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補助金事業で利益が出たら返納が必要? 小規模事業者持続化補助金の収益納付とは
こんにちは。SYNCA合同会計事務所 中小企業診断士の小泉です。
先日補助金の実績報告の仕方について記事を書かせていただきました。
補助金は、実績報告で実際にかかった費用を申請することで、
最終的な補助金額が確定します。
ところが、ここで多くの方がぶつかる壁が「収益納付」です。
補助金事業で発生した利益は規定に従い返納する義務があり、これを「収益納付」と呼んでいます。
せっかく補助金を受け取って事業ができた!と思っても一部を返納しなくてはならないケースがありますので
今回はこの収益納付についてご説明します。
◆この記事を読んでほしい人
・補助金を活用した事業を検討中の方
・補助金が採択された方
・実績報告で事務局より収益納付に関する指摘を受けた方
収益納付とは
収益納付は法律によって規定されている
収益納付は「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」等の規定により定められた考え方です。
今回は小規模事業者持続化補助金を例にご説明します。
小規模事業者持続化補助金の手引きには、
「補助事業(補助金の交付を受けて行う事業)の結果により収益(収入から経費を引いた額)が生じた場合には、補助金交付額を限度として収益金の一部または全部に相当する額を国庫へ返納していただく場合があります」と記載されています。
小規模事業者持続化補助金では、事業完了時までに直接生じた収益金について、補助金交付時に、交付すべき金額から相当分を減額して交付されます。
収益納付に当たるケース
収益納付は、「補助金により直接生じた収益」を補助金から減額される、
とご説明しましたが、具体的な例は以下のようなものがあげられています。
補助金を使って購入した設備で生産した商品の販売・サービスの提供による利益(機械装置等費等が補助対象の場合)
補助金を使って構築した自社のネットショップ(買い物カゴ、決済機能の付加など)の活用での販売や、他社の運営するインターネットショッピングモールでの販売による利益(ウェブサイト関連費等が補助対象の場合)
補助金を使って実施または参加する展示販売会での販売による利益(展示会等出展費等が補助対象の場合)
販売促進のための商品PRセミナーを有料で開催する場合に、参加者から徴収する参加費収入(セミナー開催時の会場等の借料等が補助対象の場合)
補助金を使って実施した事業が「直接利益につながっている」場合が、収益納付の対象です。
例えば、広報費で申請しているチラシの配布や広告などは、直接生じた収益とはみなされないため、収益納付の対象ではありません。
収益納付の報告・計算方法
実績報告時に計算・報告が必要
収益納付の対象となる費用がある場合、実績報告の際に「収益納付に係る報告書」を提出する必要があります。
計算方法は以下の通りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1727146236-YCm9N3QEG5owV6F0uaA7BOMK.png?width=1200)
「補助事業に係る収益額」から「補助事業で自社が負担する経費」を控除し、補助率をかけた金額を納付するということになります。
おわりに
補助金として受け取れる額が減らされてしまうため、納付を避けたいと考える方もいらっしゃいますが、収益納付は申請した補助事業が計画以上にしっかり利益を出せたことによるものです。
損してしまったと考えず、補助事業をより本格的に事業化・安定化していくことで回収していく方が長期的に見た経営としては有効であると考えられます。
実際にご自身が行った補助事業の中で、収益納付の対象となるものがあるかどうか、具体的な判断は補助金事務局へお問合せください。