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説卦伝(せっかでん)【易経】~十翼~

このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。


修正&更新(2022/02/16)



十翼のなかのひとつ説卦伝(せっかでん)の原文(漢文)と書き下し文です。


【第一章】

「昔者聖人之作易也。幽贊於神明而生蓍。
參天兩地而倚數。
觀變於陰陽而立卦。發揮於剛柔而生爻。和順於道德而理於義。窮理盡性以至於命。」
「昔者(むかし)聖人(せいじん)の易(えき)を作(つく)るや、神明(しんめい)に幽賛(ゆうさん)して蓍(し)を生(しょう)ず。
天(てん)を参(さん)にし地(ち)を両(りょう)にして数(すう)に倚(よ)る。
変(へん)を陰陽(いんよう)に観(み)て卦(か)を立(た)て、剛柔(ごうじゅう)を発揮(はっき)して爻(こう)を生(しょう)じ、道徳(どうとく)に和順(わじゅん)して義(ぎ)を理(おさ)め、理(り)を窮(きわ)め性(せい)を尽(つ)くしてもって命(めい)に至(いた)る。」

(むかしせいじんのえきをつくるや、しんめいにゆうさんしてしをしょうず。
てんをさんにしちをりょうにしてすうによる。
へんをいんようにみてかをたて、ごうじゅうをはっきしてこうをしょうじ、どうとくにわじゅんしてぎをおさめ、りをきわめせいをつくしてもってめいにいたる。)



【第二章】

「昔者聖人之作易也。將以順性命之理。是以立天之道曰陰與陽。立地之道曰柔與剛。立人之道曰仁與義。兼三才而兩之。故易六畫而成卦。分陰分陽。迭用柔剛。故易六位而成章。」
「昔者(むかし)聖人(せいじん)の易(えき)を作(つく)るや、まさにもって性命(せいめい)の理(り)に順(したが)わんとす。ここをもって天(てん)の道(みち)を立(た)てて陰(いん)と陽(よう)と曰(い)い、地(ち)の道(みち)を立(た)てて柔(じゅう)と剛(ごう)と曰(い)い、人(ひと)の道(みち)を立(た)てて仁(じん)と義(ぎ)と曰(い)う。三才(さんさい)を兼(か)ねてこれを両(ふたつ)にす。故(ゆえ)に易(えき)は六画(りくかく)にして卦(か)を成(な)す。陰(いん)を分(わか)ち陽(よう)を分(わか)ち、迭(たが)いに柔剛(じゅうごう)を用(もち)う。故(ゆえ)に易(えき)は六位(りくい)にして章(しょう)を成(な)す。」

(むかしせいじんのえきをつくるや、まさにもってせいめいのりにしたがわんとす。ここをもっててんのみちをたてていんとようといい、ちのみちをたててじゅうとごうといい、ひとのみちをたててじんとぎという。さんさいをかねてこれをふたつにす。ゆえにえきはりくかくにしてかをなす。いんをわかちようをわかち、たがいにじゅうごうをもちう。ゆえにえきはりくいにしてしょうをなす。)



【第三章】

「天地定位。山澤通氣。雷風相薄。水火不相射。八卦相錯。數往者順。知來者逆。是故易逆數也。」
「天地(てんち)位(くらい)を定(さだ)め、山沢(さんたく)気(き)を通(つう)じ、雷風(らいふう)相(あ)い薄(せま)り、水火(すいか)相(あ)い射(いと)わずして、八卦(はっか)相(あ)い錯(まじ)わる。往(おう)を数(かぞ)うるは順(じゅん)にして、来(らい)を知(し)るは逆(ぎゃく)なり。この故(ゆえ)に易(えき)は逆数(ぎゃくすう)なり。」

(てんちくらいをさだめ、さんたくきをつうじ、らいふうあいせまり、すいかあいいとわずして、はっかあいまじわる。おうをかぞうるはじゅんにして、らいをしるはぎゃくなり。このゆえにえきはぎゃくすうなり。)



【第四章】

「雷以動之。風以散之。雨以潤之。日以烜之。艮以止之。兌以説之。乾以君之。坤以藏之。」
「雷(かみなり)もってこれを動(うご)かし、風(かぜ)もってこれを散(ち)らし、雨(あめ)もってこれを潤(うるお)し、日(ひ)もってこれを烜(かわ)かし、艮(ごん)もってこれを止(とど)め、兌(だ)もってこれを説(よろこ)ばし、乾(けん)もってこれに君(くん)たり、坤(こん)もってこれを蔵(おさ)む。」

(かみなりもってこれをうごかし、かぜもってこれをちらし、あめもってこれをうるおし、ひもってこれをかわかし、ごんもってこれをとどめ、だもってこれをよろこばし、けんもってこれにくんたり、こんもってこれをおさむ。)



【第五章】

「帝出乎震。齊乎巽。相見乎離。致役乎坤。説言乎兌。戰乎乾。勞乎坎。成言乎艮。
萬物出乎震。震東方也。齊乎巽。巽東南也。齊也者言萬物之絜齊也。離也者明也。萬物皆相見。南方之卦也。聖人南面而聽天下。嚮明而治。蓋取諸此也。坤也者地也。萬物皆致養焉。故曰致役乎坤。兌正秋也。萬物之所説也。故曰説言乎兌。戰乎乾。乾西北之卦也。言陰陽相薄也。坎者水也。正北方之卦也。勞卦也。萬物之所歸也。故曰勞乎坎。艮東北之卦也。萬物所成終而所成始也。故曰成言乎艮」
「帝(てい)は震(しん)に出(い)で、巽(そん)に斉(ととの)い、離(り)に相(あ)い見(み)、坤(こん)に致役(ちえき)し、兌(だ)に説言(えつげん)し、乾(けん)に戦(たたか)い、坎(かん)に労(ろう)し、艮(ごん)に成言(せいげん)す。
万物(ばんぶつ)は震(しん)に出(い)ず。震(しん)は東方(とうほう)なり。巽(そん)に斉(ととの)う。巽(そん)は東南(とうなん)なり。斉(ととの)うとは、万物(ばんぶつ)の絜斉(けっさい)を言(い)うなり。離(り)は明(めい)なり。万物(ばんぶつ)皆(み)な相(あ)い見(み)る。南方(なんぽう)の卦(か)なり。聖人(せいじん)南面(なんめん)して天下(てんか)に聴(き)き、明(めい)に嚮(むか)いて治(おさ)む。蓋(けだ)しこれをここに取(と)るなり。坤(こん)は地(ち)なり。万物(ばんぶつ)皆(み)な養(やしない)を致(いた)す。故(ゆえ)に坤(こん)に致役(ちえき)すと曰(い)う。兌(だ)は正秋(せいしゅう)なり。万物(ばんぶつ)の説(よろこ)ぶところなり。故(ゆえ)に兌(だ)に説言(えつげん)すと曰(い)う。乾(けん)に戦(たたか)うは、乾(けん)は西北(せいほく)の卦(か)なり、陰陽(いんよう)相(あ)い薄(せま)るを言(い)うなり。坎(かん)は水(みず)なり。正北方(せいほっぽう)の卦(か)なり。労卦(ろうか)なり。万物(ばんぶつ)の帰(き)するところなり。故(ゆえ)に坎(かん)に労(ろう)すと曰(い)う。艮(ごん)は東北(とうほく)の卦(か)なり。万物(ばんぶつ)の終(おわ)りを成(な)すところにして始(はじ)めを成(な)すところなり。故(ゆえ)に艮(ごん)に成言(せいげん)すと曰(い)う。」

(ていはしんにいで、そんにととのい、りにあいみ、こんにちえきし、だにえつげんし、けんにたたかい、かんにろうし、ごんにせいげんす。
ばんぶつはしんにいず。しんはとうほうなり。そんにととのう。そんはとうなんなり。ととのうとは、ばんぶつのけっさいをいうなり。りはめいなり。ばんぶつみなあいみる。なんぽうのかなり。せいじんなんめんしててんかにきき、めいにむかいておさむ。けだしこれをここにとるなり。こんはちなり。ばんぶつみなやしないをいたす。ゆえにこんにちえきすという。だはせいしゅうなり。ばんぶつのよろこぶところなり。ゆえにだにえつげんすという。けんにたたかうは、けんはせいほくのかなり、いんようあいせまるをいうなり。かんはみずなり。せいほっぽうのかなり。ろうかなり。ばんぶつのきするところなり。ゆえにかんにろうすという。ごんはとうほくのかなり。ばんぶつのおわりをなすところにしてはじめをなすところなり。ゆえにごんにせいげんすという。)



【第六章】

「神也者妙萬物而爲言者也。動萬物者莫疾乎雷。橈萬物者莫疾乎風。燥萬物者莫熯乎火。説萬物者莫説乎澤。潤萬物者莫潤乎水。終萬物始萬物者莫盛乎艮。故水火相逮。雷風不相悖。山澤通氣。然後能變化既成萬物也。」
「神(しん)なるものは、万物(ばんぶつ)に妙(みょう)にして言(げん)を為(な)すものなり。万物(ばんぶつ)を動(うご)かすものは、雷(かみなり)より疾(と)きはなし。万物(ばんぶつ)を橈(たわ)むるものは、風(かぜ)より疾(と)きはなし。万物(ばんぶつ)を燥(かわ)かすものは、火(ひ)より熯(かわ)けるはなし。万物(ばんぶつ)を説(よろこ)ばすものは、沢(さわ)より説(よろこ)ばすはなし。万物(ばんぶつ)を潤(うるお)すものは、水(みず)より潤(うるお)すはなし。万物(ばんぶつ)を終(お)え万物(ばんぶつ)を始(はじ)むるものは、艮(ごん)より盛(さかん)なるはなし。故(ゆえ)に水火(すいか)相(あ)い逮(およ)び、雷風(らいふう)相(あ)い悖(もと)らず、山沢(さんたく)気(き)を通(つう)じ、然(しか)る後(のち)よく変化(へんか)したのちに万物(ばんぶつ)を成(な)すなり。」

(しんなるものは、ばんぶつにみょうにしてげんをなすものなり。ばんぶつをうごかすものは、かみなりよりときはなし。ばんぶつをたわむるものは、かぜよりときはなし。ばんぶつをかわかすものは、ひよりかわけるはなし。ばんぶつをよろこばすものは、さわよりよろこばすはなし。ばんぶつをうるおすものは、みずよりうるおすはなし。ばんぶつをおえばんぶつをはじむるものは、ごんよりさかんなるはなし。ゆえにすいかあいおよび、らいふうあいもとらず、さんたくきをつうじ、しかるのちよくへんかしたのちにばんぶつをなすなり。)



【第七章】

「乾健也。坤順也。震動也。巽入也。坎陷也。離麗也。艮止也。兌説也。」
「乾(けん)は健(けん)なり。坤(こん)は順(じゅん)なり。震(しん)は動(どう)なり。巽(そん)は入(にゅう)なり。坎(かん)は陥(かん)なり。離(り)は麗(り)なり。艮(ごん)は止(し)なり。兌(だ)は説(えつ)なり。」

(けんはけんなり。こんはじゅんなり。しんはどうなり。そんはにゅうなり。かんはかんなり。りはりなり。ごんはしなり。だはえつなり。)



【第八章】

「乾爲馬。坤爲牛。震爲龍。巽爲鷄。坎爲豕。離爲雉。艮爲狗。兌爲羊。」
「乾(けん)を馬(うま)と為(な)し、坤(こん)を牛(うし)と為(な)し、震(しん)を竜(りゅう)と為(な)し、巽(そん)を鶏(にわとり)と為(な)し、坎(かん)を豕(いのこ)と為(な)し、離(り)を雉(きじ)と為(な)し、艮(ごん)を狗(いぬ)と為(な)し、兌(だ)を羊(ひつじ)と為(な)す。」

(けんをうまとなし、こんをうしとなし、しんをりゅうとなし、そんをにわとりとなし、かんをいのことなし、りをきじとなし、ごんをいぬとなし、だをひつじとなす。)



【第九章】

「乾爲首。坤爲腹。震爲足。巽爲股。坎爲耳。離爲目。艮爲手。兌爲口。」
「乾(けん)を首(かしら)と為(な)し、坤(こん)を腹(はら)と為(な)し、震(しん)を足(あし)と為(な)し、巽(そん)を股(もも)と為(な)し、坎(かん)を耳(みみ)と為(な)し、離(り)を目(め)と為(な)し、艮(ごん)を手(て)と為(な)し、兌(だ)を口(くち)と為(な)す。」

(けんをかしらとなし、こんをはらとなし、しんをあしとなし、そんをももとなし、かんをみみとなし、りをめとなし、ごんをてとなし、だをくちとなす。)



【第十章】

「乾天也。故稱乎父。坤地也。故稱乎母。震一索而得男。故謂之長男。巽一索而得女。故謂之長女。坎再索而得男。故謂之中男。離再索而得女。故謂之中女。艮三索而得男。故謂之少男。兌三索而得女。故謂之少女。」
「乾(けん)は天(てん)なり。故(ゆえ)に父(ちち)と称(しょう)す。坤(こん)は地(ち)なり。故(ゆえ)に母(はは)と称(しょう)す。震(しん)は一索(いっさく)して男(おとこ)を得(え)。故(ゆえ)にこれを長男(ちょうなん)と謂(い)う。巽(そん)は一索(いっさく)して女(おんな)を得(え)。故(ゆえ)にこれを長女(ちょうじょ)と謂(い)う。坎(かん)は再索(さいさく)して男(おとこ)を得(え)。故(ゆえ)にこれを中男(ちゅうなん)と謂(い)う。離(り)は再索(さいさく)して女(おんな)を得(え)。故(ゆえ)にこれを中女(ちゅうじょ)と謂(い)う。艮(ごん)は三索(さんさく)して男(おとこ)を得(え)。故(ゆえ)にこれを少男(しょうなん)と謂(い)う。兌(だ)は三索(さんさく)して女(おんな)を得(え)。故(ゆえ)にこれを少女(しょうじょ)と謂(い)う。」

(けんはてんなり。ゆえにちちとしょうす。こんはちなり。ゆえにははとしょうす。しんはいっさくしておとこをえ。ゆえにこれをちょうなんという。そんはいっさくしておんなをえ。ゆえにこれをちょうじょという。かんはさいさくしておとこをえ。ゆえにこれをちゅうなんという。りはさいさくしておんなをえ。ゆえにこれをちゅうじょという。ごんはさんさくしておとこをえ。ゆえにこれをしょうなんという。だはさんさくしておんなをえ。ゆえにこれをしょうじょという。)



【第十一章】

「乾爲天。爲圜。爲君。爲父。爲玉。爲金。爲寒。爲冰。爲大赤。爲良馬。爲老馬。爲瘠馬。爲駁馬。爲木果。
坤爲地。爲母。爲布。爲釜。爲吝嗇。爲均。爲子母牛。爲大輿。爲文。爲衆。爲柄。其於地也爲黑。
震爲雷。爲龍。爲玄黄。爲旉。爲大塗。爲長子。爲決躁。爲蒼筤竹。爲萑葦。其於馬也爲善鳴。爲馵足。爲作足。爲的顙。其於稼也爲反生。其究爲健。爲蕃鮮。
巽爲木。爲風。爲長女。爲繩直。爲工。爲白。爲長。爲高。爲進退。爲不果。爲臭。其於人也爲寡髪。爲廣顙。爲多白眼。爲近利市三倍。其究爲躁卦。
坎爲水。爲溝瀆。爲隱伏。爲矯輮。爲弓輪。其於人也爲加憂。爲心病。爲耳痛。爲血卦。爲赤。其於馬也爲美脊。爲亟心。爲下首。爲薄蹄。爲曳。其於輿也爲多眚。爲通。爲月。爲盜。其於木也爲堅多心。
離爲火。爲日。爲電。爲中女。爲甲冑。爲戈兵。其於人也爲大腹。爲乾卦。爲鱉、爲蟹、爲蠃、爲蚌、爲龜、其於木也爲科上槁。
艮爲山。爲徑路。爲小石。爲門闕。爲果蓏。爲閽寺。爲指。爲狗。爲鼠。爲黔喙之屬。其於木也爲堅多節。
兌爲澤。爲少女。爲巫。爲口舌。爲毀折。爲附決。其於地也爲剛鹵。爲妾。爲羊。」
「乾(けん)を天(てん)と為(な)し、圜(えん)と為(な)し、君(くん)と為(な)し、父(ちち)と為(な)し、玉(ぎょく)と為(な)し、金(きん)と為(な)し、寒(かん)と為(な)し、冰(こおり)と為(な)し、大赤(だいせき)と為(な)し、良馬(りょうば)と為(な)し、老馬(ろうば)と為(な)し、瘠馬(せきば)と為(な)し、駁馬(はくば)と為(な)し、木果(もくか)と為(な)す。
坤(こん)を地(ち)と為(な)し、母(はは)と為(な)し、布(ぬの)と為(な)し、釜(かま)と為(な)し、吝嗇(りんしょく)と為(な)し、均(きん)と為(な)し、子母牛(しぼぎゅう)と為(な)し、大輿(たいよ)と為(な)し、文(あや)と為(な)し、衆(しゅう)と為(な)し、柄(え)と為(な)し、その地(ち)におけるや黒(くろ)と為(な)す。
震(しん)を雷(らい)と為(な)し、竜(りゅう)と為(な)し、玄黄(げんおう)と為(な)し、旉(ふ)と為(な)し、大塗(だいと)と為(な)し、長子(ちょうし)と為(な)し、決躁(けっそう)と為(な)し、蒼筤竹(そうろうちく)と為(な)し、萑葦(かんい)と為(な)し、その馬(うま)におけるや善鳴(ぜんめい)と為(な)し、馵足(しゅそく)と為(な)し、作足(さくそく)と為(な)し、的顙(てきそう)と為(な)し、その稼(か)におけるや反生(はんせい)と為(な)す。その究(きわ)まりを健(けん)と為(な)し、蕃鮮(はんせん)と為(な)す。
巽(そん)を木(き)と為(な)し、風(かぜ)と為(な)し、長女(ちょうじょ)と為(な)し、縄直(じょうちょく)と為(な)し、工(たくみ)と為(な)し、白(しろ)と為(な)し、長(おさ)と為(な)し、高(こう)と為(な)し、進退(しんたい)と為(な)し、不果(ふか)と為(な)し、臭(しゅう)と為(な)し、その人(ひと)におけるや寡髪(かはつ)と為(な)し、広顙(こうそう)と為(な)し、白眼(はくがん)多(おお)しと為(な)し、利(り)に近(ちか)づき市(う)って三倍(さんばい)すと為(な)し、それ究(きわ)まりを躁卦(そうか)と為(な)す。
坎(かん)を水(みず)と為(な)し、溝瀆(こうとく)と為(な)し、隠伏(いんぷく)と為(な)し、矯輮(きょうじゅう)と為(な)し、弓輪(きゅうりん)と為(な)し、その人(ひと)におけるや加憂(かゆう)と為(な)し、心病(しんびょう)と為(な)し、耳痛(じつう)と為(な)し、血卦(けっか)と為(な)し、赤(あか)と為(な)し、その馬(うま)におけるや美脊(びせき)と為(な)し、亟心(きょくしん)と為(な)し、下首(かしゅ)と為(な)し、薄蹄(はくてい)と為(な)し、曳(ひ)くと為(な)し、その輿(くるま)におけるや眚(わざわい)多(おお)しと為(な)し、通(つう)ずと為(な)し、月(つき)と為(な)し、盗(とう)と為(な)し、その木(き)におけるや堅(かた)くして心(しん)多(おお)しと為(な)す。
離(り)を火(ひ)と為(な)し、日(ひ)と為(な)し、電(でん)と為(な)し、中女(ちゅうじょ)と為(な)し、甲冑(かっちゅう)と為(な)し、戈兵(かへい)と為(な)し、その人(ひと)におけるや大腹(だいふく)と為(な)し、乾卦(かんか)と為(な)し、鱉(べつ)と為(な)し、蟹(かに)と為(な)し、蠃(ら)と為(な)し、蚌(ぼう)と為(な)し、亀(かめ)と為(な)し、その木(き)におけるや科(うつろ)にして上(うえ)槁(か)ると為(な)す。
艮(ごん)を山(やま)と為(な)し、径路(けいろ)と為(な)し、小石(しょうせき)と為(な)し、門闕(もんけつ)と為(な)し、果蓏(から)と為(な)し、閽寺(こんじ)と為(な)し、指(ゆび)と為(な)し、狗(いぬ)と為(な)し、鼠(ねずみ)と為(な)し、黔喙(けんかい)の属(ぞく)と為(な)し、その木(き)におけるや堅(かた)くして節(ふし)多(おお)しと為(な)す。
兌(だ)を沢(さわ)と為(な)し、少女(しょうじょ)と為(な)し、巫(ふ)と為(な)し、口舌(こうぜつ)と為(な)し、毀折(きせつ)と為(な)し、附決(ふけつ)と為(な)し、その地(ち)におけるや剛鹵(ごうろ)と為(な)し、妾(めかけ)と為(な)し、羊(ひつじ)と為(な)す。」

(けんをてんとなし、えんとなし、くんとなし、ちちとなし、ぎょくとなし、きんとなし、かんとなし、こおりとなし、だいせきとなし、りょうばとなし、ろうばとなし、せきばとなし、はくばとなし、もくかとなす。
こんをちとなし、ははとなし、ぬのとなし、かまとなし、りんしょくとなし、きんとなし、しぼぎゅうとなし、たいよとなし、あやとなし、しゅうとなし、えとなし、そのちにおけるやくろとなす。
しんをらいとなし、りゅうとなし、げんおうとなし、ふとなし、だいととなし、ちょうしとなし、けっそうとなし、そうろうちくとなし、かんいとなし、そのうまにおけるやぜんめいとなし、しゅそくとなし、さくそくとなし、てきそうとなし、そのかにおけるやはんせいとなす。そのきわまりをけんとなし、はんせんとなす。
そんをきとなし、かぜとなし、ちょうじょとなし、じょうちょくとなし、たくみとなし、しろとなし、おさとなし、こうとなし、しんたいとなし、ふかとなし、しゅうとなし、そのひとにおけるやかはつとなし、こうそうとなし、はくがんおおしとなし、りにちかづきうってさんばいすとなし、それきわまりをそうかとなす。
かんをみずとなし、こうとくとなし、いんぷくとなし、きょうじゅうとなし、きゅうりんとなし、そのひとにおけるやかゆうとなし、しんびょうとなし、じつうとなし、けっかとなし、あかとなし、そのうまにおけるやびせきとなし、きょくしんとなし、かしゅとなし、はくていとなし、ひくとなし、そのくるまにおけるやわざわいおおしとなし、つうずとなし、つきとなし、とうとなし、そのきにおけるやかたくしてしんおおしとなす。
りをひとなし、ひとなし、でんとなし、ちゅうじょとなし、かっちゅうとなし、かへいとなし、そのひとにおけるやだいふくとなし、かんかとなし、べつとなし、かにとなし、らとなし、ぼうとなし、かめとなし、そのきにおけるやうつろにしてうえかるとなす。
ごんをやまとなし、けいろとなし、しょうせきとなし、もんけつとなし、からとなし、こんじとなし、ゆびとなし、いぬとなし、ねずみとなし、けんかいのぞくとなし、そのきにおけるやかたくしてふしおおしとなす。
だをさわとなし、しょうじょとなし、ふとなし、こうぜつとなし、きせつとなし、ふけつとなし、そのちにおけるやごうろとなし、めかけとなし、ひつじとなす。)