「これが私なんだ」と言える日を目指して
小さな私の「なぜ?」
子どものころ、私は「どうしてみんなと同じようにできないんだろう」と悩むことがよくありました。
体育の授業でチームを作るとき、最後まで選ばれなかったときの心の痛み。グループで話していても、自分だけ少し話題についていけない気がするあのモヤモヤした感じ。
「あの子みたいに上手にできたらいいのに」「もっと明るく話せたらみんなが笑ってくれるのに」──そんなふうに思って、鏡の前で練習をしたこともあります。
しかし、心のどこかでは感じていました。「自分が自分であること」を変えられないし、本当は変えたくないんだ、と。
みんなと違うからこそ
ある日、祖母がぽつりと言いました。
「みんなと同じじゃなくていいよ」
その言葉が不思議と心に残っています。
祖母は田舎でずっと暮らしていました。手作りの梅干しが自慢で、どれだけ時間がかかっても丁寧に種を取るのが好きな人でした。近所の人から「そんなに丁寧にやらなくてもいいのに」と言われても「これが私のやり方だから」と笑って答える祖母の姿。
当時の私は、そんな祖母が「変わっている」と思っていました。でも大人になってわかったのです。あの姿こそ、自分らしさを大切にする生き方そのものだったんだと。
自分の色を見つける旅
社会に出ると、また「みんなと同じ」が求められる場面が増えました。誰もが同じ方向に進むことが正しいように思えました。しかし、その道を歩むうちに、だんだん自分が見えなくなっていく気がしたのです。
そんなとき、ふと頭に浮かんだのが「海外に行ってみたい」という夢でした。
子どものころ、映画で見た広い海や異国の街並み。その記憶はずっと心の中にありました。しかし「無理だろうな」と自分で壁を作っていたのです。
ある日、「このままでいいのかな」と思い切って行動に移しました。少しずつ準備をして、気づいたらオーストラリアの空港に立っていました。新しい環境では失敗もありましたが、それ以上に「自分はこういうことが好きなんだ」「これが私なんだ」と思える瞬間が増えました。
私らしい花を咲かせよう
海外で出会った人の中に、こんな言葉をくれた人がいます。
「あなたは、どんな花になりたい?」
その言葉は私を救いました。
どんなに小さな花でも、どんなに珍しい形でも、それぞれの花にはその花らしさがある。そして、それは誰かにとって必ず特別な意味を持つものです。
周りの人と比べる必要はない。同じじゃなくていい。大切なのは、自分が「この色がいい」と思う花を咲かせること。私も、少しずつ「私らしい花」を育てることができました。
あなたも、あなたらしく
もし今、何かに悩んでいるなら、まずは自分にやさしくしてみてください。
「これが私なんだ」と、少しだけ受け入れてみてください。完璧じゃなくていいのです。他の人と違っていいのです。それが、あなたが持つ「特別な魅力」だから。
自分らしい人生を歩む旅を始めてみませんか。あなたが咲かせる花は、きっと誰かに勇気を与える存在になるはずです。
おわりに
自分の人生は、自分だけのものです。他の人の人生を生きるのではなく、自分の心が喜ぶ道を選んでください。
誰かと同じでなくても、どこかで誰かがあなたの色を「きれいだ」と感じています。
どうかそのことを忘れないでくださいね。
本日も読んでいただきありがとうございました。
良い一日をお過ごしください。