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特定プラットフォーム事業者とは?消費税に係る令和6年度税制改正での影響を解説‼

はじめに

 こんにちは。SYNCA合同会計事務所 税理士の細見です。
 令和6年度税制改正により、日本におけるプラットフォーム課税が大きく変わります。
 国税庁は2024年7月30日、国外事業者およびプラットフォーム事業者向けに「消費税のプラットフォーム課税に関するQ&A」を公表しました。
 本記事では、この改正内容や新たなプラットフォーム課税について詳しく解説します。
 経理担当者にとっては、非常に重要な情報ですのでぜひご一読ください。


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◆この記事を読んでほしい人

・デジタルプラットフォームを利用して日本国内でサービスを提供している事業者
・プラットフォームを運営する事業者
・日本国内の消費税に関する最新情報を知りたいビジネス関係者

◆この記事を読んでわかること

・令和6年度の税制改正によるプラットフォーム課税の概要
・国外事業者およびプラットフォーム事業者が知っておくべき重要なポイント
・インボイス制度との関係や実務上の対応方法

結論

 今回の改正では、日本国内の消費者向けに電気通信利用役務を提供する国外事業者に対して、特定プラットフォーム事業者を介した消費税申告が求められるようになります。

 国内事業者が従来どおり消費税を申告納税する一方で、国外事業者はプラットフォーム事業者を介して税務手続きを行うことで、申告負担が軽減されます。

 また、インボイス制度との関連性も強調されており、特定プラットフォーム事業者が重要な役割を担うことが明確になっています。

国税庁出典:消費税のプラットフォーム課税について令和6年4月
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kazei/pdf/0024003-088.pdf

特定プラットフォーム事業者の例と役割

 特定プラットフォーム事業者の具体例として、アプリストアやオンラインマーケットプレイスなどが挙げられます。
 
 例えば、AppleのApp StoreやGoogle Playは、国外事業者が日本国内でアプリを配信する際に利用されるプラットフォームです。また、Amazonや楽天市場のようなオンラインショッピングサイトも特定プラットフォーム事業者に該当する可能性があります。

 これらの事業者は、国外事業者が提供する消費者向け電気通信利用役務に対して、消費税申告を代行する役割を担います。

電気通信利用役務の提供とは

 「電気通信利用役務の提供」とは、インターネットを介して行われるデジタルサービスのことです。
 この役務には、消費者向け事業者向けの二つの種類があります。

  1. 消費者向け電気通信利用役務の提供
     これは、個人消費者を対象としたデジタルサービスの提供を指します。具体的には、アプリのダウンロード、音楽や動画のストリーミングサービス、電子書籍の販売など、一般消費者が利用するオンラインサービスが該当します。
     今回の改正では、国外事業者が日本国内の消費者向けに提供するこれらの役務について、特定プラットフォーム事業者を介した消費税の申告が必要となります。

  2. 事業者向け電気通信利用役務の提供
     こちらは、企業や事業者が利用するデジタルサービスの提供を指します。例えば、クラウドソフトウェアの提供、ビジネス向けのデータ分析サービス、オンラインコンサルティングなどが該当します。事業者向けの役務提供に関しては、今回の改正の対象とはなりません。

令和6年度税制改正の影響

今回の改正で注目すべきポイントは以下の通りです。

  1. プラットフォーム課税の適用
     国外事業者が特定プラットフォーム事業者を介して日本国内でサービスを提供する場合、消費税の申告義務が特定プラットフォーム事業者に移ります。これにより、国外事業者は自ら消費税を申告する必要がなくなります。

  2. 国内事業者の対応
     国内事業者は、特定プラットフォーム事業者からのインボイスを受領し、仕入税額控除を適用する際にそれを保存する必要があります。

  3. インボイス制度との関連
     特定プラットフォーム事業者は、インボイス発行事業者としての役割も担い、国外事業者に代わってインボイスを発行します。

まとめ

 令和6年度の改正により、国外事業者が日本国内で提供する消費者向け電気通信利用役務に対する消費税の申告手続きが大きく変わります。
 
 特定プラットフォーム事業者を介することで、国外事業者の負担が軽減される一方で、国内事業者は従来どおりの手続きが求められます。

 また、インボイス制度との連携が強化されることで、消費税申告がより一貫性を持つようになります。  

終わりに

 国税庁が公表したQ&Aを確認し、令和7年4月から適用される新しい制度に備えることが重要です。
 SYNCA合同会計事務所では、上記のような税に関するお悩みや相談、個人の確定申告などの支援も行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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