【ワーホリ】閉塞感と自由
日本にいた頃、いつも何かに追われているような気がしていました。仕事、予定、人間関係。そんな毎日の中で、自分に余裕がなくなり、ふと鏡を見ると顔が疲れているのがわかるのです。閉塞感のある空間の中で、息苦しさを感じることもありました。
そんな私がオーストラリアで暮らし始めて、最初に驚いたのは「広さ」でした。空が果てしなく高くて、どこまでも続く地平線が目に飛び込んでくる。心に張り付いていた「閉塞感」がすっと消える瞬間を、初めて味わったのを覚えています。
ある日のこと。家の近くを散歩していると、道端でカンガルーを見つけました。大きな木の影でゆっくりと草を食べ、たまにこちらをちらっと見るだけで、とくに警戒する様子もありません。
「急ぐ必要なんてないんだ」
その姿を見て、そんな言葉がふと浮かびました。日本にいた頃は、「もっと頑張らなきゃ」「これをやらなきゃいけない」と自分を急かしてばかりでした。しかし、オーストラリアの自然の中では「ここにいるだけでいいんだよ」という静かなメッセージが聞こえる気がしたのです。
カンガルーだけではありません。木から落ちたコアラがのそのそと歩いていたり、ビーチでは波打ち際でペリカンが優雅に羽を広げています。どの動物も、自分のペースで、自分らしく生きている。それがとても自由で心が安らぎました。
オーストラリアでの生活を通して、少しずつですが、自分自身を許せるようになってきました。日本では「ちゃんとしなきゃ」という思いが強く、失敗することが怖かったのです。しかし、オーストラリアの自然や人々に触れるうちに「完璧じゃなくてもいい」と思えるようになりました。
オーストラリアの人たちは、「間違えても大丈夫だよ」と笑ってくれる人が多いのです。英語で失敗しても「伝えようとすることが大事だよ」と励ましてくれる。そんなやさしさに触れるたびに「自分をもっと大切にしよう」と思えるようになりました。
自然の中で過ごす時間は、何か特別なことをしているわけではないのに、心がじんわりと癒されます。青い空を眺め、緑の木々に囲まれ、波の音を聞く。ただそれだけで、心が軽くなるのです。
そんな時間の中で「明日は少しだけ新しいことをしてみよう」という気持ちが生まれることがあります。
まだ行ったことのない道を歩いてみるとか、気になっていたカフェに入ってみるとか。小さな一歩ですが、それを続けるうちに、自分でも驚くような景色に出会えることがあります。
もし、あなたが今、何かに追われていると感じているなら、ぜひ少しだけ立ち止まってみてください。そして、自然を感じられる場所に足を運んでみてほしいです。
オーストラリアで感じた「広さ」は、場所だけでなく、心にも広がるものです。その広さは、日々の忙しさの中で忘れがちな大切なものを思い出させてくれます。
「ここにいるだけでいい」という安心感を、ぜひ共有したいと思います。自然と自分を許せる心が、あなたにも広がりますように。
※このnoteでは、内気HSPの私がワーホリで学んだことや気づいたことを発信しています。
同じように自分の弱さを受け入れながら行動したい人の気づきになれば幸いです。
本日も読んでいただきありがとうございます。