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定額減税 ダブル控除を受けられるのか?

こんにちは。SYNCA合同会計事務所 共同代表の平川です。
今回は、定額減税におけるFAQを一問一答形式でご紹介したいと思います。

年金と給与の両方を得ている方が定額減税を受ける際に、ダブルで控除されてしまうのか?という疑問に対して解説していきます。
(令和6年5月29日現在の情報で執筆しています)


◆この記事を読んでほしい人

・年金収入、給与収入の両方を得ている方
・給与事務担当者で、自社社員で年金収入があり定額減税の処理を悩んでいる方

◆この記事を読んでわかること

・年金と給与を得ている場合の定額減税の概要
・確定申告が必要かどうかについて

定額減税とは

すでにご存じの方も多いと思いますが、令和6年6月以降に行われる減税措置で、給与所得者の方は6月の給与から天引きされる予定です。
定額減税の概要については、過去のこちらの記事を御参照ください。

FAQ「公的年金等の受給及び給与所得の両方得ている方の定額減税」

質問

2-3 公的年金等の支払を受ける給与所得者に対する定額減税

問 厚生労働大臣等から公的年金等の支払を受ける人は、その公的年金等に係る源泉徴収税額から定額減税の適用を受けますが、その人についてもその主たる給与の支払者のもとで、定額減税の適用を受けるのですか。

「令和6年分所得税の定額減税Q&A」

答え

公的年金等に係る源泉徴収税額から定額減税の適用を受ける人についても、主たる給与の支払者のもとで定額減税の適用を受けることになります。

なお、給与等と公的年金等との定額減税額の重複控除については、確定申告で最終的な年間の所得税額と定額減税額との精算が行われることとなりますが、重複控除されていることだけをもって、確定申告の義務は発生しません。(2024年5月修正あり)

「令和6年分所得税の定額減税Q&A」

解説

年金収入と給与収入がある方は、定額減税における一定の要件を満たしている場合、厚生労働省と勤務先それぞれで定額減税の計算がされます。
なぜなら、厚生労働省と勤務先では支給対象者の情報を共有していないからです。

そのため、税額が発生している場合は、ダブルで減税がされることが想定されます。

ただし、年金収入から源泉所得税が控除されるケースは、
・65歳未満:年間の年金収入が108万円超の場合
・65歳以上:年間の年金収入が158万円超の場合
となり、この金額を超えた年金収入を得た場合には年金から定額減税が控除される見込みです。

また、給与所得も月給88,000円(その月の社会保険料等控除後の給与金額)以上であれば、源泉徴収されるため定額減税が控除されます。

確定申告は必要なのか?

仮にダブルで定額減税を受けている場合、何か必要な手続きがあるのか、つまり確定申告をしなければならないのか、疑問に思いますよね?

ここについては、先のFAQの後半にある「重複控除されていることだけをもって、確定申告の義務は発生しません。」という文言が結論となります。

つまり、給与と年金をもらっている方で、定額減税が重複控除されているかどうかは確定申告の必要有無には影響しない、ということになります。

そのため、年金収入と給与収入両方得ている方は、これまで通り確定申告義務があるかどうかで判断していく必要があります。
確定申告が必要かどうかは、以下御参照ください。
給与所得者の確定申告
公的年金等受給者の確定申告

まとめ

年金と給与収入を得ている方で一定の金額以下の収入のケースは、そもそも源泉徴収されていないことから定額減税の控除もされず、所得税における確定申告をしなくても問題ない場合が考えられます。

一方で、一定の所得がある場合には確定申告義務が発生することから、支給時には定額減税をダブルで受け取ることができても、確定申告をする際に還付額の減税もしくは納税となる場合も考えられます。
(定額減税されても、結局確定申告時に納税になるという、モヤモヤ感が残る可能性があります…)

減税措置としては大変有意義な制度であると思いますが、個別ケースが非常に多く、判断に迷う場面が出てくると思います。
今後もお役に立てる情報を配信していきますので、どうぞご期待ください。