ごあいさつ 後編
彼のご両親とご挨拶することになりました。
(前編はこちら↓)
彼と一緒にお店に到着すると
先に着席されていたご両親。
改めてご挨拶し、手土産を渡す。
やはり先方に
私の情報は何も伝わっていなかったようなので
仕事や家族構成、趣味の話などを。
(ここぞとばかりに料理好きをアピール。)
そして、
「2人はどこで出会ったの?」とお母さん。
"マッチングアプリ"に偏見がないといいな…
と願いながら恐る恐る伝えると、
「ああ!そうなの!
息子残り2人にも薦めたいんだけど、
どのアプリがいいかしら?」
「アプリの中でどうやってやり取りするの?」
「どうやって待ち合わせするの?」
「自分たちがわかってないと薦められないからなあ」
と興味津々なご両親。
不安は杞憂に終わりました。
彼のいとこがマッチングアプリ婚だったのもあって
偏見はなかったようで、一安心。
「マッチングアプリよく始めてくれたわ。本当に。」
と嬉しそうなお母さん。
彼は超のつく面倒くさがり屋なので、思わず
「いや本当ですよねえ…
私もよく始めてくれたなあと思って」
と言ってしまいました。
そして、私には
「(息子を)よく見つけてくれました」と。
謙遜のつもりで
「いやいや、私が見つけていただいた方で…
本当にありがたいです」とお伝えしたのですが
謙遜になっていたのかは定かではありません。
ちなみに、お母さんの予想では年上女性だったそう。
(私は彼の一つ年下)
「◯◯(彼)は年上に可愛がられるタイプだから」
「そんなことないでしょ…誰かいた?」
「(先日亡くなった)ばあちゃんでしょ〜?」
「他には?」
「△△おばちゃんも
いつも『◯◯くんは?』って言って
気にしてくれてるし…」
「他には?」
「◯◯の周り、他に年上女性いる?」
「いやいないけど、その根拠だと2分の2じゃん」
そんな、彼と彼のお母さんの掛け合いが
面白くてずっと笑っていました。
* * * * * * *
基本的には
おしゃべり好きなお母さん主導で会話が進み、
お母さんが大好きな動物占いの話に。
私とお父さんは虎で地球グループ。
お母さんはゾウで太陽グループだそう。
「太陽グループはね、地球グループを照らすんだけど
地球はそれを当たり前と思ってるの!」とお母さん。
「そうなんですか…?お父さん…」
とお父さんへ話を振ってみると、
「いやいや、日々感謝してますよ」とお父さん。
「あら素敵!」と拍手する私。
「言わされた感満載だなあ」と彼。
ご両親が1番驚いていたのは
彼が大好きな"お酒"を私はほとんど呑めず、
"野球"もほとんど興味がないこと。
「普段何の話してるの…?一緒にいて楽しい…?」と
不安そうなお母さん。
ご安心を。めちゃくちゃ楽しいです。
彼は10代にしっかり反抗期を過ごしたようで
ご家族との会話は少なく、
過去の恋愛話も全く知らないとのこと。
(彼は元カノちゃんの話を両親にしたと
言っていた気がするので、
私に気を使ってそう仰っただけかもしれません)
「息子が女の子とおしゃべりしてるのが
想像できないのよ」
「◯◯さん(彼)めちゃくちゃ話してくれますよ」
「和栗ちゃん(私)聞き上手な感じだものね」
お褒めに預かり光栄です。
少し 自分の分が悪い話になると
「もう俺帰ろうかな」と言う彼に、
「あ、じゃあ3人でゆっくりお話してるわ」と私。
「いやいやあなたも一緒に帰るのよ」
「まだ帰らないです〜」
そんな悪ノリができるくらい
リラックスしてお話できました。
彼は全く興味のない
"美味しいパン屋さん"の話で盛り上がったり、
おすすめのカレー屋さんを教えていただいたり、
お父さんの酔っ払い伝説をお聞きしたり。
「あなたはなんでそんなに溶け込んでるのよ」と彼。
「ほんと?溶け込んでる?やったね!」
とピースする私。
3時間ほどの会食はとても楽しい時間でした。
自分で言うのも難ですが、
ご両親も楽しんでくれていたのではないかと思います。
* * * * * * *
彼の幼少期や学生時代の話をお聞きして、
ご両親が彼をいかに愛情深く育てたかが
しっかり伝わって来ました。
もともと
「この人は周りに愛されて育ったんだろうなあ」
とは思っていましたが、
本当に本当に愛情深いご両親で。
(彼は「もういいって…」と
少し呆れた感じではありましたが)
いつかこの輪に入りたいと願わずにはいられない
とても素敵なご両親でした。
仲良しのお兄さんや弟さんにも会いたかったなあ
* * * * * * *
退店後、お母さんが
「連絡先交換しよ〜!」と言ってくださり
とても嬉しかったのですが、
「俺の知らんところで
何言われてるかわからんからダメ」と彼。
(彼がお手洗いに行っている隙に また試みるも失敗。)
すると、お母さんに小さな声で
「メモ メモ」と呟くお父さん。
本当の別れ際、お母さんから
彼にバレないようコッソリと
小さな紙切れを手渡されました。
帰り道 彼と別れてから
メモの中を見ると、携帯の電話番号が。
余程 連絡先を交換したかったようで、
古のナンパのような戦法。
ショートメッセージでお礼の連絡をし、
返ってきたメッセージには
「◯◯(彼)が現状とても幸せそうで
満足な会食でした」と。
お母さんの目に
彼が幸せそうに映ったことが嬉しくて、
少し涙ぐんでしまいました。
後日、彼には
お母さんと連絡先交換してしまったことを
きちんと謝罪しました。
* * * * * * *
会食中、
「向こうのご両親にはご挨拶したの?」
「旅行に行くなら きちんとご挨拶した方がいいわよ」
「お父さんビールお好きなら
手土産はクラフトビールはどうだ?」と言うご両親。
「だからこの会 開くの嫌だったんだよ…」と彼。
「ん?会ってくれるんですか?」と乗っかると
「ここ2人(私とお母さん)乗り気なんだよなあ」
とボヤいていました。
結局 有耶無耶なままこの会話は終わり、
帰り道に再び
「会ってくれるんですか?」と聞くと、
「会って欲しいの?」と質問返し。
「会ってくれるなら会ってほしいですけれども?」
「うーーーん…」
「嫌ならいいけど…」
「その言い方はずるいなあ」
「この年齢のご挨拶は意味がありすぎますかね」
すると、
「…退路が…絶たれる…」と彼。
"退路"って言葉やめてもらっていいですか????
怒りたくなりましたが、何とか堪えました。
会ってくれるのなら会って欲しいのは本音ですが
無理やり会わせるものでもないですし、
いつか、もしも、同棲か結婚が決まったら
その時は挨拶に来てくださいな、の気持ちです。
(その前に結婚への意思確認をせねば…)
* * * * * * *
なんだかんだありつつも無事に終わったご挨拶。
帰り道、少し疲れた様子の彼に
「今日、乗り気じゃないのに 一緒に来てくれて、
ご両親に会わせてくれてありがとね」と伝えると、
「それ、本当は俺が言わなきゃいけないんだろうけど…
ありがたく頂戴しておこう」と。
調子乗り酔っ払いが申しておりました。
数日経って、
「退路」の言葉にじわじわ傷ついていますが
まあ相当酔っていたので
深く考えずに出てしまった言葉として
自分の中で処理しておこうと思います。
そして1つ後悔しているのが、
ご両親とのお写真を撮り忘れてしまったこと。
また次回があると信じて。
次はご兄弟にも会えますように。