「待機と栄養」の法則【5】水天需(すいてんじゅ)/64卦
待機中の栄養、忍耐、待機中、栄養補給、待つの【5】水天需(すいてんじゅ)。
【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。
「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。
学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。
易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。
このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。
全部である64卦あるなかのひとつ5番目の【5】水天需(すいてんじゅ)の原文(漢文)と書き下し文です。
【5】水天需(すいてんじゅ)
『卦辞』
「需、有孚。光亨。貞吉。利渉大川。」
「需(じゅ)は、孚(まこと)有(あ)り。光(おおい)に亨(とお)る。貞(てい)なれば吉(きち)なり。大川(たいせん)を渉(わた)るに利(よ)ろし。」
(じゅは、まことあり。おおいにとおる。ていなればきちなり。たいせんをわたるによろし。)
『彖伝』
「彖曰、需須也。険在前也。剛健而不陥。其義不困窮矣。需有孚、光亨、貞吉、位乎天位、以正中也。利渉大川、往有功也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、需(じゅ)は須(ま)つなり。険(けん)前(まえ)に在(あ)るなり。剛健(ごうけん)にして陥(おちい)らず、其(そ)の義(ぎ)困窮(こんきゅう)せず。需(じゅ)は孚(まこと)有(あ)り、光(おおい)に亨(とお)る、貞(てい)なれば吉(きち)なりとは、天位(てんい)に位(くらい)して、以(もっ)て正中(せいちゅう)なればなり。大川(たいせん)を渉(わた)るに利(よ)ろしとは、往(ゆ)きて功(こう)有(あ)るなり。」
(たんにいわく、じゅはまつなり。けんまえにあるなり。ごうけんにしておちいらず、そのぎこんきゅうせず。じゅはまことあり、おおいにとおる、ていなればきちなりとは、てんいにくらいして、もってせいちゅうなればなり。たいせんをわたるによろしとは、ゆきてこうあるなり。)
『象伝』
「象曰、雲上於天需。君子以飲食宴樂。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、雲(くも)の天(てん)に上(のぼ)るは需(じゅ)なり。君子(くんし)以(もっ)て飲食(いんしょく)宴楽(えんらく)す。」
(しょうにいわく、くものてんにのぼるはじゅなり。くんしもっていんしょくえんらくす。)
『爻辞』
上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
九三━━━
九二━━━
初九━━━〇
「初九。需于郊。利用恆。无咎。」
「初九(しょきゅう)。郊(こう)に需(ま)つ。恆(つね)を用(もち)うるに利(よ)ろし。咎(とが)なし。」
(しょきゅう。こうにまつ。つねをもちうるによろし。とがなし。)
「象曰、需于郊、不犯難行也。利用恆、无咎、未失常也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、郊(こう)に需(ま)つとは、難(なん)を犯(おか)して行(い)かざるなり。恆(つね)を用(もち)うるに利(よ)ろし、咎(とが)なしとは、未(いま)だ常(つね)を失(うし)わざるなり。」
(しょうにいわく、こうにまつとは、なんをおかしていかざるなり。つねをもちうるによろし、とがなしとは、いまだつねをうしわざるなり。)
上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
九三━━━
九二━━━〇
初九━━━
「九二。需沙。少有言、終吉。」
「九二(きゅうじ)。沙(すな)に需(ま)つ。小(すこ)しく言(げん)有(あ)れど、終(つい)には吉(きち)なり。」
(きゅうじ。すなにまつ。すこしくげんあれど、ついにはきちなり。)
「象曰、需于沙、衍在中也。雖少有言、以終吉也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、沙(すな)に需(ま)つとは、衍(ゆたか)にして中(ちゅう)に在(あ)るなり。小(すこ)しく言(げん)有(あ)りと雖(いえど)も、吉(きち)を以(もっ)て終(おわ)わるなり。」
(しょうにいわく、すなにまつとは、ゆたかにしてちゅうにあるなり。すこしくげんありといえども、きちをもっておわわるなり。)
上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
九三━━━〇
九二━━━
初九━━━
「九三。需于泥。致寇至。」
「九三(きゅうさん)。泥(どろ)に需(ま)つ。寇(あだ)の至(いた)るを致(いた)す。」
(きゅうさん。どろにまつ。あだのいたるをいたす。)
「象曰、需于泥、災在外也。自我致寇、敬愼不敗也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、泥(どろ)に需(ま)つとは、災(わざわ)い外(そと)に在(あ)るなり。我(われ)より寇(あだ)を致(いた)す、敬愼(けいしん)すれば敗(やぶ)れざるなり。」
(しょうにいわく、どろにまつとは、わざわいそとにあるなり。われよりあだをいたす、けいしんすればやぶれざるなり。)
上六━ ━
九五━━━
六四━ ━〇
九三━━━
九二━━━
初九━━━
「六四。需于血。出自穴。」
「六四(りくし)。血(ち)に需(ま)つ。穴(あな)より出(い)づ。」
(りくし。ちにまつ。あなよりいづ。)
「象曰、需于血、順以聽也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、血(ち)に需(ま)つとは、順(じゅん)にして以(もっ)て聴(き)くなり。」
(しょうにいわく、ちにまつとは、じゅんにしてもってきくなり。)
上六━ ━
九五━━━〇
六四━ ━
九三━━━
九二━━━
初九━━━
「九五。需于酒食。貞吉。」
「九五(きゅうご)。酒食(しゅし)に需(ま)つ。貞(てい)なれば吉(きち)なり。」
(きゅうご。しゅしにまつ。ていなればきちなり。)
「象曰、酒食貞吉、以中正也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、酒食(しゅし)の貞吉(ていきち)とは、中正(ちゅうせい)なるを以(もっ)てなり。」
(しょうにいわく、しゅしのていきちとは、ちゅうせいなるをもってなり。)
上六━ ━〇
九五━━━
六四━ ━
九三━━━
九二━━━
初九━━━
「上六。入于穴。有不速之客三人來。敬之終吉。」
「上六(じょうりく)。穴(あな)に入(はい)る。速(まね)かざるの客(きゃく)三人(さんにん)來(きた)る、之(これ)を敬(けい)すれば終(つい)には吉(きち)なり。」
(じょうりく。あなにはいる。まねかざるのきゃくさんにんきたる、これをけいすればついにはきちなり。)
「象曰、不速之客來。敬之終吉、雖不當位、未大失也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、速(まね)かざるの客(きゃく)來(きた)る。之(これ)を敬(けい)すれば終(つい)には吉(きち)なりとは、位(くらい)に當(あた)らずと雖(いえど)も、未(いま)だ大(おお)いに失(うしな)わざるなり。」
(しょうにいわく、まねかざるのきゃくきたる。これをけいすればついにはきちなりとは、くらいにあたらずといえども、いまだおおいにうしなわざるなり。)