バフェットに学ぶ投資の極意3「一括投資と積立投資、どちらが良いの?」
バフェットの投資方法を知ったあと、ふと「一括投資と積立投資のどちらが良いの?」という疑問が浮かぶかもしれません。バフェットが選んだのは一括投資であり、フロートやレバレッジを駆使して一気に大きなリターンを狙う方法でしたが、多くの人は「積立投資がリスクが少ない」と感じ、積立の方が良いのではと思うかもしれません。しかし、本当に積立投資は安全で効率的なのでしょうか?ここでは、一括投資と積立投資のそれぞれの特性を見ていきましょう。
3.1 ドルコスト平均法(積立投資)の落とし穴
まずは「ドルコスト平均法」と呼ばれる積立投資の方法について考えてみます。これは、毎月一定額を投資することで、価格が高いときには少なく買い、価格が低いときには多く買うことで、一口あたりの取得価格を下げる仕組みです。価格が上下しても心理的に安心できるため、「積立の方がリスクが低い」と思われがちです。
しかし、実際にはそうではないことをこれから説明します。
ここで注意したいのが、株式市場は長期的には上昇傾向にあるということです。積立投資を長期で行うと、投資期間の後半で株価が高くなる傾向があるため、結果的に一括投資のほうが取得価格を低く抑えられる可能性が高いのです。
逆に一括購入時に「少し高値掴みしてしまった」と思っても、長期で考えるなら大きな違いではありません。あまり気にしなくて大丈夫です。
3.2 ドルコスト平均法(積立投資)は期間後半に賭けた博打
また、ドルコスト平均法には「時間の経過とともに元本が増えていく」という特徴があり、これが長期的な投資では意外なデメリットになることがあります。例えるなら、最初にゆっくり坂を登り始めるのですが、頂上が見えるころには一気に走り始めるようなものです。早い段階ではまだ少額しか投資できていないため、最初に株価が上がると、その成長の恩恵を十分に受けられません。そして最後の方で大量に購入した株価が下落すると、大きな影響を受けてしまうのです。
後半上昇することに賭けることは、根拠の乏しい博打行為と同様です。前半に得られる複利効果も少なくなります。
このように、積立投資は短期的には価格変動を分散できるためリスクを抑えることができるかもしれませんが、長期的な価格変動に対しては、むしろリスクの高い投資方法と言えるでしょう。
3.2 長期的な資産成長を支える一括投資
一括投資には、「最初にまとまった額を投資するため、その後の相場上昇をフルに享受できる」というメリットがあります。株式市場は長期的には成長してきた歴史があるため、特に期間が長いほど一括投資の方がリターンが期待できます。株価は年ごとに上下するものの、何年もかけて市場全体は成長していく傾向があります。
一括投資は、まるでバンジージャンプのような覚悟が必要です。飛び込むときはドキドキしますが、飛び降りたあとは上昇の波に乗って楽しむだけ、というイメージです。長期で考えれば、市場は成長する傾向があり、一度投資してしまえばその成長の恩恵を継続的に受けることができるのです。
この第3章では、積立投資と一括投資の長期的なリターンの違いを詳しく説明し、長期で考えた場合の戦略選びについて解説しました。
しかし「手元資金が少ないので、積み立てるしかない」という場合もあると思います。
次の章では、手元資金が少ない場合にも有効な具体的な投資戦略について詳しく説明します。