イタリア映画 「にがい米」
心地いい映画に出逢った
時代は第二次世界大戦直後
ある農村に北イタリアから
300人を超える出稼ぎ女が集まる
水を張った田んぼが広がる
麦わら帽子に短パン姿の女が
いっせいに田植えを始める
田植え歌の掛け合いは
どこかミュージカル風
女たちは40日間寝食をともに過ごす
悩みも打ち明けあえば
つかみ合いの喧嘩もする
集団生活を背景に男と女の愛憎が渦巻き
模造品の宝石を中心にサスペンスが繰り広げられる
メイクも演技も脚本も
今とは違う
昭和の大映作品を思わせる
シルヴァーナがジャズにあわせて踊る
ジャズは明るい未来を予感させる
敗戦国イタリアでも
戦勝国アメリカが輝いている
冒頭のスケールの大きなカメラワークが
これから始まるストーリーに
不思議な期待感を抱かせる