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「節度限界」の法則【60】水沢節(すいたくせつ)/64卦

制限、限られたスペース、限定、制約、接続、制限的規制、拘束、封じ込め、抑制、節度、節制、しめくくり、節約、節操、限度、限界の【60】水沢節(すいたくせつ)。


【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。


「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。


学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。


易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。


このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


全部である64卦あるなかのひとつ60番目の【60】水沢節(すいたくせつ)の原文(漢文)と書き下し文です。



【60】水沢節(すいたくせつ)



『卦辞』

「節、亨。苦節不可貞。」
「節(せつ)は、亨(とお)る。苦節(くせつ)は貞(ただ)しくすべからず。」

(せつは、とおる。くせつはただしくすべからず。)



『彖伝』

「彖曰、節亨、剛柔分而剛得中。苦節不可貞、其道窮也。説以行險、當位以節、中正以通。天地節而四時成。節以制度、不傷財、不害民。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、節(せつ)は、亨(とお)る。剛柔(ごうじゅう)分(わか)れて剛中(ごうちゅう)を得(え)ればなり。苦節(くせつ)は貞(ただ)しくすべからずとは、その道(みち)窮(きわ)まればなり。説(よろこ)びてもって険(けん)を行(い)き、位(くらい)に当(あた)りてもって節(せつ)あり、中正(ちゅうせい)にしてもって通(つう)ず。天地(てんち)は節(せつ)ありて四時(しじ)成(な)る。節(せっ)してもって度(ど)を制(せい)すれば、財(ざい)を傷(やぶ)らず民(たみ)を害(がい)せず。」

(たんにいわく、せつは、とおる。ごうじゅうわかれてごうちゅうをえればなり。くせつはただしくすべからずとは、そのみちきわまればなり。よろこびてもってけんをいき、くらいにあたりてもってせつあり、ちゅうせいにしてもってつうず。てんちはせつありてしじなる。せっしてもってどをせいすれば、ざいをやぶらずたみをがいせず。)



『象伝』

「象曰、澤上有水、節。君子以制數度、議德行。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、沢(さわ)の上(うえ)に水(みず)あるは節(せつ)なり。君子(くんし)もって数度(すうど)を制(せい)し德行(とくぎょう)を議(ぎ)す。」

(しょうにいわく、さわのうえにみずあるはせつなり。くんしもってすうどをせいしとくぎょうをぎす。)



『爻辞』

上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━〇

「初九。不出戸庭。无咎。」
「初九(しょきゅう)。戸庭(こてい)を出(い)でず。咎(とが)なし。」

(しょきゅう。こていをいでず。とがなし。)
「象曰、不出戸庭、知通塞也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、戸庭(こてい)を出(い)でずとは、通塞(つうそく)を知(し)ればなり。」

(しょうにいわく、こていをいでずとは、つうそくをしればなり。)




上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━〇
初九━━━

「九二。不出門庭。凶。」
「九二(きゅうじ)。門庭(もんてい)を出(い)でず。凶(きょう)なり。」

(きゅうじ。もんていをいでず。きょうなり。)
「象曰、不出門庭、凶、失時極也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、門庭(もんてい)を出(い)でず、凶(きょう)なりとは、時(とき)を失(しっ)すること極(きわ)まるなり。」

(しょうにいわく、もんていをいでず、きょうなりとは、ときをしっすることきわまるなり。)



上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━〇
九二━━━
初九━━━

「六三。節若、則嗟若。咎无。」
「六三(りくさん)。節若(せつじゃく)たらざれば嗟若(さじゃく)たり。咎(とが)なし。」

(りくさん。せつじゃくたらざればさじゃくたり。とがなし。)
「象曰、節嗟、又誰咎也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、節(せっ)せざるの嗟(なげ)きとは、また誰(だれ)をか咎(とが)めん。」

(しょうにいわく、せっせざるのなげきとは、まただれをかとがめん。)



上六━ ━
九五━━━
六四━ ━〇
六三━ ━
九二━━━
初九━━━

「六四。安節。亨。」
「六四(りくし)。節(せつ)に安(やす)んず。亨(とお)る。」

(りくし。せつにやすんず。とおる。)
「象曰、安節之亨、承上道也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、節(せつ)に安(やす)んずるの亨(とお)るは、上(かみ)の道(みち)を承(う)くればなり。」

(しょうにいわく、せつにやすんずるのとおるは、かみのみちをうくればなり。)



上六━ ━
九五━━━〇
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━

「九五。甘節。吉。往有尚。」
「九五(きゅうご)。節(せつ)に甘(あま)んず。吉(きち)なり。往(ゆ)けば尚(たっと)ばるることあり。」

(きゅうご。せつにあまんず。きちなり。ゆけばたっとばるることあり。)
「象曰、甘節之吉、居位中也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、節(せつ)に甘(あま)んずるの吉(きち)とは、位(くらい)に居(お)りて中(ちゅう)なればなり。」

(しょうにいわく、せつにあまんずるのきちとは、くらいにおりてちゅうなればなり。)




上六━ ━〇
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━

「上六。苦節。貞凶。悔亡。」
「上六(じょうりく)。苦節(くせつ)は貞(てい)なれば凶(きょう)なり。悔(く)い亡(ほろ)ぶ。」

(じょうりく。くせつはていなればきょうなり。くいほろぶ。)
「象曰、苦節、貞凶、其道窮也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、苦節(くせつ)は貞(てい)なれば凶(きょう)なりとは、その道(みち)窮(きわ)まればなり。」

(しょうにいわく、くせつはていなればきょうなりとは、そのみちきわまればなり。)