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ブループロトコル一周年の改修への違和感

はじめに

今年6月にサービス開始一周年を迎えたブループロトコル(以下、ブルプロ)だが、初年の状況が思わしくなかったこともあり一周年のアップデートで大きめの改修が行われた。
実際にプレイせずにあれこれ言うのもどうかと思い、軽くだがプレイし続けておよそ2ヶ月経ったので雑感を書いてみる。

なお基本的にメタ的視点であり細かい点にはあまり触れない。


参考1:ブルプロ一周年時点の現状

公式配信の最大同時接続数

83,650 FINAL FANTASY XIV (24/6/14)
21,832 ドラゴンクエストXオンライン (24/6/25)
13,806 PSO2ニュージェネシス (24/6/25)
07,213 ブループロトコル (24/6/14)

最大同時接続数ランキング
83,650 FINAL FANTASY XIV Letter from the Producer LIVE Part LXXXII
21,832 超ドラゴンクエストXTV #45 バージョン7.1最新情報
13,806 『NGS ヘッドライン』(24/6/25)
07,213 BLUE PROTOCOL公式配信『ブルプロ通信』#17

https://blueprotocol-matome.com/mmo-5/

ブルプロ一周年の公式配信とほぼ同時期に行われた類似ゲームの公式配信の最大同時接続数で、引用の形にしているがほぼこれに近い数字であったことは私自身の目で確認している。

一概には言えないがこの比率は各ゲームのプレイヤー数や関心を持っている人の比にかなり近いと考えてよく、各ゲームを実際にプレイしているが肌で感じるそれぞれの盛り上がり具合もだいたいこの数字に近いと感じる。

基本的にプレイヤー数は時が経つにつれて減ってゆくこと、ブルプロ以外はサービス開始からかなりの年月が経っていること、そしてMMOゲームはプレイヤー数の多さこそ正義であることなどからも、ブルプロの現状はとても厳しいと言わざるをえない。

参考2:ブルプロ一周年関連の動画やサイト

一周年の公式配信

一周年関連のインタビュー記事

動画を見るのもインタビューを読むのも面倒という人向けのかなり適当なまとめ記事

改修の感想

改修の一番のポイントは「繰り返し作業が不評だったので見直しました」ってことだと思うけど、

・武器を作るために周回していた
→ 武器はドロップしやすくした。かわりに武器厳選の周回が必要になった

結局繰り返し作業をすることに変わりはないように感じるが……?
でもまぁドロップに変わって入手は確かにしやすくなったってことでとりあえず一歩前進と評価するにしても……、ただこの繰り返し作業のことだけでなく改修内容全般的に、そもそもの違和感が拭えなかった。

ブルプロ開発・運営はバトルを改修すればよいと考えているようだけど問題はそこなのか?

そもそもバトルの問題なのか

多くの人がブルプロに望んでいたのって、
バトルとか経済活動とかおしゃれとかいろいろなことがこのとてもきれいなアニメ調グラフィックスの世界でできる
こと。要はいわゆるMMORPG的なものを望んでいた。

蓋を開けてみたら実際のブルプロは、
バトルがこのとてもきれいなアニメ調グラフィックスの世界でできる(※)
だけのただのアクションゲームで、できることの幅があまりになさすぎた。だからそのバトルを軽くプレイしてみてあっという間に大量に離脱したのでは?

(※ブルプロはユーザー間取引機能がないので経済が存在せず金策なども存在しない。またまともなおしゃれ装備はガチャ以外で入手する手段がほぼない設計なので、大多数にとっては事実上おしゃれ機能が存在しないも同然だった)

例を挙げると、

福崎  いろいろな数字(データ)を引っ張ってきて、プレイヤーさんの動向をチェックしていたんですよ。当たり前の話なんですけど、エンドコンテンツまでたどり着いてくれたプレイヤーさんの方がプレイ継続率が高い。逆もあると思うんですよね。熱意が高いからエンドコンテンツにたどり着いている、と。

 ここから見える指針はふたつ。まずは“エンドコンテンツまでたどり着きやすくする”こと。いろいろなデータを見て、どこに離脱ポイントがあるのか探りました。通信データなどを調べて離脱の原因を特定して、難しかったりわかりにくい場所にはガイドを入れるなど、そういった調整をずっと続けています。

https://www.famitsu.com/article/202406/8068

離脱した人って、分析のとおりに途中で止めたバトル好きの人もいるかもしれないけど、それとは全く別にたまたまそこらへんで、
「あ、ブルプロってMMORPGじゃなくただのアクションゲームだったのか」
「あ、ブルプロってできることがバトルだけなのか」
「あれっ?ブルプロってガチャ以外でまともな服入手できないの?」
と気づいたから離脱した人の方がおそらく多いのでは?

「エンドコンテンツまでたどり着けなかった」のではなくて、大半は
「エンドコンテンツにたどり着く前に見切った」のでは?

これらバトル以外も期待していた人たちが目に入っていないのか、それとも端から対象外なので無視しているのか。

分析の結果が、
「ブルプロに求められているのはバトルだけでなく経済活動とかおしゃれとか幅広いプレイスタイルだったのでは?」
とはならずに、
「データによるとここで離脱した人が多いのでバトルを改修して進めやすくしよう」
になってしまっているから違和感が拭えない。

ブルプロ開発・運営はバトルですべてを解決しようとしているけど、そもそもブルプロのバトルだけでブルプロを商用ベースに乗せることができるのか。バトルだけでプレイヤーを繋ぎ止められるのかバトル(PvE)だけでライブサービス型が成り立つのか
MMOゲームは人がいなければ魅力がないも同然。第一にやるべきことはバトル好きだけでなくバトル以外も期待していた人たちを呼び寄せることでは?(もはや手遅れというのはおいといて……)

ただのアクションゲームでしかないのか

やはりブルプロ開発・運営が言っているとおり、ブルプロはMMORPGではなくただのアクションゲームでしかないってことなんでしょうかね。

PvPメインならまだわかるけどPvEメインの場合は「バトルコンテンツの開発速度よりもバトルコンテンツの消費速度の方が早い」という知見がすでにこの世界では得られていて、バトルコンテンツを追加してもあっという間に消費されてやることがなくなってしまうためプレイヤーを繋ぎ止めるのがむずかしい。実際ブルプロはそのために時間稼ぎ策を弄して失敗したわけで。

その点、MMORPGはバトルコンテンツに飽きても経済活動やおしゃれなどバトルコンテンツ以外で楽しめる作りになっているから、現在のブルプロのような時間稼ぎもそこまで必要なく、ライブサービス型が成り立ちやすい。

残念なのは、ブルプロのMMORPG化(ユーザー間取引機能を実装したりおしゃれ装備を入手しやすくする)って技術的に難しいとか工数的に厳しいということはなくその気になれば容易に実現できたことなのに(運用はめんどくさいけど)、それをしないでただのアクションゲームのままでいてズルズルと落ちていってること。
これで採算が取れているようなら(プレイヤーを十分確保しているようなら)こちらも何も言うことはないけど、冒頭の数字からしてどう見ても厳しい。

一応バトル以外で今後ハウジングの予定はあるみたいだけど、ハウジングって経済活動とかおしゃれに比べるとかなり弱い。やはり経済活動とおしゃれが事実上ないのが致命的すぎる。

強化・厳選された武器とかガチャのおしゃれ装備とか素材とか、なんでも売買可能だったらそこそこ盛り上がって人も居着いて結構活況になっていた可能性もあると思うけど。本当にもったいないゲームだと思う。



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