが大事。京都で事業をやっているが、そこで学んだことを他の地域に展開していきたいと思っていた。が、自分たちがやっていたことは「こんじょうでなんとかする」だった。もっとお手軽な仕組み化が必要だった。
中の良い農家さんが辞めてしまうこともあった。だからこそ自社でインパクトを生み出せるようになりたいと思い、変わってきた。
社会変革に取り組んでいることをPRに使われるようになってきたことに違和感を感じる。
高塚:PRだけでなく、インパクトに対して事業も一貫性を持って取り組んでいることが求められている。
秋本:自分たちの企業はまだ無風だと思っている。調達しないことを決めて走っているわけではなく、この事業に資金を入れることで伸びていくというところを探している。
石井:秋本さんと小野さんそれぞれ違う形で変化している。政府としてはそういった会社をどう支援していくかを考えている。
問い:インパクト・ウォッシングがあるように、スタートアップ・ウォッシングもあると感じている。スタートアップではないのにそう表現するようなこともあるのではないか?
石井:スモールビジネスとスタートアップを明示的に分けなくも良いと考えている。投資家側がスタートアップの成長をしっかり見ることでウォッシングはなくなる。政府も、お金の成長だけではないと見ている。
小野:事業成長というのは明確なKPIがあるのでウォッシュしにくい。環境とかは曖昧なのでウッシュされやすい。早いのが正解ではない。急かされることで本質的な課題解決に取り組めていないのは?という課題感がある。
石井:五常・アンド・カンパニーの方に資金調達の話をした時に、調達はあくまで事業の材料でしかないということをお話されていた。
高塚:スタートアップと名乗っても良いと思うが、投資家の期待と合うかどうかが大事であろう。
問い:社会にインパクトをもたらしたという実感はどう得ているのか?
秋本:難しいですよね〜。達成できたら私達の勝ちだよねという指標を置くのは難しい。私達は、事業者さんの変化のプロセスに価値があると考えている。そのプロセスを見ている。
小野:インパクトレポートを書いているが、仲の良い農家さんは僕らがなかったらやれてなかったみたいな話をしてくれたり、実感できる現場があるというのは励まされる。
石井:目標の起き方として2つタイプある。明確な目標があって進んでいく人、近い目標があって目標が変化している人。
問い:運命を共にしてくれる投資家をどう選ぶのか?
高塚:事業だけを見て価格を付けるのは難しい。課題に取り組んでお客さんがいるということは需要がある、期待できる収益と課題解決は表裏一体。
石井:長期を見る投資家はインパクトまで見る、しかしVCのような投資家はどうしても短期を見る。同じ船に乗るかどうかは、資本政策をしっかり見て比べる必要がある。
小野:良いことしてるからバリュエーション付けてよという言い方はしたことがない。良いことしてるから結果的に経済性リターンありますよということを言っている。