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またひとつ夢を叶えた日 【チリ・パイネ国立公園①】 旅日記 Day415-422

【わたしの旅日記】
2023/11/10 - 世界一周の旅、はじめました。
旅中の出来事をつらつら書いています。
見返すと懐かしくなる、自分のための日記。

2024/12/28 - 2025/1/5

南米の南部、チリ・アルゼンチンに跨るパタゴニア。
ついに来た。念願のパタゴニアに戻ってきた!!

ここに来るのは今回で2回目。
絶景続きのパタゴニアの中でも、チリ側にあるトーレス・デル・パイネ国立公園は、わたしにとって思い入れのある特別な場所。

絶対にまた戻ってくるんだ!!
そう心に決め約5年半、ついにそれを叶える時が来た。

※これは思い出に浸る日記、わたしの成長記録です
※ 実際のトレイル日記は別記事にする予定

心震えたトレッキング

約6年前の2019年3月、大学院の卒業旅行で南米を旅していた。
ペルーから入り南下、最後はパタゴニアへ。

トーレス・デル・パイネ国立公園では、人気のWサーキットを歩いた。常設テントを予約して、2泊3日のトレッキング。これが初めての山でのテント泊。
登山経験もほとんどない中、約74kmのハイキングは結構大変だったと思う。

でも、この3日間で出会った景色があまりにも美しくて、すっかり魅了されてしまった。
壮大な山々、エメラルドグリーンの湖、雪が被る岩山、氷河、草原、青空、雨上がりの虹。いろんな景色が次々に変化して目の前に現れる。早朝に歩いていると野うさぎが目の前を駆けていく。なんて平和なんだろう。

圧倒的な大自然に囲まれて、胸がいっぱいになった。
こんな心震えるような大自然を、自分の足でもっと見に行きたい、全身で感じたい。そう強く思った。

もうひとつの思い出

美しい景色以外の思い出もある。

このパイネ国立公園Wルートを歩く人の多くは、調理器具(ガス・バーナー・クッカー)を持参する。拠点の町プエルトナタレスにはレンタルショップもある。

でもわたしはそんなの使ったことがない。
ひとりで使える自信もないので、調理なしで食べられるフルーツにパン、ヌテラ、お菓子をザックに詰め込んだ。

1日20km以上も歩いて、夕方にはクタクタになってテントへ。
日が落ちるととっても寒い。凍えながら寝袋にくるまり、ヌテラをたーっぷり塗ったパンを頬張る。
この時間が至福だった。

一方、他のハイカーたちはすぐそばでバーナーを使って調理している。
ジュージューとソーセージを焼く音、香ばしい匂い。
めっちゃくちゃ羨ましかった。

この時、わたしもあのバーナーを使えるようになるんだ、キャンプスキルを身につけるんだ、と心に誓った。

あの日からこれまで

世界にはたくさんの絶景がある。険しい道を進まなければ出会えない絶景も山ほどある。そしてそれを見に行きたい。
そう思ったわたしは、帰国後にトレーニングを始めた。

登山、そしてキャンプ。
何日間も歩き続けられる体力と、サバイバル能力が欲しいと思った。

幸い登山が好きな人たちと出会うことができて、装備のアドバイスをもらったり山へ連れて行ってもらったりした。

でもまだまだ山での経験が浅く車もないわたしは、ひとりでガチ目な登山に行く勇気も足もない。ではどうしようか?

そこで興味を持ったのがロングトレイル。
長く歩くトレーニングも、テント泊の練習もできる。下界近くを歩けば日本アルプスの山々のような天候の厳しさや危険も避けられる。知識や経験が乏しくても、なんとかなる場所を選べばいい。

気軽に行けそうだったのが熊野古道だった。以前から行ってみたいと思っていた場所でもあった。

テントにバーナーやクッカー。調べたり知人に聞いたりしながら着々とテント泊登山ギアを揃えていった。

そして真っ新の装備を持って挑んだ熊野古道中辺路。
熊野本宮大社までは友人らも巻き込んで一緒に歩いた。

本宮に到着しキャンプした翌朝には友人らと解散し、ひとり那智大社まで向かった。山の中でひとりぼっちでのキャンプは怖くて、予定変更して1日で駆け抜けた。でも終バスに間に合わず、川辺で野宿デビューをしたのもこの時だった。ドキドキした。

(翌朝、現金を全然持っていないことに気付き、でも那智勝浦のマグロは食べたくて、バスに乗らずヒッチハイクしたのも良い思い出。※関係ない)

それから、翌年には熊野古道伊勢路、信越トレイル(真夏の猛暑で途中離脱)、ちょこちょこ軽登山、そしてMYテントでの初の北アルプス鹿島槍ヶ岳へのテント泊登山。以降、山陰海岸ジオパークトレイル、中山道(セクションハイクでまだ先は長い)、熊野古道小辺路など、ロングトレイルやテントを持ってプチ歩き旅をしたり。

楽しみながら長距離歩きとテント泊の経験を増やしていった。
コロナ禍での流行りに乗って(?)キャンプもたくさんした。

最初、登山はトレーニングのつもりでしかなかった(正直日本の山をナメてた)のに、良い景色を見ているうちに楽しくもなっていたなあ。相変わらず登るのはしんどいけれど。。

そんな感じで、徐々に友人からも“サバイバル能力高め“と言われるようなアウトドア人間にパワーアップした。

ただいま、パイネ

そんな、アウトドアなわたしになるきっかけをくれたトーレス・デル・パイネ国立公園。いつか絶対に戻ってくると決めていた。その時は、パワーアップした自分で、お気に入りの装備を持って歩きに来ると。

パイネを訪れた卒業旅行から4年後、つまり社会人4年目の終わり頃。わたしは仕事を辞めて世界へ旅に出ることを決意していた。いわゆる“世界一周“ってやつ。
西回りで1−2年、アジア、ヨーロッパ(結局飛ばした)、アフリカ、中南米を回る計画。

ここでまたパタゴニア・パイネに戻ってくる。あまり事前にビシッと計画を立てるのは好きじゃないけど、これだけは絶対に外さない。

そうして旅をはじめて1年ちょっと。
ついに、この地に戻ってきたよ!!!
感慨深い。

今回は前回のWよりさらにレベルの高い、Oサーキットを歩くことにした。前回来たときはOサーキットのことなんて考えもしなかった。

キャンプ場の予約はまあ大変で!!でもなんとか空きを見つけ、年末年始に年越しトレッキングすることに。

テントなどのキャンプ装備は、12月に大学時代の友人とガラパゴス諸島を旅した際についでに日本から持って来てもらった。本当に本当に感謝。自分の“お気に入りのギア(装備)“で歩くというのがわたし的にはとても大事なことだった。

約6年ぶりに来た拠点の町、プエルトナタレス。
前回よりも観光地化が進んで賑わっている気がする。

トレッキングに向けて食料を買いに行く。
思い出のヌテラと、羨ましかったソーセージは絶対に外せない。スーパーでヌテラが見つけられなかった時は泣きそうだったけど、聞き回ってやっと見つけた。よかった…!!
(値段が高くてビビったけど、友人の「それ以上の価値がある」という言葉に救われた。本当にその通り。ありがとう!)

そして早朝からバスに乗り、やっと戻ってきたよ。
ただいま、パイネ。

本当に戻ってきた!お気に入りのギアで!

やっぱりパイネの山々は壮大で美しくて。ありのままの美しさに、自分の思いがさらに付け足されて。

美しい景色に囲まれながら歩いている時、景色のいいポイントでカフェオレを飲みながら休憩している時、キャンプ場に着き自分のテントの中でひと息ついている時、バーナーを使って調理している時。
いろんな瞬間で、なつかしさとパワーアップして戻って来れたうれしさが込み上げてきて、とっても満たされ幸せな8日間だった。

ずっと笑顔がこぼれていたと思う。

自分で自分のストーリーに感動して、眼をうるうるさせたりもして。
ひとつ夢が叶ったね。叶えたね!!

次はどこへ行こうか?

今回、パイネ国立公園では7泊8日のOサーキットに挑戦した。
4日目には友人と合流して食料補給してもらえたり、途中で荷物デポできる区間もあったる、何よりも各キャンプ場になんでも揃っていてとても快適だった。だから単純に他の8日間のハイキングとは比較ができない。
でも、衣食住を背負って、約130kmを歩いたという事実に変わりはない。

これまでは正直まだまだ自信がなかった。この旅も完歩できるか不安だった。でもやり切った。想像以上に元気でまだ体力に余裕もあった。

今なら、これまで挑戦できなかったことでもできるんじゃないかな。
この先まだ続く旅の中でも、絶景に出会うためなら、ちょっとキツそうな登山やトレッキングだってしてみたい。元々そのために鍛えてきた。

日本に帰っても、これまではひとりで行く自信がなかった登山も、もうひとりで行ってみてもいい気がする。縦走もしたい。

当然過信は禁物。
まだまだ知識・経験不足だということは認識している。だから無理するつもりはない。でも、ビビりすぎて何もしなければ何も変わらない、やってみたら少しずつ広げていける。そんなことを旅しながら常々思ってきた。

というわけで、これからもまだ見ぬ絶景を目指して引き続きトレーニングしながら、アウトドアライフを楽しんでいきたい!

そのためにも…
日本に帰ったらまずは車の運転を練習しよう。。行きたい場所に行けるように。。

(ここまで読んでいただきありがとうございました!)

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