東京アディオス
いよいよ11日に上映開始されました「東京アディオス」
主題歌の「よだか」を歌わせていただけたことで試写会にまで参加することができ誠に役得であるなぁ、と。
お話をいただいた時に「売れない下ネタ芸人の半生を描いた…」という説明を受け
「あ、これは絶対に歌わないといけない…もちろんナナホシ先生の楽曲で」と瞬時に感じ
ありがたいことにその通りに話が進み
結果的に、想像以上の映画作品と想像の斜め上を行く楽曲が誕生し、無事公開に至りました。
ありがたやありがたや(。-人-)
作品を見させていただいた感想は
僕が以前バンドマンだった頃、ミュージシャンと芸人の違いこそあれ
環境的にはほとんど同じようなものでした。
先は見えないし、金はないし、自信は日々なくなっていくし、常に腹は減ってるし
携帯鳴ると怖いし、イラつくけど怒る気力はないし、涙も出ないし、胃はずっと痛いし
自慰の後の一瞬だけが心地よくて、その勢いで寝ないと眠れなかった。
自分で決めた道だから文句なんぞ誰にも言えませんし、嫌ならやめればいいだけの話で
それは分かっていても「まだどうにかできるんじゃないか」と心のどこかで縋っていたし
最後のほうはもうほぼ意地しかなかった。
夢と空腹と性欲と罵倒と逃避の、あのひりついた生活を思い出し
ただただひたすらに感情移入でした。見てて胃が痛かった。
どぎつい下ネタのオンパレードで、それに対して拒否感を抱く人もいらっしゃるかと思います。
しかしそういう「馬鹿馬鹿しい」とか「邪道だ」とバカにする人もいるようなネタにも命をかけて、命を削って魂を注いで生きている人間がいるという、そのギャップをこそ大塚監督は見せたいんじゃないのかと、僕には思えた。
合理的な道を「合理的だから」という理由で簡単に選べない人間だからこそ
描ける世界があるんだ、と。
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僕の場合は運良くというか、運悪くというか、家族のために田舎に帰らねばならん状況になり親にも「帰ってきてくれ」と言ってもらえ、ズタボロの状態で実家に帰ることになりました。
恐らくこんなきっかけでも無ければ帰ることは出来なかったし
ここで帰ったおかげでその後の歌い手活動がスタートし今があるわけで、我ながらギリギリだったなぁと思う。
詳しくは書けませんが、作品中での横須賀さんは僕とは違う道を選び、ラストシーンに向かいます。
僕の中では、もう一人の僕でした。
そこには意地も誇りも情けなさも申し訳なさも清々しさも、全て詰まった特大sy
生き様を見ることができ、納得のエンディングでありました。
と思うや否や突如僕の歌声が流れ出し「ビックゥゥゥッ!!!!」となり
「そう言えば主題歌歌ったんやった!」と思い出し現実に戻って来れました…焦った…
アディオス!東京アディオス!!
おかげであの頃の感覚を思い出せました。
またいつああいう状況に戻るか分からないお仕事ですが
戻ってしまっても、今度はもう少し恐怖も焦燥も絶望も、作品として昇華させてあげないとな
と思えました。
ありがとうございました。
12日は台風の影響で上映中止となりまして
13日以降の上映はシネ・リーブル池袋のHPをご覧くださいませ。
とんでもない作品に関われて、僕は幸せです。
是非是非、劇場に足をお運びください。
よろしくお願い致します<(_ _)>