人を映し出す朝礼スピーチ
※この記事は過去にシン・エナジーの公式ブログ「ミラトモ!」に公開された2018年7月の記事の再掲です。内容はすべて当時のものです
多くの会社には朝礼があって、その部署で一番偉い人か、そのグループで管理的な立場にある人が伝達事項や営業成績、注意事項などを話すことが多い。
ところがこのシン・エナジーという会社の朝礼は週初めに役員スピーチ、水曜日に役職者スピーチがあるものの、残りの火曜日、木曜日、金曜日は社員が順番に思い思いのテーマで1~3分間のスピーチを行う。
「ネガティブになりがちな人は、言う順番を変えると人生が開けます。例えば『君と結婚したいが、給料は安くて親は口うるさい』と言う代わりに『給料は安くて親は口うるさいが、君と結婚したい』と言ってみることです」
この話は今年2月に行われた朝礼スピーチの一つで、発想を変えることの大切さを教えてくれる。私たちの生活に対する助言であり、仕事にも通じる。
ゲーム感覚で視点の変え方を訓練できる方法を紹介したスピーチもある。
「物事を見る時は様々な視点で見ることが大事といわれます。例えば今日は『赤色』と決めて景色を見ると普段気になっていない看板や建物などが目に入ってきて、自然に普段と違う視点で物事が見えます。気分転換にもなります」
多様な発想ができることはその人の財産だし、人生を豊かにしてくれ、新しいビジネスに結び付くことだってある。
話す人の生活や人生観が浮かびあがるスピーチもある。
「週末に生パスタを作っています。失敗もたくさんしましたが試行錯誤の末、上手に作れるようになりました。週末に家族の視線が冷たいなと感じる方には美味しいペペロンチーノの作り方を教えます。家族の信頼回復は間違いなしです」
聞くほどにほっこりする。
会社の中のぎすぎすは、相手のことがよくわからず、一方的に「この人とは合わない」などと思い込んでしまうことから始まるらしい。
そう考えると朝礼スピーチは普段見せないその人の一面を見ることができ、思っていたイメージとちょっと違うことを気づかせてくれる。
6月中旬、大阪府北部で震度6弱という地震が発生し、私たちの会社が入る神戸国際会館も大きく揺れた。
知らない人同士を集めて防災訓練するときは、最初にお互いがどこの誰なのか知り合うことから始めることが大事という。
知らない人ばかりだと協力する気になれないからだ。
朝礼スピーチは、人の結びつきを強めてくれるだけでなく、もしもの時に生きてくるのかもしれない。
(2018/7/19 シン・エナジー広報/元日本経済新聞記者 府川浩・記)