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[IMPACT SHIFT2024]どこよりも早い現地レポート⑨(アカデミアxインパクト「“インパクト”という評価軸は社会に何をもたらすのか?」)

Syncableを運営する株式会社STYZ(スタイズ)は2024年3月3日(日)に開催されるIMPACT SHIFT2024にスポンサー協賛しています。
当日参加するメンバーが気になったお話や登壇テーマを現地レポートします。
本記事は、本イベントStageBの4つ目のセッション「“インパクト”という評価軸は社会に何をもたらすのか?アカデミアの知と実践を、エコシステムとして活かすために」のレポートです。

IMPACT SHIFT(インパクトシフト)は、社会課題に向き合う全ての人に向けた、業界最大規模のカンファレンスです。全国からインパクト志向の起業家など合計300名が集まり、有識者によるトークセッション、起業家のプロダクト展示などを通して、社会課題と向き合う起業家のこれからを考えます。

私たち「STYZ」では協賛に加えて、ブースを出展いたします。本イベント参加者の皆様と直接交流することで、コミュニティの活性化に寄与したいと考えております。

登壇者のご紹介

水谷 衣里 氏(モデレーター):株式会社風とつばさ 代表取締役
岡田 弘太郎 氏:一般社団法人デサイロ代表理事
宜保 友理子 氏:株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ プリンシパル
西村 勇哉 氏:株式会社エッセンス代表取締役 / NPO法人ミラツク代表理事 / 大阪大学SSI招聘教授

https://uneri-inc.notion.site/f4349caae4f042e8bf02b3b0c86555f0

今回の登壇者のみなさんの共通点は「大学・アカデミア」。
研究や大学に関わる事業や仕事・活動をされている4人での対談。

会場参加者の方々の属性は?

起業家、起業家を支援する立場、アカデミアとみなさんそれぞれ。
起業家を支援する立場の方が多い印象。

本セッションで考えたいことは以下の3つ

  1. 社会の中でまだ価値づけや意義づけが確立していない領域のインパクトを、我々はどう把握するのか?

  2. アカデミアが培ってきた多様な知見を社会全体がどう活かし、育むのか?

  3. こうした知見をインパクト・エコシステムに接続するために何が必要か?

実例から考える、アカデミア×インパクト

宜保さん

宜保:知識基盤産業の創生が国づくりに必要なのではないか。企業と大学という強いもの同士が融合することにより新しい文化を作っていくことができる。

大学発スタートアップへの投資期待が高まっている。10年前の12倍で、企業数も増えている。
宜保さんが関わっているファンドでは、創薬や医療機器、デジタルテクノロジーの領域へ出資している。

KII3号ファンドでは、インパクトの基本要素やロジックモデルの整理を行う。インパクト投資をはじめる前から、「誰の何を解決するか」を説いてきた。すべての人が、健康で、幸福な人生を達成できる社会の実現を目指している。

課題と感じていることは、受益者が変わっていく・少ない場合のインパクトの整理の仕方(変わる・少ないからといって、インパクトが小さいわけではない)や人材が不足していること。

インパクトという評価軸は、社会に何をもたらすのか?

西村さん

西村:研究やアカデミアという言葉を使った時、みんなそれぞれ違うものを思い浮かべることに難しさがある。思い浮かべるものが違うため、アカデミアの可能性の話に繋げづらい。

インパクトについてもっと定義をする必要がある。質や量の指標も色々であるし、目の前の人を解決したい人から、世の中の不条理を解決したい人まで様々。
どんな利益があるかリターンがあるか、という指標も整理する必要がある。
経済的な話の部分以外のリターンも様々あるのに、その部分が一色他にされてしまったり…。

岡田さん

岡田:技術を実装する際の倫理的・法的側面の重要性とインパクトは繋がっているのではないか。ビジネス的に役に立つという視点では上記が重要だと考える。

事業化できるものは少ないといえば少ない。BtoBtoCのような側面があるのではないか。研究と事業が繋がることで、一般の方にその必要性を伝えることができる。

アカデミアの知と実践を、エコシステムとして活かすために

宜保:研究がわからない人でも、大学発スタートアップの価値を理解することができる共通言語を生み出せたらいいのでは。

西村:研究というものが人によってイメージが違うという部分を変えていく。自分が知っているもの以外に、実態としてどんなものがあるのか知ってもらうことが必要だと考えている。
また、もう1度学び直すことの大切さ。大学はクリアして終わるものではなく、生涯共にできるもの。そのはずなのに、大学は卒業したら終わりという価値観が特に強いのが日本である。そこを変えていきたい。

自分の能力を上げる1つの手段が、知である。そしてその知という資本をどのように活かしていくのかをみんなが考えられるといいのでは。

岡田:研究を社会還元していく時の指標化とインパクトの基準づくりの部分に共通点があるのではないか。
知の出力先をどのように作っていく・繋げていくかも重要な点。研究と社会を繋げていく部分を担っていく。

最後に

モデレーター水谷さん・宜保さん・西村さん

岡田:自身の事業もサイロ化を繋いでいくがテーマ。多様なステークホルダーが交わって議論する今回の場は、次に繋がる良い機会だと思う。

西村:研究者は「勉強しまくっているよくわからない人」ではなく、「わからない部分を一生懸命広げていっている人たち」。そこに未来の種があるというように認識を変えていけるといいのではないか。

宜保:大学の使命は、教育・研究・社会貢献。関係値の構築がとても重要である。関心を持ってもらうということは、インパクトという言葉の定義に入れてもいいのではないか。

水谷:知の実践と認知。認知の部分がとても重要で、その回路をどう作っていくか。コーディネートやプラットフォームの価値は大きい。それらをどう支えていくかも重要である。