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溶け合うもの

何かを隔てていたのは

その人自身の “心” だったんじゃないか


隔てたかった “何か” が何なのかは

朝と昼だったり 夕方と夜だったり

海と空だったり

明と暗だったり

あるいは“それ”と“それ以外”だったり

したのかもしれない


だけど どうだろう

それら全てに境界線なんてなくて

あると決めているのは

見ている ぼくらなんじゃないかな


本当はどれも溶け合っているもので

ただ ぼくらのビー玉みたいな

ちっぽけで 高性能で 少し厄介な 目の玉が

脳でも心臓でもなく

よくわからない部分で

勝手に決めてしまったものなのかも


震えない心が

急に震え出す瞬間を感じて

“何か”の境界線が

どこまでも曖昧になって

溶け合っているのを見つけた



ぼくもいつか

そんなふうに溶け合えるかな









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