「豊富繁栄」の法則【55】雷火豊(らいかほう)/64卦
豊富、豊かさ、意識の拡大、盛大、意識の拡がり、繁栄の象徴、満ち足りる、偉大、充実感の【55】雷火豊(らいかほう)。
【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。
「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。
学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。
易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。
このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。
全部である64卦あるなかのひとつ55番目の【55】雷火豊(らいかいほう)の原文(漢文)と書き下し文です。
【55】雷火豊(らいかいほう)
『卦辞』
「豐、亨。王假之。勿憂。宜日中。」
「豊(ほう)は、亨(とお)る。王(おう)これに假(いた)る。憂(うれ)うるなかれ、日中(ひちゅう)に宜(よろ)し。」
(ほうは、とおる。おうこれにいたる。うれうるなかれ、ひちゅうによろ)し。
『彖伝』
「彖曰、豐大也。明以動。故豐。王假之、尚大也。勿憂、宜日中。宜照天下也。日中則昃。月盈則食。天地盈虚、與時消息。而況于人乎。況于鬼神乎。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、豊(ほう)は、大(だい)なり。明(めい)にしてもって動(うご)く、故(ゆえ)に豊(ゆた)かなり。王(おう)これに假(いた)るとは、大(だい)を尚(たっと)ぶなり。憂(うれ)うるなかれ、日中(ひちゅう)に宜(よろ)しとは、宜(よろ)しく天下(てんか)を照(て)らすべしとなり。日(ひ)中(ちゅう)すればすなわち昃(かたむ)き、月(つき)盈(み)つればすなわち食(か)く。天地(てんち)の盈虚(えいきょ)は、時(とき)と消息(しょうそく)す。しかるをいわんや人(ひと)においてをや。いわんや鬼神(きしん)においてをや。」
(たんにいわく、ほうは、だいなり。めいにしてもってうごく、ゆえにゆたかなり。おうこれにいたるとは、だいをたっとぶなり。うれうるなかれ、ひちゅうによろしとは、よろしくてんかをてらすべしとなり。ひちゅうすればすなわちかたむき、。つきみつればすなわちかく。てんちのえいきょは、ときとしょうそくす。しかるをいわんやひとにおいてをや。いわんやきしんにおいてをや。)
『象伝』
「象曰、雷電皆至豐。君子以折獄致刑。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、雷電(らいでん)みな至(いた)るは豊(ほう)なり。君子(くんし)もって獄(ごく)を折(さだ)め刑(けい)を致(いた)す。」
(しょうにいわく、らいでんみないたるはほうなり。くんしもってごくをさだめけいをいたす。)
『爻辞』
上六━ ━
六五━ ━
九四━━━
九三━━━
六二━ ━
初九━━━〇
「初九。遇其配主。雖旬无咎。往有尚。」
「初九(しょきゅう)。その配主(はいしゅ)に遇(あ)う。旬(ひと)しといえども咎(とが)なし。往(ゆ)けば尚(たっと)ばるることあり。」
(しょきゅう。そのはいしゅにあう。ひとしといえどもとがなし。ゆけばたっとばるることあり。)
「象曰、旬雖无咎、過旬災也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、旬(ひと)しといえども咎(とが)なしとは、旬(ひと)しきを過(す)ぐれば災(わざわい)あるなり。」
(しょうにいわく、ひとしといえどもとがなしとは、ひとしきをすぐればわざわいあるなり。)
上六━ ━
六五━ ━
九四━━━
九三━━━
六二━ ━〇
初九━━━
「六二。豐其蔀。日中見斗。往得疑疾。有孚發若、吉。」
「六二(りくじ)。その蔀(しとみ)を豐(おお)いにす。日(ひ)中(ちゅう)に斗(と)を見(み)る。往(ゆ)けば疑(うたが)い疾(にく)まるるを得(え)ん。孚(まこと)ありて発若(はつじゃく)たれば、吉(きち)なり。」
(りくじ。そのしとみをおおいにす。ひちゅうにとをみる。ゆけばうたがいにくまるるをえん。まことありてはつじゃくたれば、きちなり。)
「象曰、有孚發若、信以發志也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、孚(まこと)ありて発若(はつじゃく)たりとは、信(しん)もって志(こころざし)を発(はっ)するなり。」
(しょうにいわく、まことありてはつじゃくたりとは、しんもってこころざしはっするなり。)
上六━ ━
六五━ ━
九四━━━
九三━━━〇
六二━ ━
初九━━━
「九三。豐其沛。日中見沬。折其右肱。无咎。」
「九三(きゅうさん)。その沛(はい)を豊(おお)いにす。日(ひ)中(ちゅう)に沬(ばい)を見(み)る。その右(みぎ)の肱(こう)を折(お)る。咎(とが)なし。」
(きゅうさん。そのはいをおおいにす。ひちゅうにばいをみる。そのみぎのこうをおる。とがなし。)
「象曰、豐其沛、不可大事也。折其右肱、終不可用也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、その沛(はい)を豊(おお)いにすとは、大事(だいじ)に可(か)ならざるなり。その右(みぎ)の肱(こう)を折(お)るとは、終(つい)に用(もち)うべからざるなり。」
(しょうにいわく、そのはいをおおいにすとは、だいじにかならざるなり。そのみぎのこうをおるとは、ついにもちうべからざるなり。)
上六━ ━
六五━ ━
九四━━━〇
九三━━━
六二━ ━
初九━━━
「九四。豐其蔀。日中見斗。遇其夷主、吉。」
「九四(きゅうし)。その蔀(しとみ)を豊(おお)いにす。日(ひ)中(ちゅう)に斗(と)を見(み)る。その夷主(いしゅ)に遇(あ)えば、吉(きち)なり。」
(きゅうし。そのしとみをおおいにす。ひちゅうにとをみる。そのいしゅにあえば、きちなり。)
「象曰、豐其蔀、位不當也。日中見斗、幽不明也。遇其夷主、吉行也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、その蔀(しとみ)を豊(おお)いにすとは、位(くらい)当(あた)らざればなり。日(ひ)中(ちゅう)に斗(と)を見(み)るとは、幽(くら)くして明(あき)らかならざるなり。その夷主(いしゅ)に遇(あ)えば、吉(きち)なりとは、行(い)けばなり。」
(しょうにいわく、そのしとみをおおいにすとは、くらいあたらざればなり。ひちゅうにとをみるとは、くらくしてあきらかならざるなり。そのいしゅにあえば、きちなりとは、いけばなり。)
上六━ ━
六五━ ━〇
九四━━━
九三━━━
六二━ ━
初九━━━
「六五。來章。有慶譽。吉。」
「六五(りくご)。章(しょう)を来(きた)せば、慶誉(けいよ)あり。吉(きち)なり。」
(りくご。しょうをきたせば、けいよあり。きちなり。)
「象曰、六五之吉、有慶也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、六五(りくご)の吉(きち)とは、慶(よろこ)びあるなり。」
(しょうにいわく、りくごのきちとは、よろこびあるなり。)
上六━ ━〇
六五━ ━
九四━━━
九三━━━
六二━ ━
初九━━━
「上六。豐其屋。蔀其家。闚其戸、闃其无人。三歳不覿。凶。」
「上六(じょうりく)。その屋(おく)を豊(おお)いにし、その家(いえ)に蔀(しとみ)す。その戸(こ)を闚(うかが)うに、闃(げき)としてそれ人(ひと)なし。三歳(さんさい)まで観(み)ず。凶(きょう)なり。」
(じょうりく。そのおくをおおいにし、そのいえにしとみす。そのこをうかがうに、げきとしてそれひとなし。さんさいまでみず。きょうなり。)
「象曰、豐其屋、天際翔也。闚其戸、闃其无人、自藏也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、その屋(おく)を豊(おお)いにすとは、天際(てんさい)に翔(かけ)るなり。その戸(こ)を闚(うかが)うに、闃(げき)としてそれ人(ひと)なしとは、みずから藏(かく)るるなり。」
(しょうにいわく、そのおくをおおいにすとは、てんさいにかけるなり。そのこをうかがうに、げきとしてそれひとなしとは、みずからかくるるなり。)