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「崩壊」の法則【23】山地剥(さんちはく)/64卦

崩壊、剥離、転覆、剥ぎ取ること、剥落、剥奪、身ぐるみ剥されるの【23】山地剥(さんちはく)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ23番目の【23】山地剥(さんちはく)の原文(漢文)と書き下し文です。



【23】山地剥(さんちはく)



『卦辞』

「剝、不利有攸往。」
「剝(はく)は、往(ゆ)く攸(ところ)有(あ)るに利(よ)ろしからず。」

(はくは、ゆくところあるによろしからず。)



『彖伝』

「彖曰、剝剝也。柔變剛也。不利有攸往、小人長也。順而止之。覿象也。君子尚消息盈虚。天行也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、剝(はく)は剝(は)ぐなり。柔(じゅう)、剛(ごう)を変(へん)ずるなり。往(ゆ)く攸(ところ)有(あ)るに利(よ)ろしからず、小人(しょうじん)長(ちょう)ずればなり。順(じゅん)にして之(これ)に止(とど)まるは、象(しょう)を観(み)るなり。君子(くんし)の消息(しょうそく)盈虚(えいきょ)を尚(たっと)ぶは、天行(てんこう)なればなり。」

(たんにいわく、はくははぐなり。じゅう、ごうをへんずるなり。ゆくところあるによろしからず、しょうじんちょうずればなり。じゅんにしてこれにとどまるは、しょうをみるなり。くんしのしょうそくえいきょをたっとぶは、てんこうなればなり。)



『象伝』

「象曰、山附於地剝。上以厚下安宅。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、山(やま)の地(ち)に附(つ)くは剝(はく)なり。上(うえ)は以(もっ)て下(した)を厚(あつ)くし宅(たく)を安(やす)んず。」

(しょうにいわく、やまのちにつくははくなり。うえはもってしたをあつくしたくをやすんず。)



『爻辞』



上九━━━
六五━ ━
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━〇

「初六。剝牀以足。蔑貞。凶。」
「初六(しょりく)。牀(しょう)を剝(はく)するに足(あし)を以(もっ)てす。貞(てい)を蔑(ほろ)ぼす。凶(きょう)なり。」

(しょりく。しょうをはくするにあしをもってす。ていをほろぼす。きょうなり。)
「象曰、剝牀以足、以滅下也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、牀(しょう)を剝(はく)するに足(あし)を以(もっ)てすとは、以(もっ)て下(しも)を滅(ほろ)ぼすなり。」

(しょうにいわく、しょうをはくするにあしをもってすとは、もってしもをほろぼすなり。)



上九━━━
六五━ ━
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━〇
初六━ ━

「六二。剝牀以辨。蔑貞。凶。」
「六二(りくじ)。牀(しょう)を剝するに弁(べん)を以(もっ)てす。貞(てい)を蔑(ほろ)ぼす。凶(きょう)なり。」

(りくじ。しょうをはくするにべんをもってす。ていをほろぼす。きょうなり。)
「象曰、剝牀以辨、未有與也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、牀(しょう)を剝(はく)するに弁(べん)を以(もっ)てすとは、未(いま)だ与(くみ)するもの有(あ)らざるなり。」

(しょうにいわく、しょうをはくするにべんをもってすとは、いまだくみするものあらざるなり。)



上九━━━
六五━ ━
六四━ ━
六三━ ━〇
六二━ ━
初六━ ━

「六三。剝之。无咎。」
「六三(りくさん)。之(これ)を剝(はく)す。咎(とが)なし。」

(りくさん。これをはくす。とがなし。)
「象曰、剝之、无咎、失上下也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、之(これ)を剝(はく)す、咎(とが)なしとは、上下(じょうげ)を失(うしな)えばなり。」

(しょうにいわく、これをはくす、とがなしとは、じょうげをうしなえばなり。)



上九━━━
六五━ ━
六四━ ━〇
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━

「六四。剝牀以膚。凶。」
「六四(りくし)。牀(しょう)を剝(はく)するに膚(はだえ)を以(もっ)てす。凶(きょう)なり。」

(りくし。しょうをはくするにはだえをもってす。きょうなり。)
「象曰、剝牀以膚、切近災也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、牀(しょう)を剝(はく)するに膚(はだえ)を以(もっ)てすとは、切(せつ)に災(わざわ)いに近(ちか)きなり。」

(しょうにいわく、しょうをはくするにはだえをもってすとは、せつにわざわいにちかきなり。)



上九━━━
六五━ ━〇
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━

「六五。貫魚。以宮人寵。无不利。」
「六五(りくご)。魚(さかな)を貫(つらぬ)き、宮人(きゅうじん)を以(もっ)て寵(ちょう)せらる。利(よ)ろしからざるなし。」

(りくご。さかなをつらぬき、きゅうじんをもってちょうせらる。よろしからざるなし。)
「象曰、以宮人寵、終无尤也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、宮人(きゅうじん)を以(もっ)て寵(ちょう)せらるとは、終(つい)に尤(とが)なきなり。」

(しょうにいわく、きゅうじんをもってちょうせらるとは、ついにとがなきなり。)



上九━━━〇
六五━ ━
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━
初六━ ━

「上九。碩果不食。君子得輿、小人剝廬。」
「上九(じょうきゅう)。碩果(せきか)食(くら)われず。君子(くんし)は輿(くるま)を得(え)、小人(しょうじん)は廬(ろ)を剝(はく)す。」

(じょうきゅう。せきかくらわれず。くんしはくるまをえ、しょうじんはろをはくす。)
「象曰、君子得輿、民所載也。小人剝廬、終不可用也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、君子(くんし)は輿(くるま)を得(え)とは、民(たみ)の載(の)する所(ところ)たるなり。小人(しょうじん)は廬(ろ)を剝(はく)すとは、終(つい)に用(もち)う可(べ)からざるなり。」

(しょうにいわく、くんしはくるまをえとは、たみののするところたるなり。しょうじんはろをはくすとは、ついにもちうべからざるなり。)