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#41. 職場で不満を言いたい人達

「常に誰かの課題指摘をしている」「文句ばっかり言っている」「他人を攻撃する事をやめない」こんな人があなたの周りにもいるかもしれません。概ね客観的な見方である可能性もあり、指摘されている人に対する改善指導が妥当な場合もあります。しかしそうでない場合もあります。言っている人とその周り数人だけがそう持っている・感じているだけというケースも少なくありません。

今日は、幾つかの例をもとに、これらの愚痴を言う人の中に眠るビリーフ(信念)を明確にし、その葛藤を統合するための視点について考察してみます。

  1. 「⚪︎⚪︎さん、また別の新人を潰したみたいよ。相変わらず彼はコミュニケーション力が無いよね」

    • 発言者のビリーフ: 新人を支え、育てることが重要であるという信念。また、リーダーや上司は部下の成長をサポートすべきだという期待。

    • 指摘されている人の正しさの可能性: ⚪︎⚪︎さんは自分の方法で新人を厳しく訓練し、長期的な成果や自立を促しているかもしれません。彼にとって、即時の成果よりも厳しい環境で学ぶことが真の学びとなると考えている可能性があります。

    • 歪曲・省略: ⚪︎⚪︎さんが新人を「潰している」かどうかの具体的な事例が示されていないため、事実が不明確です。また、彼のコミュニケーションが常に効果的でないという証拠が省略されているかもしれません。

    • 一般化・大げさ: 一度の出来事を元に⚪︎⚪︎さんが全ての新人と上手くコミュニケーションできないと決めつけている可能性があります。また、「潰す」という表現が状況を過剰に悪化させているかもしれません。

    • 統合の視点: ⚪︎⚪︎さんのコミュニケーションの問題を具体的に理解し、必要なスキルトレーニングやサポートを提供することで、⚪︎⚪︎さん自身の成長と新人の育成の両方を目指す。

  2. 「あの人事担当はいつになったら組織図を出すんですかね?皆が困ってるのに気付かないんですかね?」

    • 発言者のビリーフ: 効率的な情報共有が組織運営に不可欠であるという信念。

    • 指摘されている人の正しさの可能性: 組織図の更新が遅れていることには、情報を確認し正確性を保つための理由があるかもしれません。また、彼らは多くの要求に対処しながら優先順位をつけているため、遅延が生じているのかもしれません。

    • 歪曲・省略: 実際に「皆が困っている」のか、その具体的な証拠が省略されています。また、人事担当がなぜ組織図を出していないのかの背景や理由が不明です。

    • 一般化・大げさ: 「皆が困っている」という表現が全員が同じ感情を持っているという一般化になっている可能性があります。

    • 統合の視点: 人事担当者に対するサポートやリソースの不足を考慮し、適切な期限を設定することで彼らが情報を効果的に管理しやすくする。

  3. 「あの人、頓珍漢ですよね。日程調整すらまともに出来なくて。」

    • 発言者のビリーフ: 効率的な時間管理がプロフェッショナリズムの基本であるという信念。

    • 指摘されている人の正しさの可能性: この人物は多くの要求や情報を同時に処理しており、細かなミスが発生している可能性があります。また、彼または彼女が見落としている情報には、他の緊急のタスクが関与しているかもしれません。

    • 歪曲・省略: 日程調整で具体的にどのようなミスがあったのか、またそれが一貫しているかの情報が省略されています。

    • 一般化・大げさ: 一度や二度のミスをもって、常に日程調整ができないと決めつけている可能性があります。

    • 統合の視点: 日程管理のミスがなぜ起こるのかを理解し、改善のための具体的なフィードバックやトレーニングの機会を提供する。

  4. 「うちの専務は遊んでばっかりなんです。会社の役に立っていない。」

    • 発言者のビリーフ: 上級経営者は模範となり、責任感を持って行動すべきであるという信念。

    • 指摘されている人の正しさの可能性: 専務はリーダーシップをとる方法として、自由なスタイルを採用しているかもしれません。彼はリラックスした環境を提供することで、創造的な思考や社員の士気を高めると信じている可能性があります。

    • 歪曲・省略: 専務の具体的な業務内容や成果が省略されており、彼が全く役に立っていないという証拠は示されていません。

    • 一般化・大げさ: 私生活の一部を見て、全体の業務評価に影響を与えている可能性があります。

    • 統合の視点: 専務の行動が組織に与える影響を明確にし、適切な行動規範や責任の再確認を経営陣と共に行う。

  5. 「うちの会社は社長がケチ。お客さんが来る時間帯なのに、お店の電気を消すように言う。」

    • 発言者のビリーフ: コスト削減は必要だが、顧客体験を損なうことなく行うべきであるという信念。

    • 指摘されている人の正しさの可能性: 社長は経費削減を通じて会社の持続可能性を確保しようとしているかもしれません。彼は電気の使用を抑えることでコストを削減し、それが結果的に会社全体の利益につながると考えている可能性があります。

    • 歪曲・省略: 電気を消すよう指示した背景や理由が省略されています。また、これが経費削減の一環なのか、他にも理由があるのか不明です。

    • 一般化・大げさ: 社長の一つの行動から彼全体を「ケチ」と決めつけるのは過剰な一般化かもしれません。

    • 統合の視点: 経費削減の必要性と顧客体験の重要性をバランス良く考慮し、より効果的な節約策を模索する。

これらの行動が表面的には問題あるように見えるかもしれませんが、それぞれの人物には彼らなりの考えがあり、彼らの行動の背後には(彼らにとっての)正当な理由があります。この視点から彼らの行動を理解し、必要であれば適切なサポートや対話を提供することが重要ですね。

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