やるせない。

これからどうしたらいいんだろう。
友達がどんどん受験を終えていく。きっと僕のことなんてすぐに忘れられてしまう。何をやっても時間だけが過ぎ去っていく。考えている間にも、ノートを書いている間にも、誰かを思っている間にも。
誰にも気づかれずに生涯を削って生きていく。
また、ひとりぼっちだ。また、孤独だ。また、ぬるい不幸だ。また、音楽が遠のいていく。
本来なら音楽なんて生きるためには必要ないのかも知れない。
音楽に変に縋り続けるのもバカみたいだ。
お父さんとお母さんは勉強しなさいという。きっとこれは盲目的なシステムなどではなく、本心から、僕のことを思って言ってくれているのだろう。
でもね、お父さんお母さん。僕たぶん大丈夫だよ。僕、心もきちんと治して正しい大人になって、正しい街を歩いて、正しく生きられる大人になるから。だから僕から音楽を取り上げないで欲しい。

あぁ、惨めだ。自分の不幸の理由を他人に押し付けているうちはきっと幸せになれない。きっと幸せになったとしても惨めだ。
幸せになりたい。安心が欲しい。見せかけの安心じゃなくて。どこにも行けない自分じゃなくて。孤独じゃない自分じゃなくて。
ひとりぼっちになりたくない。孤独は暗くて恐ろしい。
勉強しなきゃ。大学へ行って。まともな大人にならなきゃ。きっと僕なんて見向きもされぬまま死んでいく。