「初期の困難」の法則【3】水雷屯(すいらいちゅん)/64卦
始まりの難しさ、難しい始まり 、成長の痛み、最初の障害、伸び悩む、産みの苦しみ、初期の困難、試練、行き悩むの【3】水雷屯(すいらいちゅん)。
【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。
「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。
学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。
易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。
このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。
全部である64卦あるなかのひとつ3番目の【3】水雷屯(すいらいちゅん)の原文(漢文)と書き下し文です。
【3】水雷屯(すいらいちゅん)
『卦辞』
「屯、元亨。利貞。勿用有攸往。利建侯。」
「屯(ちゅん)は元(おお)いに亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(よ)ろし。往(ゆ)く攸(ところ)有(あ)るに用(もち)うる勿(なか)れ、侯(きみ)を建(た)つるに利(よ)ろし。」
(ちゅんはおおいにとおりてただしきによろし。ゆくところあるにもちうるなかれ、きみをたつるによろし。)
『彖伝』
「彖曰、屯剛柔始交而難生、動乎険中。大亨貞、雷雨動満盈。天造草昧、宜建侯而不寧。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、屯(ちゅん)は剛柔(ごうじゅう)始(はじ)めて交(まじ)わりて難(なん)生(しょう)じ、険中(けんちゅう)に動(うご)くなり。大(おお)いに亨(とお)りて貞(てい)なるは、雷雨(らいう)の動(うご)き満盈(まんえい)すればなり。天造草昧(てんぞうそうまい)、宜(よろ)しく侯(きみ)を建(た)つべくしていまだ寧(やす)からず。」
(たんにいわく、ちゅんはごうじゅうはじめてまじわりてなんしょうじ、けんちゅうにうごくなり。おおいにとおりてていなるは、らいうのうごきまんえいすればなり。てんぞうそうまい、よろしくきみをたつべくしていまだやすからず。)
『象伝』
「象曰、雲雷屯。君子以経綸。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、雲雷(うんらい)は屯(ちゅん)なり。君子(くんし)以(もっ)て経綸(けいりん)す。」
(しょうにいわく、うんらいはちゅんなり。くんしもってけいりんす。)
『爻辞』
上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━〇
「初九、磐桓。利居貞。利建侯。」
「初九(しょきゅう)。磐桓(はんかん)たり。貞(てい)に居(お)るに利(よ)ろし。侯(きみ)を建(た)つるに利(よ)ろし。」
(しょきゅう。はんかんたり。ていにおるによろし。きみをたつるによろし。)
「象曰、雖磐桓、志行正也。以貴下賤、大得民也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、磐桓(はんかん)すと雖(いえど)も、志(こころざし)正(ただ)しきを行(おこ)なうなり。貴(たっとき)を以(もっ)て賤(せん)に下(くだ)る、大(おお)いに民(たみ)を得(え)るなり。」
(しょうにいわく、はんかんすといえども、こころざしただしきをおこなうなり。たっときをもってせんにくだる、おおいにたみをえるなり。)
上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━〇
初九━━━
「六二.屯如、邅如、乗馬班如。匪冦、婚媾。女子貞不字、十年乃字。」
「六二(りくじ)。屯如(ちゅんじょ)たり、邅如(てんじょ)たり、馬(うま)に乗(の)りて班如(はんじょ)たり。冦(あだ)するに匪(あら)ず、婚媾(こんこう)せんとす。女子(じょし)貞(てい)にして字(あざな)せず、十年(じゅうねん)にしてすなわち字(あざな)す。」
(りくじ。ちゅんじょたり、てんじょたり、うまにのりてはんじょたり。あだするにあらず、こんこうせんとす。じょしていにしてあざなせず、じゅうねんにしてすなわちあざなす。)
「象曰、六二之難、乗剛也。十年乃字、反常也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、六二(りくじ)の難(なん)は、剛(ごう)に乗(の)ればなり。十年(じゅうねん)にして乃(すなわ)ち字(あざな)すとは、常(つね)に反(かえ)るなり。」
(しょうにいわく、りくじのなんは、ごうにのればなり。じゅうねんにしてすなわちあざなすとは、つねにかえるなり。)
上六━ ━
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━〇
六二━ ━
初九━━━
「六三.即鹿无虞。惟入于林中。君子幾不如舎。往吝。」
「六三(りくさん)。鹿(しか)に即(つ)くに虞(ぐ)なく、惟(た)だ林中(りんちゅう)に入(い)る。君子(くんし)は幾(きざし)をみて舎(や)むに如(し)かず。往(ゆ)けば吝(りん)なり。」
(りくさん。しかにつくにぐなく、ただりんちゅうにいる。くんしはきざしをみてやむにしかず。ゆけばりんなり。)
「象曰、即鹿无虞、以従禽也。君子舎之、往吝、窮也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、鹿(しか)に即(つ)くに虞(ぐ)无(な)しとは、以(もっ)て禽(えもの)に従(したが)うなり。君子(くんし)は之(これ)を舎(や)む、往(ゆ)けば吝(りん)なりとは、窮(きゅう)すべければなり。」
(しょうにいわく、しかにつくにぐなしとは、もってえものにしたがうなり。くんしはこれをやむ、ゆけばりんなりとは、きゅうすべければなり。)
上六━ ━
九五━━━
六四━ ━〇
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━
「六四.乗馬班如。求婚媾往、吉无不利。」
「六四(りくし)。馬(うま)に乗(の)りて班如(はんじょ)たり。婚媾(こんこう)を求(もと)めて往(ゆ)けば、吉(きち)にして利(よ)ろしからざるなし。」
(りくし。うまにのりてはんじょたり。こんこうをもとめてゆけば、きちにしてよろしからざるなし。)
「象曰、求而往、明也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、求(もと)めて往(ゆ)くは、明(あき)らかなるなり。」
(しょうにいわく、もとめてゆくは、あきらかなるなり。)
上六━ ━
九五━━━〇
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━
「九五。屯其膏。小貞吉。大貞凶。」
「九五(きゅうご)。其(そ)の膏(めぐみ)を屯(とどこお)らす。小貞(しょうてい)なれば吉(きち)、大貞(だいてい)なれば凶(きょう)なり。」
(きゅうご。そのめぐみをとどこおらす。しょうていなればきち、だいていなればきょうなり。)
「象曰、屯其膏、施未光也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、其(そ)の膏(めぐみ)を屯(とどこお)らすとは、施(ほどこ)すこと未(いま)だ光(おお)いならざるなり。」
(しょうにいわく、そのめぐみをとどこおらすとは、ほどこすこといまだおおいならざるなり。)
上六━ ━〇
九五━━━
六四━ ━
六三━ ━
六二━ ━
初九━━━
「上六。乗馬班如。泣血漣如。」
「上六(じょうりく)。馬(うま)に乗(の)りて班如(はんじょ)たり。泣血(きゅうけつ)漣如(れんじょ)たり。」
(じょうりく。うまにのりてはんじょたり。きゅうけつれんじょたり。)
「象曰、泣血漣如、何可長也」
「象(しょう)に曰(いわ)く、泣血(きゅうけつ)漣如(れんじょ)たり、何(なん)ぞ長(なが)かる可(べ)けんや。」
(しょうにいわく、きゅうけつれんじょたり、なんぞながかるべけんや。)