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念願のパイネOサーキット #前編 【チリ・パイネ国立公園③】 旅日記 Day415-418

【わたしの旅日記】
2023/11/10 - 世界一周の旅、はじめました。
旅中の出来事をつらつら書いています。
見返すと懐かしくなる、自分のための日記。

2024/12/28-31 のお話

2024−2025の年末年始、チリ南部パタゴニアにあるトーレス・デル・パイネ国立公園で7泊8日のトレッキングをしてきました。その記録。※日記です

とっても長いので前編と後編に分けています。これは前編。

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思い出編:またひとつ夢を叶えた日【チリ・パイネ国立公園①】
準備編:7泊8日のパイネOサーキット #準備編【チリ・パイネ国立公園②】

全体日程

数字は◯日目の宿泊地。
1−4日目はソロハイク、4日目のGreyキャンプ場で友人と合流し一緒にWサーキットを歩いた。

Day1:Central → Seron:お花畑

パイネOサーキット1日目。
ついに来た。念願のパタゴニア、パイネに戻ってきた。ここはわたしにとって思い入れのある特別な場所。いろんな感情を胸にトレイルに向かう。
(思い出編:またひとつ夢を叶えた日【チリ・パイネ国立公園①】

まずはプエルトナタレスの町からバスで国立公園入り口へ。
窓から景色を見ながら、目がうるうるしてきた。(変なヤツ…)

入り口に到着。入場チケット(QRコード)を見せて、シャトルバスに乗り換え。
国立公園入り口からトレイル入り口までは、シャトルバスもあるけど歩くこともできる。歩こうか迷っていたけどあまりにみんなバスに乗るから、つられて乗った。でも歩けばよかったなぁ。なぜなら道中にめちゃくちゃリャマがいた!!かわいい!写真撮りたかった…!

そしてトレイル入り口のウェルカムセンターに到着。
覚えているよ、この建物。懐かしいねぇ。

初日はのんびりゆるめに13km。アップダウンも少ない。ウォーミングアップにはちょうどいい。

歩き始めると、すぐにお花畑のような道に入った。かわいくてきれい。

そして草木の隙間を縫うような細いトレイルを進んでいく。小高い丘の上までいくと、遠くまで見渡せる。国立公園の名前にもなっているトーレス・デル・パイネ(3本の塔)がちょこっと見えたり、大きな湖が見えたり。懐かしい気持ちになる。Oサーキットは人が多すぎないので気を散らされず満喫できて良い。

歩き進めると川が見えてきた。
パイネの川や湖は、透明度は高くないミルキーな感じだけど、色が美しい。エメラルドグリーンのような色味。

その後はまた一面のお花畑!2時間近くそんな道が続いてたんじゃないかな。美しかった。途中うさぎを見たりもして。

休憩スポットを探しながら歩いたけど、意外と適地が見つからない。気づくとキャンプ場まであと3km。結局休まず歩いてキャンプ場到着。多分2番乗りだった。

まだだーれもテントを張っていない。ラッキー!スタッフのお兄さんにおすすめのスポットを聞いてそこに張る。木陰で良さそう。

友人に日本から持ってきてもらったMYテント。ひっさびさに立てる。
念願だった、お気に入りのギアを持ってのパイネトレッキングがついに叶った。その実感が湧く瞬間だった。6年前にパイネに来て以降、日本でトレーニングして経験を積み、戻ってきた。あの時よりも確実にパワーアップしている。嬉しさが込み上げてきた。

満足感に浸りながら、テントの中でおやつタイム。マーブルチョコにミックスナッツ最高。そしてネクタリンがめちゃくちゃ美味しい。しあわせ。

日差しは暑いけど、ギリ木陰なので中にいれる。テントは日陰に立てるのが大事だと学んだ。

後から到着したハイカーたちが大人数でうるさく騒いでいて耳障りだった。せっかく自然の中で平和な空気を味わいたいのに台無し。。明日からは共有スペースから遠い場所にテントを貼ろう。

12月のパイネはめちゃくちゃ日が長い。日の出が5:30頃、日の入りが22:00頃。23時頃までまだ少し明るい。なので時間感覚がわからなくなる。でも明るいのは嬉しい。
前回来た3月に比べるとあたたかい気がする凍えずに済みそう!

夜はインスタント麺とサラミを食べた。

日記を書きながら6年前のことを思い出し、お気に入りのテントで愛着あるシュラフに包まり、改めてまたパイネに戻って来れたうれしさを噛み締める。なんていうか、すっごく満たされる。

おやすみなさい。

Day2:Seron → Dickson:ごきげん

目が覚めたのは6時過ぎ。外は明るいけど太陽の光はまだ差さず寒い。
夜中、目が覚めるたびに防寒着を追加。なんとか凍えず寝れた。

起きたらまずは白湯。昨日の19時頃にもらったお湯は、まだほんのり温かさが残っていた。そして朝ごはんはヌテラとパン!大好きなヌテラ。思い出のヌテラ。
開けてみると寒さで固くなっていた。カサカサのパンに乗せていただきます。寝袋にくるまりカサカサのパンにヌテラ。6年前に来た時のことを思い出す。やっぱりヌテラはおいしい。

まだまだ寒くて外に出たくないけれど、トレイルが混まないうちに出発したいからがんばる。

日本と違って空気が乾燥しているから、ほぼ結露していなかった。楽々テント撤収完了。

7:30に出発。
最初は昨日のようにお花畑を歩いていく。

右手には川が流れていて気持ちがいい。そのまま足を進め丘を登ると、向こう側に大きな川と山が見えてとても綺麗だった。前にいたハイカーたちが立ち止まり写真を撮っていて、わたしの写真も撮ってもらった。いい感じに撮ってもらえてうれしい。

さらに歩き、見晴らしのいいところでひと休み。シリアルバーとネクタリンを食べる。やっぱりフルーツは美味しいね。

そしてまた丘のぼり。上までのぼり切ると、向こう側には大きな湖と雪を被った雄大な山々が現れた。なんと美しい…。思わず笑みがこぼれた。

昨日1日と今日この景色を見るまでは正直、絶景をたくさん見てきた人にはパイネはそこまで響かないかも?とか、自分自身の思い出補正で美しく見えているのかな、とか疑っていた。でも、やっぱりパイネの景色は美しいよ!!!

こんなにも美しい景色が、険しい道や大変な登り道を超えなくても、比較的簡単に見れてしまう。日本にもこんなところあるのだろうか?立山、尾瀬、上高地とかがそんなイメージ?行ったことないけど。行こう。

そんな景色を眺めながら歩き、途中のチェックポイントに到着。木々に囲まれたエリアにオフィスやテーブル&チェア、トイレがあった。ここで休憩してもいいけど、眺めは何もないのでサクッとチョコバーを食べて早めに出発。

この先は10km平坦な道、日を遮るものがないトレイルが続く。
休めるポイントがほとんどなく、結局ぶっ通しで歩いた。途中氷河が見えたりした。

最後、キャンプ場がみえた時はうれしかったな。そしてロケーションがいい!!かっこいい!!

真ん中らへんにあるのがキャンプ場

昨日の反省を踏まえて、じっくりテントサイトを探す。そしてベストスポットを発見!!建物やテーブルから離れた木陰、目の前に広がる絶景!!
テントを立て、景色を楽しみながらバニララテで一服。あ〜、しあわせ!!!

キャンプ場ではのーんびり過ごした。いい場所にテントを張れたのもあり、静かで平和な雰囲気の中、かっこいい山を眺めていられた。このキャンプ場、最高。

夕方になると馬がそこらへんを歩き回りはじめた。多分荷物運搬用の馬。テントサイトのそこら中にフンが落ちていていたけど、ここまで放し飼いとは。。テントから馬の鼻息や足音、咀嚼音までも聞こえてくる。さすがに近すぎないか??ちょっとこわい。
世界で1番馬が近いキャンプ場ではないだろうか。笑

明日は11kmだけのショートコース。でも早起きするぞ。おやすみなさい。

Day3:Dickson → Los Perros:しっとり

5:45に目覚める。そこから二度寝してちゃんと起きたのは1時間後。まあいいや。

朝ごはんはグラノーラ。粉牛乳をお湯に溶いてグラノーラをぶち込む。はちみつで甘味を加える。意外とおなかが膨れるのと、食べるのに時間がかかることを学んだ。

テントの外を見るとカップルがもう出発した。早いな。
3日目にもなると、早く出発する組が誰なのか分かってくる。

やっぱり馬がいる

ちゃちゃっと準備を済ませ、出発したのは7:50。
ちょうど出発のタイミングで雨がパラパラと降ってきてしまった。昨日まではあんなに快晴だったのに。

今日のセクションは森から始まる。雨で湿った雰囲気が、熊野古道を思い出させた。植生はきっと全然違うんだろうけど。

最初だけかと思ったら、ほとんどの区間が森だった。近くを流れる川の音を聞きながら、少し上りながら、森を歩いていく。昨日みたいな快晴だったらすごく気持ちいだろうな、と思ったけどむしろ今日みたいな雨の日にこの区間でよかった。木々のおかげで完全な雨ざらしにならずに済んでいる。ありがたや。

歩きながらいろんなことを考えていた。
日本でのトレッキングを思い出したり、恋愛のことをあれこれ考えていたり。その他いろいろ。

山とかを歩きながら考えごとしたり、ただただ無心になったりするの結構好きなんだよな。自己内省の時間というか。“ウォーキング瞑想“ってのもこういうことなんだろうか?

歩き進めると森を抜け、石がゴロゴロの川の近くに出てきた。橋を渡り、石の丘を上ると目の前には氷河と湖。湖の前でちょっとひと休み。

時々、ドドドーン!と雷のような音を立てて氷河が崩れる。

その先は少し歩いたらあっと言う間にLos Perrosキャンプ場到着。
これまでのキャンプ場と違い、森の中にあるこぢんまりとしたテントサイト。しとしと降り続ける雨も相まって、初めて自分のテントでキャンプした熊野古道のキャンプ場を思い出した。その時もちょっと雨だった。

今日は全然太陽が顔を出さないので寒い。インスタント麺を食べて温まる。
チェックイン時間まで時間があるので、先にシャワーしようと思ったがここは水シャワー。さすがに寒すぎるので諦めた。

13:00になり、受付を済ませテントを張る。
今更だけどようやくテントの貼り方のコツを掴んだ。ワンポールテント、ちょっとコツがいるのよね。これからはもうきれいに張れる。

雨がポツポツとテントに当たる音を聞きながら、テントでぼーっとする。あまりに寒くて、ダウンにシュラフ、フル装備になる。5mmの極薄マットからは地面の冷えを感じる。まだ昼なのに大丈夫だろうか、、夜がこわい。

おやつタイム

ぼちぼちテント持参組も増えてみんな張りだす。
サイト選びでは、自分が張る所の良さに加えて、周りが張りづらいことも大事だと学ぶ。今回は大成功。

他の人のテントやギアを見ても、やっぱり自分のテントが1番!お気に入りのギアでこれた満足感に浸る。うれしいなあ。

明日はOサーキット最難関の区間、Greyまで。がんばろ!!

Day4:Los Perros → Grey:さらば2024

5:00前に目が覚める。今日はコースタイム11時間のセクション。ちゃんと起きて準備せねば。朝ごはんを食べるべくキッチンへ。既にたくさんの人が起きて準備をしていた。サクッと乾燥粉末ポテトにお湯を注いでマッシュポテトを作って食べる。そして保温ボトルにお湯を入れ、歯磨きをサッと済ませたらテント撤収。10分で片付いた。

6:05発。みんなも今日は早い。コースタイムが長いので、チェックアウトが7:00までに設定されていた。

歩いていくとたくさん前に人がいた。いつもはお決まりの数組だったけれど。今日はまずはずっと登っていく。最初の森を抜けると、広々した岩ゴロゴロゾーン。小川も流れている。のぼりはあるものの、めちゃくちゃきついやつではない。

歩きながら、悲劇に気づいてしまった。
…カメラが壊れた!?

心当たりはたくさんある。昨日雨で濡れた。岩場で落として転がった。雨で多湿の中、夜間に冷え込んで結露したかもしれない。バッテリーを交換してみるも電源がついてくれない。。悲しすぎる。。
パイネの見所はまだまだこれからなのに!!!わーーーーっ!!

どうすることもできないのでとにかく足を進める。

今日の最高地点は標高約1200m。そこまであと少しのところでちょうどいい休めそうなポイントがあったので、保温ボトルを取り出し、氷河を眺めながらカフェオレ。気分はいい。でもカメラが、、

風が強いので冷える前に再開。一気に上まで登る。

峠を越えると、目の前に美しい景色が広がった。氷河に雪を被った山々。今回のトレイルで今のところ1番きれい。カメラが復活していないか確認するも、やっぱりダメ。悔しい。

ならばとGoProを取り出す。ここで出番が来たか。

ここからはずっと下り坂。しばらくいい景色を眺めながら下っていく。そして森ゾーン。途中滑ってこけた。おしりめっちゃ汚れたけど無事でよかった。

ずーっと森を下っていくとチェックポイントのPasoに到着。見慣れた早め出発組メンバーがいた。サクッとシリアルバー食べてカフェオレ飲んで出発。Pasoを出たところでビューポイントがあった。絶対こっちで休憩する方が良かった。

その後はちょこちょこビューポイントを挟みながら、森ゾーンや日当たりゾーンを交互に進む。

このグレイ氷河が見えるセクションには3つの吊り橋がある。大きめの川というか、滝から湖に流れ出す河口にかかる橋。結構長くてスリルがある。橋からは氷河も見える。

2番目の橋を渡ったあたりから、Wサーキットの延長戦組のハイカーたちとすれ違い始めた。たしかに余裕あるなら来てみるといいかも。より近くで氷河が見える。

中盤の森ゾーンは苔が生えていたり湿り気があったけど、終盤のGreyキャンプ場に近づくと乾いた森になっていた。

サクサクと歩き続け、13:00に到着。所要時間7時間。コースタイムをかなり巻いた。

チェックインしてテントを張る場所を探す。ずっと早朝出発で同じくらいのペースだったカップルと隣になった。トレイルどうだった?と声をかけてくれたけど、話を弾ませられなかった…。ハイカー同士みんな仲良くなっていたりしたけど、わたしはずっと1人を貫いてしまった。いいの。こうして日記を書いたり思い出に浸っていたいんだ。

GreyはO、Wどちらを歩くハイカーもくる場所なので、これまでのキャンプ場よりかなり混んでいた。

ここでは友人と合流予定。予定時刻は16:00ー17:00。一応探すがまだ見当たらない。時間があるのでごはんを食べてシャワーを浴びて、ひと息ついてからスタンバイ。

17:00頃に友人到着!トラブルなく無事合流できてよかった!!
我が家(テント)にご案内。

そして早めのディナータイム!!
本日は大晦日。年越しそば代わりのインスタント麺、そして贅沢にソーセージ!!(6年前のリベンジ!)

友人がラーメン用にゆで卵まで持ってきてくれた。卵にソーセージ!トレイル4日目にこのタンパク質補給は嬉しすぎる。旨かった…。さらにチェリーまで持ってきてくれて。最高かよ!!友よ、ありがとう!!!
年越し感はないけど大満足の年越しメシだった。

まだ明るいので氷河のビューポイントへ行く。キャンプ場からすぐ。ここが期待以上に良かった!!正面からグレイ氷河が見えて、そして誰もいなくてわたしたちだけでこの景色をふたり占め。岩場に腰かけちょっと一服。またカフェオレ。

太陽が沈む前にまた戻ってきた。
今日は大晦日。2024年最後の日の入り。日没は22:00頃だけど、沈む方向に山があって21:30頃に太陽は見えなくなった。氷河の目の前から2024年を見送った。

いい締めだったな。

年越しで騒いでいる人たちは夜中までうるさかった。耳栓をして寝た。

(後編に続く)

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